弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

匿名被害者 最高裁の 符号は甲乙 丙丁戊

2008年03月17日 00時05分05秒 | 未分類
匿名は良しとして、今どき甲乙丙丁戊はどうよ、という感想もありそうです。
最高裁もHPや「裁判所時報」等に掲載される判例では、ABCDEを主に使っているようなのですが。
疑問は尽きません。
・若い人には、そもそも、甲乙からして馴染みがないのでは。
・「甲乙つけがたい」という慣用句を知る人も、次が丙と知らないのでは。
・三面訴訟で甲乙丙までは使うことがあっても、丁は使わなかったのでは。
・さらに、丁の次が戊だと知っているのは、よほど年配の人では。
・さて問題です。たまたま5人だったからいいけど、戊の次は何でしょう。

符号には甲乙丙丁戊を使うべしという判例が出たわけではないので、差し支えがない限り私はABCDEを使いたいと思います。

(朝日から抜粋)
 「甲(こう)が丙(へい)を介して手渡し」「丁(てい)と戊(ぼ)に2発を発射」……。犯罪被害者を守るため、刑事訴訟法の改正で昨年暮れから被害者の名前を法廷で伏せることができるようになり、最高裁で初めてこの制度を適用した刑事裁判が13日あった。
 一部の遺族が匿名を望んだため、最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)が被害者5人を「甲、乙(おつ)、丙、丁、戊」と呼ぶことを決定。その呼称で弁護側の主張が読み上げられた。

(答)十干は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。
上の記事は、前半が読めない人が多いという前提でルビを振っています。
ならば、後半はなおさら読めないでしょう。
音読みでは、き・こう・しん・じん・き。
「き」が音ではかぶってしまいます。やはり、実用には堪えません。