弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

四の五の言わずに 二の足踏まず 一か八かで 七転び

2008年06月30日 00時31分17秒 | 未分類
「朝まで生テレビ!」どどいつ④
パネリストの丸山先生のいくつかの発言が、どうも不評だったようである。
その1「無罪判決を書いた裁判官は出世できない」
私も、これは不正確だと思う。無理に有罪判決をして上訴→再審という泥沼化の原因を作るよりも、1審で説得力のある無罪判決をして検察官に控訴を断念させる方がいいに決まっている。
しかし、私が問題にするのは、あの丸山先生にさえそう誤解させてしまっている刑事裁判の現状である。もちろん誤解する方も悪いが、誤解される方にも責任の一端はあると思う。
その2「一か八かやってみたらいい」「世の中は全てバクチ」
私は、これには一般論として全面的に賛成である。失敗する可能性があるからといって「改革」に二の足を踏んだら、何も変わらない。
うまくいくことが確実な「改革」など存在しないし、ここ数年間、日本国民は、成果がそれほど明らかでない「改革」を選挙で支持してきたはずである。「改革」に試行錯誤は必須。昔から、七転び八起きというではないか。
もし失敗したら、その間に裁かれた被告人はどうなるのかという人もいる。しかし、反対論者の多くも「これまでの刑事裁判には問題が有った」という立場のはずである。その下で裁かれ続ける被告人はどうなるのだろう。
国会で全会一致で決まった以上、国民主権の下ではまずそれが正解であったと信じ、四の五の言わずにやってみようよというのが私の意見である。最高裁も同旨かも知れない。
というわけで、1けたの数字を織り込んだ趣向のどどいつが完成した。
ただし、「世界のナベアツ」がアホにならないように、3の倍数の三・六・九だけは外しておいた。





「朝まで」評議に 参加をしない 判事・検事は 被告人?

2008年06月29日 02時02分37秒 | 未分類
「朝まで生テレビ!」どどいつ③
「笑点」の春風亭昇太ではないが「それじゃ駄目じゃん」と叫びたくなるような結末だった。
番組では最高検にも出演を要請したが、法務省から「今回は出演できない」との回答を受けたという。どうも腰が引けている印象を受けて、残念だ。
結局、法曹三者からは弁護士のみ(国会議員と元検事を含む)が参加。
これまでの刑事裁判の批判で盛り上がるという展開は「想定の範囲内」だったので、最高裁と最高検が出演を辞退したのは賢明なのかも知れない。
しかし、検察の回答はあまりにもぶっきらぼう。裁判所の回答も、裁判員制度に対する違憲判断を留保しているという意味かと深読みされかねない。また、それならばそれで、留保は明確にして議論に参加することは、十分可能だったと思われる。
いずれにせよ、不参加では、被告人が黙秘権を行使しているみたいだ。
私も「これまでの刑事裁判には問題が有った」という立場だが、その理由は「『職業裁判官なりに、きちんとやろうとしている』ことを国民に十分理解してもらうことに失敗した」という点にもある。弁明の機会を失したことは、やはり残念である。
現・元職の裁判官・検察官が参加しなかったことで、私が分類した、これまでの刑事裁判に、
①問題が有った→賛成(日弁連執行部など)
②問題無かった→賛成(最高裁など)
③問題が有った→反対(一部の弁護士グループなど)
④問題無かった→反対(元裁判官の一部の著作など)
という4派のうち、②と④の立場の参加が無く、専ら①と③の立場の争いに終始するという、ある意味で平板な「評議」の展開になってしまった。

