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弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官→原告→法科大学院教授になった竹内浩史のどどいつ集

どうも国側🏴旗色悪し 原告側は🌈レインボー

2025年03月25日 12時49分58秒 | 判決どどいつ
今日の大阪高裁判決から。

同性婚訴訟 大阪高裁も「違憲」
5高裁が同判断 1審「合憲」覆す
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20250324/k00/00m/040/111000c

さすがは私と同期の弁護士任官の裁判長と言いたいところだが、原審の合憲判決も弁護士任官の裁判長だった。

「検察なめんな」くらいで賠償? 判検交流 なめんなよ!

2025年03月22日 10時28分54秒 | 判決どどいつ
昨日の大阪地裁判決から。

「検察なめんな」の取り調べ、
 国の賠償責任認めず
 大阪地裁が判決
https://www.asahi.com/articles/AST3P1JGMT3PPTIL00RM.html
このような「中間判決」の使い方にも批判の余地があろう。
全面敗訴の終局判決を受けた原告は、騙し討ちにあったと思わないだろうか。

(写真)山中理司弁護士ブログ掲載の裁判長の経歴。
判検交流の裁判官というよりも、むしろ行政局畑の裁判官か。
かつては同様の経歴でも藤山雅行裁判長のような立派な方もいたのだが。

3勝4敗 あと8番で 勝ち越しできるか? 原告団

2025年03月15日 13時51分20秒 | 判決どどいつ
一昨日の高裁判決2件から。
生活保護減額処分取消請求の「多地裁係属」集団訴訟の控訴審判決が続々と出ている。
地裁では今年2月28日の松山地裁判決までで原告側が19勝11敗と大幅に勝ち越しており、残るは6月11日の前橋地裁判決のみ。
高裁では今年1月29日の福岡高裁判決まで
⚫️⚫️⚪️⚫️⚪️と負け越していた。
一昨日はまず大阪高裁で勝って3勝3敗のタイに持ち込んだが、直後に福岡高裁の別の部で負けた。
⚫️⚫️⚪️⚫️⚪️⚪️⚫️
大相撲の幕下以下であれば負け越しで終わりだが、まだ勝負は続く。

生活保護の減額は違法か 二つの高裁で明暗 判断を分けた「裁量」
https://www.asahi.com/articles/AST3F3CPVT3FPTIL005M.html

(写真)高裁判決の言渡期日が指定されているだけであと7件。うち今月後半だけで3件。
15番が終わったところで何勝何敗になっているだろうか。
また、夏季休廷直前に定年退官する宇賀克也裁判長による最高裁第三小法廷は判決をできるだろうか。

原発事故は 想定外で 原告敗訴は 想定内

2025年03月14日 20時56分46秒 | 判決どどいつ
今日の名古屋地裁判決から。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250314/k10014749621000.html

既に原告弁護団長の北村栄弁護士は控訴を表明している。

除斥期間で 門前払い 韓国人合祀 違憲訴訟

2025年01月17日 21時02分12秒 | 判決どどいつ
今日の最高裁第二小法廷判決から。

https://www.sankei.com/article/20250117-6VVAV7VVQVMZBLSUIBNB6QBGBU/

山口県護国神社の自衛官合祀違憲訴訟の最高裁判決という先例はあるが、原告遺族はクリスチャンの妻(日本人)であった。
日韓併合により日本人扱いされたまま戦死して無断で靖国神社に合祀された韓国人の遺族とは事案が全く異なるともいえる。

(写真)三浦守裁判官の反対意見(抜粋)
立派な意見だ。福島原発国賠訴訟の反対意見、 沖縄防衛局長SACO見舞金訴訟の反対意見に続き、検察官出身最高裁判事として高い見識を示した。
最高裁判事の中では、第三小法廷の宇賀克也裁判官に次ぐリベラル派と認めてもよいだろう。
できれば、準リベラル派の尾島明裁判官にも補足意見ではなく反対意見に回ってほしいところだった。
あとは、私の愛知県立時習館高校・東大法学部の先輩でもある第一小法廷の宮川美津子裁判官の覚醒に期待をしているのだが。

国を相手に まともな意見 付けられるのは 検事だけ?

2024年12月17日 07時51分29秒 | 判決どどいつ
昨日の最高裁判決から。

米兵事件で国負担、上告棄却
被害者側の敗訴確定
「救済理念に反する」裁判長が意見
  最高裁(朝日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S16107837.html

三浦守裁判長の意見は、国家賠償請求としては、いわゆる職務行為基準説により、国家賠償法1条1項の違法性が認められないから、棄却を免れないものの、そもそも沖縄防衛局長による見舞金の不支給自体が違法であり、請求を拒むことはできない、つまり、国家賠償請求訴訟ではなく見舞金請求訴訟であれば、遅延損害金も含めて賠償不足額を直ちに認容すべきであるという趣旨のように読める。
原発国賠判決に続いて、検察官出身の三浦守最高裁判事のみが多数意見に異論を述べるという異例の展開になっている。
最高裁の15人全体を見渡しても、明らかなリベラル派の宇賀克也最高裁判事(学者出身)に次ぐ、準リベラル派と認めて良いだろう。
今回は、準リベラル派と目されていた尾島明裁判官も多数意見に与した。国の行政権に弱いキャリア裁判官出身最高裁判事の限界を示したともいえる。

判決も資料に 加えてほしい「生活保護」の 分科会

2024年09月30日 21時20分47秒 | 判決どどいつ
R6.2.22生活保護切下げ集団訴訟判決から。

今週木曜日は、日弁連人権擁護大会シンポジウム。
今年は私のホームグラウンド名古屋での開催なので、リアル参加しようと考えている。
分科会は、次のとおり。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2024/241003_04.html

