弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

嘘八百の カラ出張で 知事は一日 八十万

2006年12月31日 10時05分27秒 | 未分類
このブログでの都々逸も、ちょうど八百作目になりました。
来年は嘘のない一年にしたいものです。
27日の福井地裁判決から。約1億1000万円÷137日=約80万円
(朝日新聞から抜粋)
 福井県で97年に発覚した職員のカラ出張問題をめぐり、市民オンブズマン福井のメンバーらが栗田幸雄・前知事に約2億2000万円を県に返還するよう求めた住民訴訟の差し戻し審判決が27日、福井地裁であった。小林克美裁判長は「遅くとも97年初めころに全庁的な調査を命じていれば、訴訟の対象となった期間の不正支出を防止できた」として栗田前知事の責任を認め、約1億1000万円を県に支払うよう命じた。
 原告側は監査請求を退けられたため、98年10月に約17億円の返還を求めて提訴。差し戻し前の一、二審とも「監査請求の対象が特定されておらず不適法」として敗訴した。しかし、04年12月の最高裁判決は、監査対象の特定について「提出資料を総合して監査委員が対象を認識できる程度でよい」と判断。監査請求から1年前の97年8月以降の支出について訴えを適法と認め、審理を同地裁に差し戻していた。
 差し戻し審で原告側は同年度のカラ出張費のうち未返還の約2億2000万円の返還を請求したが、判決は、8月以降の支出額を日割り計算し、返還対象を137日分の約1億1000万円と認定した。



事件増えても 「明日があるさ」 「そのうち何とか なるだろう」

2006年12月31日 09時22分13秒 | 未分類
今年は後半にかけて新受事件が少し増えてきていたようだ。
私の単独の未済件数も、夏休みの間に二百件を突破したが、当初は間もなく元の水準に戻るだろうと楽観していた。しかし、結局は一度も二百件を割ることなく、二百十件台で年を越すことになってしまった。
心配になって周囲に聞いてみると、私だけに起こっている現象ではないようで、最近亡くなった青島幸男さん作詞の「俺もないけど 心配するな」という歌詞を思い出した。青島さんの歌で締め括るような一年となった。

劇で刺客に 斬られた人は 再チャレンジで 生き返る

2006年12月30日 14時06分50秒 | 未分類
新聞に目を通していて感心するのは、投稿の川柳に傑作が多いことである。この年末に朝日と毎日に掲載された総集編を読んで、改めてその感を強くした。
今年の最高傑作ではないかと高く評価しているのは、朝日に掲載された次の川柳である。
「劇場で 斬られた人は 生き返る」
これを都々逸にしたらどうなるか考えてみたが、やはり原作には及ばない。
それにつけても、もっと色々な人に再チャレンジのチャンスを与える社会であってほしいものだ。

石橋たたいて 推挙をせねば 判事・横綱 生まれない

2006年12月29日 19時16分07秒 | 未分類
NHKで先程「大相撲この一年」を見た。
やはり今年最も悔やまれるのは、大関白鵬の横綱昇進見送りだろう。これで当分は朝青龍の一人横綱が続きそうである。横綱審議委員会の石橋義夫委員長も、ついに1人の横綱も誕生させられずに2期4年の任期満了となる。
上を望めばきりがないのだから、完璧を要求すると適任者などいなくなってしまう。「地位が人を作る」のは昔から言われる通りだと思う。本人の意気込みをもっと重視してはどうか。
弁護士任官者の推薦でも同様の事を感じた一年だった。

偽装・偽証に いら立ち覚え 偽らざるのは 裁判長

2006年12月28日 21時55分01秒 | 未分類
(毎日新聞から抜粋)
「被告を懲役5年、罰金180万円に処する」。主文を告げ、30分余り判決理由を読み上げた後、川口裁判長は「姉歯被告、前に」と促した。黒いスーツ姿で証言台の前に立った姉歯被告に、川口裁判長は語り始めた。「厳しい判断となりました。法廷で何回か話を聞きましたが、あなたが大変なことをしでかした、という感じが伝わってこなかった。私がそれにいら立ちを覚えたことは偽らざる事実です」




偽装だけなら 罰金だった 偽証したから 懲役に

2006年12月27日 20時00分28秒 | 未分類
26日の東京地裁判決から。
(毎日新聞から抜粋)
 耐震データ偽造事件で、構造計算書を改ざんしたとして建築基準法違反などに問われた元1級建築士、姉歯秀次被告(49)に対し、東京地裁は26日、求刑通り懲役5年、罰金180万円の実刑判決を言い渡した。川口政明裁判長は「自己の利益を図るために職責に背いただけでなく、建築士や建築業界全体の技能、職業倫理に対する国民の信頼をかつてないほど低下させた」と述べた。一連の事件で実刑判決は初めて。
 議院証言法違反(偽証)については「自らの責任を回避するため圧力に屈した犠牲者のように演じた」と非難。事件を「わが国建築業界史上最大級の不祥事の一つ」と位置づけたうえで「責任の所在という(偽証)対象の重大性に加え、衆院委員会の真相究明を妨げ、他者を名指しして責任転嫁した」と指弾した。
 判決は、建築基準法違反の法定刑(30万円以下の罰金)について「法益侵害の重大性と刑の軽さの間に差がある」と指摘したが「偽証の罪だけでも実刑に十分」と判断した。


いつも元気で 伸び伸びやろう 社会支える 司法権

2006年12月26日 23時05分22秒 | 未分類
来年の干支「いのしし」織り込みどどいつ。
25日の毎日新聞朝刊で、平山正剛日弁連会長が「司法が社会の支えにならないと本当の平和はできないという思いで司法の道を選びました。」と書いてらっしゃった。
私もそう思っていました。



