弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

判事にとっては 書き入れ時か? 重要判決 目白押し

2007年03月31日 19時22分06秒 | 未分類
転勤どどいつ(6)。
私も忙しくて新聞に目を通せていないが、先週から今週にかけては、全国の裁判所で重要な判決が相次いだ。
裁判官は約3年に1度の転勤があるので、3人の合議体のうち1人は入れ替わる可能性が高い。そうすると区切りとして、3月末に大きな判決を言い渡す例が多くなるのであろう。
私も単独で予定していた全ての判決を書き終えたところ。
このブログのどどいつも、ちょうど900首を書き入れた。

これぞ日本の 判事の美徳 立つ鳥あとを 濁さない

2007年03月30日 22時31分17秒 | 未分類
転勤どどいつ(5)。
裁判官は、転勤の際には、自分で尋問を聞いた事件の判決は書いていくのが望ましい。
当事者からは「せっかく尋問を聞いた裁判官が転勤してしまった」という不満を聞くことがあるし、裁判官としても、調書を読むよりも自分で聞いた尋問の方が心証を取りやすいのは否めない。
しかし、実際にやってみると、これを徹底するのはなかなか難しい。4月に転勤するとあらかじめ分かっていたら、年が明ければ新たな尋問を入れないくらいにしないと確実に結審・判決に達することができないと思われるが、それはそれで裁判の遅延を招きかねない。
それはさておき、転勤間際の裁判官は、それまで以上の多くの判決を書いていくことが多い。
できるだけ後任に負担を掛けたくないという心理からも頑張るのだが、無理をすると上級審に迷惑を掛けることになりかねないので、なかなか悩ましいところである。

徹夜してでも 判決書くよ 君が笑って くれるなら

2007年03月29日 21時09分38秒 | 未分類
転勤どどいつ(4)。
転勤間際の裁判官にとって、いつまで頑張って判決を書くべきかは大問題である。
当事者等のことを考えると、担当裁判官として審理してきた事件は自分で判決して行きたいという思いは尽きない。
結審さえすれば、転勤先に記録を持って行って判決を完成し、後任裁判官に代読してもらっても構わない。
しかし、これをやり過ぎると、転勤先で新しい事件も待っているので大変なことになる。
転勤直前まで精一杯頑張って、時間切れになったら諦めるという方が、健全なのかも知れない。

無駄じゃないのか? 挨拶回り わかっちゃいるけど やめられない?

2007年03月28日 21時14分54秒 | 未分類
転勤どどいつ(3)。
青島幸夫前東京都知事に続いて、植木等さんも亡くなった。
つい思い出して口ずさんでしまうのは「わかっちゃいるけどやめられねぇ」。
裁判官の転勤時の挨拶回りも、範囲が広すぎると無駄のように思う。
ただ、着任時に転勤先の裁判所の全室を回るのは、この機会を逃すと自分が勤務する部屋以外の様子をなかなか見られないので、有意義なようにも思う。
これに対して、離任時の挨拶回りは、本当に親しく世話になった必要最小限の範囲でいいのではないかと思うが。

転勤間際の 雪割り桜 古い事件よ さようなら

2007年03月27日 21時12分43秒 | 未分類
転勤どどいつ(2)。
転勤が近い裁判官は、なるべく長期未済事件を解決しようとする。
私も、2年前に前任者から引き継いだ事件は残すところあと1~2件となった。
なるべく2年以内に解決するという裁判迅速化法の趣旨からしても、まずまずの成果だと自負している。

弁護士任官 今年の春は 少数民族 大異動

2007年03月26日 20時11分36秒 | 未分類
転勤どどいつ(1)。
この4月は、私たち弁護士任官者の転勤が異例に多いようだ。
最近では任官者数が多かった2003年任官(10人)、2004年任官(8人)の人たちが、軒並み異動時期を迎えることが大きな要因ではないかと思われる。
私はこれを「少数民族の大異動」と呼んでいる。

古い民法 想定外の 生殖立法 向かいましょ

2007年03月25日 19時40分34秒 | 未分類
23日の最高裁決定から。
(朝日から抜粋)
 タレントの向井亜紀さん(42)と元プロレスラーの高田延彦さん(44)夫妻が米国の女性に代理出産を依頼して生まれた双子の男児(3)について、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は23日、夫妻との親子関係を認めない決定を出した。第二小法廷は「自分の卵子を提供した場合でも、今の民法では母子関係の成立は認められない」との一般判断を初めて示した。向井さん側にはこれ以上不服を申し立てる手段はなく、出生届の不受理が確定した。
 第二小法廷は「代理出産は公知の事実で、(明治時代に制定された)民法の想定していない事態だ」と指摘。「遺伝的なつながりのある子を持ちたいという真摯(しんし)な希望と、他の女性に出産を依頼することについての社会一般の倫理的感情を踏まえ、立法による速やかな対応が強く望まれる」と述べて、法整備を急ぐよう国会に異例の注文をつけた。