裁判官抜き 朝まで評議 ド~するド~なる 裁判員

2008年06月28日 14時30分21秒 | 未分類
「朝まで生テレビ!」どどいつ②
今日未明の「朝まで生テレビ!」を見ました。
「激論!ド~なる?!裁判員制度~あなたは人を裁けますか~」
意外にも「裁判員制度」をテーマにするのは、この番組では初めて。
淋しかったのは、現・元職の裁判官が一人もパネリストにいなかったこと。
番組では最高裁にも出演を要請したが、文書で回答があったそうです。
「企画書によると本番組は、裁判員制度について、賛成・推進の立場と反対の立場に分かれ、制度の当否等について、議論することが主目的であると思われますが、裁判所は裁判員法のように国会の決議を経て制定された法律の当否について、事件の審理を離れて意見を述べることはありませんので、今回の出演については差し控えさせていただきます。なお、裁判所も裁判員制度の広報を行っていますが、それは制度の実施機関として、刑事裁判・裁判員制度の仕組み等を国民の皆さんに知っていただくために行っているものであることを、御理解いただきたいと思います。」
結局、裁判官を含まない12人のパネリストで、映画「12人の怒れる男」の陪審員制の評議みたいになりました。
評議の冒頭で「これまでの刑事裁判には問題があった」とほぼ全員一致。
その上で、裁判員制度がその解決策になるかが争点となり、裁判員法を全会一致で成立させたはずの社民党の福島党首までが、延期・修正論に転じるという展開になってしまいました。
この評議をリードできる裁判長・裁判官は、そこにいませんでした。

新件ばかりを 真剣にやる 親切丁寧 新設部

2008年06月27日 21時00分24秒 | 未分類
さいたま地裁川越支部では裁判員制度の裁判は行わないので、該当する刑事事件は本庁に起訴されるようになってきた。
本庁は裁判員法廷棟も完成して、心機一転、張り切っている。
特に、新設部は新件ばかりに取り組んでいる。
「新件を真剣に」「親切に」が新設部の合言葉だそうだ。

投資詐欺師の かけ引きならば 差し引きしません 「配当金」

2008年06月26日 00時50分59秒 | 未分類
24日の「架空投資詐欺」最高裁判決から。
10日の「ヤミ金」最高裁判決と同じ第3小法廷です。
小法廷はこの判例を引用し「今回の詐欺が反倫理的行為に当たるのは明らかで、配当は米国債を購入していると信じさせる手段だった」と指摘。
ただし、同判決で意見を付していた田原睦夫裁判官が、今回の判決では「配当分は損害額から控除すべきだ」との反対意見を述べています。破産になったときの配当金が実質的に不公平にならないか、との疑問も提起しています。
(最高裁HPの判例要旨)
Yが投資資金名下にXから金員を騙取した場合に,Xからの損害賠償請求においてYが詐欺の手段として配当金名下にXに交付した金員の額を損益相殺等の対象としてXの損害額から控除することは民法708条の趣旨に反するものとして許されないとされた事例

目立つ格好で 出没をする とても著名な 傍聴家

2008年06月25日 21時57分56秒 | 未分類
去る4月18日(金)、とても著名な裁判傍聴家が川越にやって来た。
最初に気づいたのは私だった。
駅から裁判所までバスに乗って降りようとすると、前の人の後ろ姿にどうも見覚えがある。東京地裁でもよくお見掛けした、あの人だ。
裁判所前のバス停で降りたその人は、裁判所に背を向けて道路の反対側に渡った。なぜ?と観察していたら、裁判所の外観の写真を撮っていた。
どこに傍聴記を書くのだろうと楽しみに探していたら、ようやく発見した。
なるほど、こういう事件に目をつけるのかと感心した。
またのお越しを、お待ちしています。
以下、その傍聴記の一部を抜粋。
「創」7月号「バカ裁判傍聴記」第55回 阿曽山大噴火
 今回の傍聴記は、さいたま地裁川越支部での裁判の話。川越まで遠出したのは、心動かされる事件が埼玉であって、その初公判が川越で行われたからなんです。
 そのニュースをまとめると、専門学校で講師として仏教を教えていた46歳の男性が、飯能市内の萬福寺に侵入して、大黒天像を盗んだという事件。
 逮捕後家宅捜索をしたところ、40体以上の仏像があり、相当な仏像マニアのようです。これは気になる事件でしょ。

