弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

今年は何人 退官したか? 裁判官の 年度末

2024年03月31日 19時48分46秒 | 裁判
最近の裁判官の依願退官は、深刻な状況だ。
(写真)山中理司弁護士のブログから抜粋した、昨年度末の依願退官者。
半分近くを名古屋地裁で占めていること、とりわけ岡崎支部から3人も一斉退官したことが注目された。
豊橋支部には左陪席となる未特例判事補が配置されず、右陪席クラスの判事の負担が過重となっていることは、裁判官弾劾裁判所での私の証言でも述べた。新任判事補を必要人数獲得できず、定員を大きく下回っていることが原因であるが、岡口裁判官に対する過酷な処分に代表されるような裁判所の体質が、若者に嫌われていることが究極の原因であると思う。

津地裁で私の右陪席を務めてくれた裁判官も、豊橋支部に異動後一年で依願退官してしまう。裁判官が少ないため、令状当番が頻繁に回ってくるのに、宿直室が無いので、自己負担でホテルに泊まらなければならないのだという。
このような理不尽な待遇を受けたら、私ならば国(裁判所)を被告にして裁判を起こすだろう。

予算で「三厘 司法」の壁を 越すに越されぬ 裁判所

2024年03月30日 14時07分37秒 | 裁判
令和6年度通常予算が成立。
一般会計112兆5717億円に対し、
司法予算は3310億円。
0.294%だ。
見事なまでに0.3%に収まっている。
かつての防衛費GNP比1%時代のように、予算枠からのシーリングが決まっているようにも思える。
しかし、こちらはあくまでも予算比で、かつ、わずか0.3%未満。
恥ずかしくなるほどの低予算である。私はこれを「三割司法」ならぬ「三厘司法」と呼んでいる。
現代では縁起が悪いとされる三隣亡(さんりんぼう)と聞き間違えそうだ。

国会議員は 皆勤せずに 正しい評決 できるのか?

2024年03月29日 17時55分10秒 | 裁判
岡口判事の弾劾裁判にみる「制度の欠陥」
裁判員の国会議員、欠席や交代だらけ
出欠状況を総まとめ
(弁護士ドットコム)より
https://www.bengo4.com/c_18/n_17387/

よく調べた記事だ。
国会議員は欠席も珍しくないのだろうが、裁判はそういう訳にはいかない。
結審時の偶然による出席裁判員の組合せしだいで、評決の結果が左右されるようでは困る。

「そんなアホな」で 4分で終わる「M-1」みたいな 1回戦

2024年03月28日 18時59分04秒 | 裁判
全国民注目?の裁判が始まった。

https://l.smartnews.com/m-fimSD/04BA9P

かねてから思っているのだが、私たち民事裁判官も傍聴に来ていただいたお客様に分かるような(将来の)顧客満足度の高い法廷を心掛けた方が良いと思う。
傍聴人が多い時は、なるべく何をしているのか、どういう主張がされているのか、聞いて分かるように心掛けているが、時間の制約もあるのでなかなか難しい。
ただし、判決の言渡しは、当事者はもとより、記者も含めて、その事件の判決を聞きに来ていると思われる傍聴人がいる時は、主文に加えて理由の要点を述べるようにしている。

なぜかLGBTだけは「一歩前に出る」最高裁

2024年03月27日 08時46分06秒 | 判決どどいつ
昨日の最高裁判決から。

被害者給付金
性的少数者を守らねば
(中日新聞社説)
https://www.chunichi.co.jp/article/874493

「先を急ぎすぎ」との今崎反対意見を押し切って、多数意見は事実婚には同性カップルも含まれると解釈した。
トランスジェンダー関連の諸判例を初めとして、最高裁はこの分野では下級審裁判官が驚くような新判例を連発している。
私も名古屋地裁係属時点では、無理筋ではないかと思っていた。
憲法訴訟に類する人権訴訟は、やる前から諦めてはいけないという好例だ。
法律の文言よりも、素朴な人権感覚を忘れないようにしよう。
弁護団は大金星。「アッパレ!」だ。

マゲも結えない 二人の力士 汽車道、馬車道、電車道

2024年03月26日 18時35分35秒 | スポーツ
尊富士と大の里
「電車道」の土俵人生を(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/873843

社説に大相撲の話題が取り上げられるのは珍しい。
珍しく明るい話題だからか。
相撲内容も元気で潔くて気持ちがいい。
二人とも近い将来の大関・横綱候補であることは間違いない。
大怪我さえしなければ。

先場所「旗手」から 今場所「主役」百十年ぶり 十場所目

2024年03月25日 08時36分21秒 | スポーツ
大相撲春場所千秋楽から。
尊富士が前日の怪我にもかかわらず出場し、見事に勝って自力優勝。
新入幕力士の優勝は110年ぶり。
先場所は同部屋の横綱照ノ富士の優勝パレードの旗手を務めていた。
新入幕初日からも名横綱大鵬と並ぶ11連勝の記録を作り、初土俵から10場所での優勝は最短記録。
間違いなく先輩横綱の後継者候補に躍り出た。

教科書検定「支える」人を「足を引っ張る」に 訂正す

2024年03月24日 12時13分51秒 | 世相
検定合格の教科書に水原一平氏
「成功を支える人々」に登場
差し替え含め対応検討へ(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20240322-OYT1T50161/

砂漠に鯨の 化石があって その鯨には 足がある!

