弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

無罪判決 マーチの訳は 転勤間際の 難事件?

2008年03月08日 12時52分23秒 | 未分類
新聞を読んでいて、3月に入ったころから、明らかに無罪判決が目立つようになったと感じないだろうか。コアラのマーチならぬ、無罪のマーチである。
ここからは、その理由についての私の全くの仮説である。

有罪か無罪か微妙な難事件は、合議事件になっていることが多い。
難事件である以上、ギリギリまで審理を続行して考えようとする。
しかし、裁判官は平均して3年に1度は4月に転勤するから、合議体3人のうち1人は入れ替わる確率が高い。これが事実上のタイムリミットとなる。
合議体の構成が変わると合議を一からやり直さなければならない。
ならば、3月に何とか判決をしたい。

問題は、その時に有罪と無罪のいずれの方向への傾向が現れるかである。

難事件において「疑わしきは罰せず」の刑事裁判の鉄則を貫こうとすればするほど、3月の無罪判決の件数や比率は上昇するのではないか。

3月の無罪率に有意差が生じているかどうか、ぜひ統計学的に分析してほしい。