呉越同舟 同床異夢で ド~する?ド~なる? 裁判員

2008年06月24日 20時55分21秒 | 未分類
「朝まで生テレビ!」どどいつ①
今月のテレビ朝日「朝まで生テレビ!」は、
「激論!ド~する?ド~なる?裁判員制度」(仮題)
6月27日(金)25:20~28:20(6月28日午前 1:20~ 4:20)
これは必見だと思う。
賛成派・反対派とも、これまでの裁判官による刑事裁判に問題が有ったか無かったかという評価では、それぞれ2分しているのが実態だと見られる。
実際は、次の4通りの意見があると分析すべきだろう。
①問題が有った→賛成(日弁連執行部など)
②問題無かった→賛成(最高裁など)
③問題が有った→反対(一部の弁護士グループなど)
④問題無かった→反対(元裁判官の一部の著作など)
裁判官の中にも例えば今日定年退官された安原浩松山家裁所長のように「職業裁判官の有罪慣れ」を問題にする賛成論(①に分類される)もある。私もこの立場に近い。最も理解に苦しむのは、③の意見を有する弁護士たちが、不倶戴天のはずの④の元裁判官たちとも手を組んで、反対運動を展開していることである。
ともあれ、それぞれの論客をバランス良く配置して、実りある激論を闘わせることができるかどうか、注目したい。


東西南北 武蔵に中と 浦和は七つの 駅がある

2008年06月23日 01時01分15秒 | 未分類
昨日の日本テレビ「笑点」の演芸で「めおと楽団 ジキジキ」が、山本リンダ「狙いうち」の替え歌をやってウケていた。
もっとも、ほぼ同様の替え歌をかなり前に別の番組(私の記憶が確かならば「ボキャブラ天国」)で聞いたことがあるから、オリジナルではないと思う。
「東浦和、西浦和、南浦和、北浦和、武蔵浦和、中浦和、浦和は七つの駅がある」

他家に嫁いで その姓名乗り 実家に出戻り 離縁する?

2008年06月22日 10時15分28秒 | 未分類
有志の家事問題研究会で題材に取り上げられた最近の裁判例(東京高裁平成18年4月19日決定・判例タイムズ1239号89頁)が、長女は「他家に嫁ぎ、他家の姓を名乗っている」という表現を使っていたのが槍玉に上げられた。
現行民法によれば「婚姻して夫の父母と同居し、夫の氏を称している」などというべきところだろう。確かに戦前の家制度や旧民法を彷彿とさせるような表現には違和感がある。ただ、上記裁判例自体は、そういう事情があっても長女を祭祀承継者と指定すべきであるという判断を示したものである。
もっとも、私の離婚判決でも「実家」という表現は多用している。
そもそも双方の当事者・弁護士が「実家」という表現を使っているし、正確に言い換えるのが案外難しい。「生まれ育った家」とは限らないし「父母の家」というには父母が健在で同居していることの確認を要する。持ち家か借家かも関係するかも知れない。
ただし、両性の平等に配慮し、妻に限らず夫についても「実家」と呼ぶことにしている。これには、「夫の実家」とは一般にあまり言わないのではないかという人もいる。

判事もテレビで 広報しよう 三谷幸喜を 見習って

2008年06月21日 00時37分54秒 | 未分類
昨日の朝日夕刊の「三谷幸喜のありふれた生活」でも本人が総括していたが、この間のテレビでの活躍は凄かった。
まさに、ありとあらゆる番組に出ずっぱり状態だった。
スタッフと力を合わせて完成した映画「ザ・マジックアワー」を1人でも多くの人に見てもらうために、ピエロになる覚悟のようだ。見上げたものだと思う。
裁判員制度を成功させるためには、裁判官も模擬裁判だけではなく、法廷の外に出て宣伝する努力がもっと必要だろう。裁判官がどういう人たちで、何を考えているかを知ってもらえれば、一緒に考えようとしてくれる人たちも増えるのではないだろうか。
三谷幸喜の大ファンである私も、意気に感じて一刻も早く映画を見たくなった。しかし、最近は判決ラッシュで忙しく、なかなか見に行けそうにない。

なぜか埼玉 たまたま最後 ヒロイン上京 近すぎる?