2年連続 最下位だけど なんとかなるさと 楽天家

2007年03月24日 23時02分54秒 | 未分類
今日、プロ野球パ・リーグが開幕。
私は、東京高裁時代に球団合併事件の抗告審を担当し、その後の経過で新球団が誕生した経緯から、結成以来の東北楽天ゴールデンイーグルスのファン。
辛抱強いはずの東北のファンの皆様には重ね重ねお願い。
「ながーい目で見て下さい」
今を時めく王監督のあの球団だって、福岡移転の当初は悲惨だったんです。
ファンが見放したら、また球団がなくなってしまいます。一昨年より昨年は良くなったではありませんか。今年もきっと前進があるはず。

とても微妙な 事件が来たに 無辜の不処罰 明らかに

2007年03月23日 08時44分31秒 | 未分類
周防正行監督の映画シナリオ本「それでもボクはやってない」には、木谷明元裁判官との徹底対談「日本の刑事裁判はどうなっているのか」が掲載されている。
映画の冒頭の「十人の真犯人を逃すとも 一人の無辜を罰するなかれ」にあるように、刑事裁判の目的は「無辜の不処罰」であるということを思い起こさせる事例が最近続いている。心しなければ。


「コンピュータには まだまだ負けぬ」 若き竜王 明らかに

2007年03月22日 18時59分16秒 | 未分類
(毎日から抜粋)
 将棋の渡辺明竜王とコンピューター将棋ソフト「ボナンザ」の対局が21日、東京都内のホテルで行われ、112手で渡辺竜王が勝ってプロの貫禄を示した。
 ボナンザの作戦は四間飛車穴熊。渡辺竜王は手堅く居飛車穴熊に組んで必勝を期したが、「こちらが不利な局面もあった」という。しかし、終盤で強烈な攻めを決めた。
 終局後、渡辺竜王は「もっと簡単に勝てると思ったが、想像以上に強くて驚いた。ずっと勝ち続けられる相手ではないでしょう」とボナンザの実力を認めた。開発者の保木邦仁さんは「鑑賞にたえる棋譜を残せただけで満足です」と笑顔を見せた。


大人のパチンコ 出させぬために 子どもの遊び場 出しにする

2007年03月21日 01時40分59秒 | 未分類
20日の最高裁判決から。
(朝日から抜粋)
 札幌市のパチンコ店業者が「北海道稚内市に出店しようとしたら、地元業者が公園をつくって土地ごと寄付し、児童遊園が新設されたため、風俗営業法に抵触して営業許可を受けられなかった」として、地元業者らに損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が20日、あった。最高裁第三小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)は「寄付は開業妨害で、許される自由競争の範囲を逸脱し違法だ」として二審・札幌高裁判決を破棄。損害額などをさらに審理させるために同高裁に差し戻した。

金さん真似して 「観念しろい」 言いたくなるけど 我慢する

2007年03月20日 21時28分36秒 | 未分類
テレビ朝日「遠山の金さん」が最終回を迎えた。
時々見ていたが、松平健演じる金さんの「観念しろい」が好きだった。
一度言ってみたい。

お時給以上に 働かなくちゃ ハンジの品格 保持しつつ

2007年03月19日 20時39分15秒 | 未分類
今年のテレビドラマで私の一押しは「ハケンの品格」だった。
「お時給の分は働かせていただきます」と言った大前春子さんはなかなか格好よかった。そんなスーパー派遣がいる訳はないが、「良質な労働力を低賃金で」といったような、この国に蔓延する「いいとこどり」の風潮に逆襲した名作だったと思う。
私たちクラスの判事の報酬は、時給に換算しても大前春子さんの3000円を上回るだろう。
あとは、3か月か10年の契約期間が終われば、嫌になったら辞めるという覇気を持つ事だろうか。

「白い巨塔」で 弁護士知った 山崎豊子を 読まなくちゃ

2007年03月18日 22時25分23秒 | 未分類
話題のテレビドラマ「華麗なる一族」が終わった。
そういえば、私が弁護士に憧れたのも、中高生のころに「白い巨塔」のテレビドラマを見て本を読んだのがきっかけだったように思う。
久しぶりに山崎豊子作品を読みたくなった。

増えた挙げ句に 裁判員に 席を取られる 修習生

2007年03月17日 19時18分06秒 | 未分類
修習生より裁判員どどいつ。
ある修習生から、次の都々逸をいただいた。
「市民が参加 できると聞くが 修習生の 席足りず」
裁判員制度のために改造された法廷では、ただでさえ増員した修習生たちの席を設けるスペースがなくなり、傍聴席に座っている例があるのだそうだ。