「M-1」なんかに 劣りはしない 「ニュースペーパー」 時事ネタで

2006年12月25日 23時09分40秒 | 未分類
昨日のクリスマス・イウ゛は、テレビの生放送で「M-1グランプリ」を見るかどうかで迷った挙げ句、「ザ・ニュースペーパー」の公演を選んだ。
知る人ぞ知る社会派コント集団。毎日3紙を読んで時事ネタを探してしまう私も、十数年前からの大ファンで、十回近くは公演に行ったと思う。
今回の注目点は、時節柄、さる恒例のネタを敢行するかどうかだったようだが、さすがに劇団結成の経緯もあり、臆せず、愛情をもって好演されたのに好感を抱いた。
本当は、こういう笑いがテレビでも見られるような社会であってほしい。

任命責任 問われぬように 後見・管財・鑑定人

2006年12月24日 02時18分38秒 | 未分類
裁判官も、成年後見人、破産管財人や鑑定人などを任命する時には、それなりに気を使っていますよ。

たとえ娯楽の 番組だって 「そこまで言って 委員会」

2006年12月23日 00時31分44秒 | 未分類
22日の大阪地裁判決から。
(朝日から抜粋)
 タレントのやしきたかじんさんが出演した深夜番組をめぐり、女性タレントと離婚した近畿地方の50代男性が「うその発言で名誉を傷つけられた」として、やしきさんと毎日放送に慰謝料など2200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。瀧華聡之裁判長は「発言に公益性はなく、男性のプライバシーに配慮せずに興味本位に取り上げており名誉を棄損した」と判断。毎日放送に対しては「編集のうえ意図的に放送した」として共同不法行為責任を認め、計330万円を支払うよう命じた。
 被告側は、「フィクションや脚色などを加えて面白く見せる娯楽番組での発言は、報道番組と違って名誉棄損の許容範囲は広い」と主張した。これに対し、判決は「視聴者が娯楽番組の内容のすべてを虚偽だとは考えていない」として退け、番組を編集して放送した毎日放送の共同責任も認定した。
 男性の代理人弁護士は「判決は、視聴率のためなら何を言ってもいいという傾向がある娯楽番組に歯止めをかけるのではないか」と話している。


裁判員には 有給休暇! 「うーんマンダム」 男前!

2006年12月22日 20時56分33秒 | 未分類
(今日の読売新聞朝刊から抜粋)
「裁判員休暇」導入へ
 マンダム  有給、期間上限なし
 化粧品メーカーのマンダム(本社・大阪市)は21日、2009年5月までにスタートする裁判員制度で、社員が裁判員に選ばれた場合に備え、有給の特別休暇制度を来年1月に導入すると発表した。
 正社員だけでなく契約社員、パート社員を含む約1000人の全従業員が対象で、裁判員の職務に必要なら期間の上限なしで取得できるようにする。
 裁判員制度では、裁判員を務めるために仕事を休んだことを理由に、企業が社員を解雇するなど不利益な取り扱いをすることは法律で禁じられている。ただ、給与をどう扱うかは各企業の判断。

局面難解 喜びましょう つまりそれだけ 手が広い

2006年12月21日 20時34分11秒 | 未分類
第19期・将棋竜王戦7番勝負の最終局が先ほど終局した。
渡辺明竜王が挑戦者の佐藤康光棋聖をフルセットの4対3で退け、3期目の防衛。タイトル戦ではベテランの実力者を相手に、7番勝負を2連敗でスタートしながら巻き返した見事な防衛だった。
プロの将棋を見ていて感心するのは、難解な局面でも妙手をひねり出し、最後まで諦めない事である。
何事も、難局ほど自分の実力が発揮できるチャンスと前向きに考えるべきなのだろう。
難しい裁判に当たった時も、そう考えるようにしたい。

格差社会の 勝ち組なのに なんで金持ち 喧嘩する?

2006年12月20日 22時29分24秒 | 未分類
最近の裁判からの雑感都々逸(1)

モラルリスクは 原告だけか? 被告はどうなの? 代理人!

2006年12月19日 20時36分05秒 | 未分類
では、保険金請求事件はなぜ難しいか。
昔から、保険法のキーワードは「モラルリスク」であった。広い意味での保険金詐欺、例えば偽装事故、自作自演の放火や自殺を誘発しやすい事を言う。
しかし、最近の事象は、モラルリスクは何も保険契約者や保険金受取人の側だけにあるわけではない事を認識させた。保険契約を締結し、保険料の支払を受けてきた保険会社が、いざとなると保険金の支払に極めて消極的になる傾向は否めない。そのモラルリスクを、顧問や代理人の弁護士が防止し得ているかどうか。

真犯人なら 破廉恥な人 厚顔無恥にも 否認する

2006年12月18日 22時57分13秒 | 未分類
「痴漢冤罪」事件はなぜ難しいか?
「痴漢冤罪」事件と言っても、被告人本人が冤罪だと訴えている事件という意味にとどまる。真相は本人しか知らない。
そして、この種の犯罪の真犯人の性格は、頑強に否認するという傾向が強いように感じられる。中には、周囲の人を欺き、支援者集めまでする例も無いとは言えない。
もちろん、それだけが痴漢事件の特徴ではない。被害者が犯人を誤認等する可能性が無視できず、立証手段にも限界がある。
にもかかわらず必罰主義に流れると、判断を誤る危険性が飛躍的に高まるであろう。