2008年06月20日 00時25分53秒 | 未分類
NHK朝の連続テレビ小説が、川越市などを舞台にする来年の「つばさ」で全都道府県を一巡するという。
最後になったのは、なぜか埼玉、されど埼玉。
朝日がその理由を解明してくれていて、得心した。
(朝日17日朝刊から抜粋)
 「たまたまです」と話すのはNHKの銭谷雅義プロデューサー。あえて理由を挙げれば「主人公が地方から上京するパターンが多く、埼玉だと東京に近すぎるのでは。」

埼玉新聞 一面トップ 羽生から奪った 罪深さ

2008年06月19日 20時43分06秒 | 将棋
羽生永世名人誕生どどいつ③
通勤途中で時々「埼玉新聞」を買うが、昨日も買った。
所沢市出身の地元のヒーロー、羽生善治永世名人の記事が大きく載っているはずと思ったからだ。
しかし、見事に裏切られた。1面トップは、犯行声明で「所沢 今田勇子」を名乗ったあの死刑囚の執行だった。
全国紙とは違って夕刊がないから仕方がないのかも知れないが、明るい話題が不相応に小さな記事になってしまい、将棋ファンとしても残念だった。
それにしても、当時は名古屋で弁護士をしていた私は、あの事件が、現在仕事をしている川越、飯能、入間の事件であったとは認識していなかった。
ついに謝罪はなかったという。誠に罪深い。

全タイトル戦・全県制覇 上がりは将棋の 天童で

2008年06月18日 21時09分58秒 | 将棋
羽生永世名人誕生どどいつ②
将棋のタイトル戦は全国を転戦する。
それで羽生さんは、とっくに全都道府県踏破を達成したという。
かつては同時に「七冠王」を達成し、夢の「永世七冠」までもあと竜王位1期だけに迫っているのだから、当然か。
そして、永世名人の資格を獲得した対局地は、将棋駒のまち天童。
さすがは、将棋の神様だ。

一緒にはできないが、私も弁護士時代に全都道府県踏破を達成した。
日弁連をはじめ弁護士団体の総会等は全国各地で順に開催されるので、皆勤すれば十数年で達成することも不可能ではない。
それと比べ、キャリア裁判官は行ったことがない都道府県が多いようだ。
将来の転勤のときの楽しみに残してあるのだという方も少なくない。

羽生がニラめば 鋼鉄破る 永世名人 いぶし銀

2008年06月17日 20時51分44秒 | 将棋
羽生永世名人誕生どどいつ①
今夜、将棋の「羽生善治永世名人」が誕生した。
名人戦第6局で森内俊之名人から4勝目をあげ、通算5期目の名人位に。
昨年の森内18世永世名人に次いで、羽生19世永世名人が連続して誕生した(永世名人の襲名は引退後)。
森内が「鉄板流」とか「鋼鉄流」と呼ばれる手堅い棋風なのに対し、羽生といえば華麗な「羽生マジック」や「羽生ニラみ」ばかりが注目される。
しかし、羽生の真価は「銀」の使い方だそうだ。この名人戦でも、第6局を含め「銀」を駆使した名局が目立った。
あるファンが羽生が使っていた駒を貰ったら、「銀」だけ駒の尻のカドが取れて丸くなっていたという。

数独などより 超難問の ジグソーパズルか 判決は

2008年06月16日 01時47分33秒 | 未分類
陪審制を採用しているオーストラリアで、陪審員の半数近くが法廷でパズル「数独」に興じていたとして、裁判長が審理の取りやめを命じる事態が起きたという。
よほど法廷がつまらなく感じたのだろうが、実は法廷自体が謎解きの場である。
例えれば、判決起案は、ジグソーパズルに取り組むのに似ている。
ミステリーファンには是非、裁判官・裁判員になることをお勧めしたい。
少なくとも、真面目に取り組めば、「数独」などより遙かに手応えがあって面白いと思う。
しかも、自分だけに特別に出題されるのである。
それにしても、最近は出題が多すぎる上、制限時間も短すぎて、解答を出すのに四苦八苦する局面が増えている。