2024年03月23日 10時16分08秒 | テレビ
前回のTBS「世界遺産」から。
久しぶりに驚愕の内容だった。
https://www.tbs.co.jp/heritage/next/

エジプトの砂漠は、太古は海であった。その証拠にクジラの祖先の骨格の化石が多数あるという。
驚くべきは、前足と後ろ足があること。
陸から海に戻って、前足は胸びれになり、後ろ足は退化したが、現在も骨格には痕跡が残っているという。
なるほど、それで魚類ではなく哺乳類に分類されているのかと、大いに得心がいった。

州で決めなよ「スポーツ賭博 解禁」連邦 最高裁

2024年03月22日 18時18分21秒 | 判決どどいつ
スポーツ賭博、大半の州で合法
最高裁の判決を引き金に続々解禁
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240321/k00/00m/030/188000c

このアメリカ連邦最高裁判決は、私も知らなかった。
要するに、妊娠中絶と同様、合法・違法については、連邦ではなく各州に決定権があるという判断のようだ。
その結果として、ラスベガス以外にも賭博が広がってしまった。

「まず隗より始めよ」原格言の「隗」を「二階」に改める。

2024年03月21日 12時49分00秒 | 新ことわざ
新趣向。
民事控訴審判決方式(加除訂正)の新ことわざ都々逸。
「二階から目薬」と紛らわしくなりそうだ。

https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/asahi/politics/ASS3M7FXHS3MUTFK017

退官したなら 学者になって「出世」の仕組みを 暴きたい

2024年03月20日 11時55分47秒 | 裁判
なぜ「裁判をしない裁判官」ばかりが「出世」するのか。
よく考えてみると、司法権なのに、司法官(裁判官)というよりも行政官に近い人たちが昇進を重ねられる仕組みになっている。
その結果、いわゆる「司法官僚」による「官僚司法」、ついには「小役人」司法などと批判されているのが現状である。

そのカラクリについては、学問的に研究する価値が十分ある。西川伸一明大教授を初めとする先進的な研究も既にある。
私も幾つか分析手法のアイディアを温めているので、一緒に研究してみたい。これも退官後の夢である。

退官したなら「解説者」して「喝!」と「あっぱれ!」してみたい

2024年03月19日 21時13分26秒 | テレビ
私の退官後の夢は、元裁判長として、テレビで「民事裁判解説者」をすること。
理想としては、TBS「サンデーモーニング」で「今週の判決」コーナーを新設してほしい。
何だったら「判決どどいつ」をやってもいい。

うちも「他山の 石」にはしたい「メディアの中の 北朝鮮」

2024年03月18日 17時56分27秒 | 世相
朝日新聞本社に東京労働局が行政指導…現役社員の社外活動制限は「ハラスメント」《楯突く記者は「追い出し部屋へ転出」の過酷人事の実態》(現代ビジネス)
https://news.yahoo.co.jp/articles/18de920e770a2672277a162c38e5adce8b09b2f2

どうした朝日。
我が社も「ソ連(ロシア)」と言われ、職務外の活動は事実上制約されてきたから、他社の事は言えないが。

投票前から「当確」打てる 選挙はロシアと 裁判所

2024年03月17日 09時39分20秒 | 世相
ロシア大統領選挙が一応行われている形になっている。
平成司法改革前、ある経済人から「裁判所にはまだソ連があるのか」と驚かれた。
ソ連は崩壊したが、高裁や地家裁の大規模な裁判所では、ロシアのような選挙が行われている。
要するに、所長代行や常任(常置)委員(支部長などの宛職となっていない部分)は選挙で決めるが、当局の意向「天の声」により、あらかじめ決められた候補者に投票するように誘導されている。私は逆らって別の候補者(判事全員が自動的に候補者になっている。)に適宜投票していたが、開票結果は発表されず、予定されていた候補者の当選が通知されるだけだ。
とても恥ずかしいことだ。
(写真)元裁判官の瀬木比呂志さんの著書(抜粋)では「出来レース選挙」又は「八百長選挙」と呼ばれている(ただし、私は同期の「互選」なるものに参加させてもらった経験は無い。)。