第1分科会の資料に判決例が見当たらなかったので、私が津地裁裁判長として出してきた生活保護関係事件の全6件の判決・決定をご紹介して参考に供する。
そのうち上から4件は、既に裁判所ホームページに掲載されており、先週言い渡したばかりの鈴鹿市事件②判決も間もなく掲載される見込み。

R4.10.20鈴鹿市事件①執行停止決定


R4.11.24鈴鹿市事件②執行停止決定


R6.3.21鈴鹿市事件①判決


R6.9.26鈴鹿市事件②判決(ニュース)


R4.6.16志摩市事件判決(新聞記事)


原告側の6連勝。
ただし、志摩市事件は名古屋高裁で逆転敗訴が確定している。私の著書「『裁判官の良心』とはなにか」208〜211頁参照。
ともあれ、津地裁部総括就任後約3年半で生活保護関係事件は全て終結することができ、ほっとしている。

伊勢新聞の 一面だけは「袴田」ではなく「鈴鹿」事件

2024年09月27日 17時36分07秒 | 判決どどいつ
生活保護停止を取り消し 津地裁判決
鈴鹿市に命じる 自動車保有巡り(伊勢新聞)
https://www.isenp.co.jp/2024/09/27/117182/

昨日は私の法廷の判決言渡しにもテレビカメラが入った。
夕方から深夜にかけて各局のローカルニュースで報道されたようだ。
今朝の新聞では、
①伊勢新聞 一面トップ
②中日新聞 社会面と三重版
③朝日・毎日・読売 三重版
④日経・産経 掲載なし
という掲載状況だった。
多くの新聞の一面トップはもちろん静岡地裁の「袴田事件」再審無罪判決。

裁判所のホームページの判決掲載基準によると、①と②は地方紙なのでノーカウント。
しかし、③の全国紙(④の日経も含む4紙)のうち2紙以上に掲載されたので、基準を満たすことになった。
それも、つい最近の基準改正までは、全国紙でも地域面ではノーカウントという基準だったので、掲載0紙となってホームページ不掲載だった。
私が、旧基準では地方の地裁の判決はほとんど満たさないことになってしまうと意見した結果、改正されたようである。
しかし、本来は、三重県では伊勢新聞、東海3県では中日新聞のような全国紙を凌駕する地方紙は、全国紙に準じてカウントすべきであろう。

パンを盗んだ ジャンおばさんを 懲戒免職「あゝ無情」

2024年07月23日 08時26分47秒 | 判決どどいつ
昨日の名古屋地裁判決から。

廃棄前の食材を持ち帰ろうとして懲戒免職
名地裁、処分取り消し命じる
(中日新聞Web)
https://www.chunichi.co.jp/article/931352

岸田首相の 名答弁に 追従したのか? 最高裁

2024年07月13日 23時47分27秒 | 判決どどいつ
名判決の前に名答弁あり。
この国会答弁を記憶している人は少なくないだろう。

“自主的に献金”念書
「賠償認められやすくなる可能性」
岸田首相(日テレNEWS NNN)
https://news.ntv.co.jp/category/politics/e946fd6f1ddb4a49a326120f88db5016

しかし、この順番だと、例によって裁判所は国会と内閣の判断に追従しただけではないかと見られてしまい、残念だ。

援用すべきは「時効」ではなく「国連・日弁 連」意見

2024年07月07日 14時05分30秒 | 判決どどいつ
7月3日の最高裁大法廷判決の理由のこの部分に「あっぱれ!」だ。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=93159

このような見解が重ね重ね示されたにもかかわらず、国が強制不妊手術の違法性を頑として認めてこなかった事を「除斥期間」の適用を否定する根拠として用いている。
おそらく最高裁裁判官だけではなく、首席調査官を筆頭に、行政調査官室を挙げて知恵を絞ったのではないかと推察する。

なぜかLGBTだけは「一歩前に出る」最高裁

2024年03月27日 08時46分06秒 | 判決どどいつ
昨日の最高裁判決から。

被害者給付金
性的少数者を守らねば
(中日新聞社説)
https://www.chunichi.co.jp/article/874493

「先を急ぎすぎ」との今崎反対意見を押し切って、多数意見は事実婚には同性カップルも含まれると解釈した。
トランスジェンダー関連の諸判例を初めとして、最高裁はこの分野では下級審裁判官が驚くような新判例を連発している。
私も名古屋地裁係属時点では、無理筋ではないかと思っていた。
憲法訴訟に類する人権訴訟は、やる前から諦めてはいけないという好例だ。
法律の文言よりも、素朴な人権感覚を忘れないようにしよう。
弁護団は大金星。「アッパレ!」だ。

州で決めなよ「スポーツ賭博 解禁」連邦 最高裁

2024年03月22日 18時18分21秒 | 判決どどいつ
スポーツ賭博、大半の州で合法
最高裁の判決を引き金に続々解禁
(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20240321/k00/00m/030/188000c

このアメリカ連邦最高裁判決は、私も知らなかった。
要するに、妊娠中絶と同様、合法・違法については、連邦ではなく各州に決定権があるという判断のようだ。
その結果として、ラスベガス以外にも賭博が広がってしまった。

通訳の誤り 見破り「無罪」津地裁刑事部 名裁き

2024年03月15日 20時18分00秒 | 判決どどいつ
一昨日の津地裁判決から。

フィリピン国籍の被告に無罪判決
津地裁「取り調べ段階の通訳で誤認」
(中日新聞)
https://www.chunichi.co.jp/article/867728

警察も検察も気づかなかった誤訳に裁判官が気づいて無罪となった。
一部の通訳の能力不足を問題にしている弁護士会にとっても、今後活用できる裁判例だろう。

請求棄却も 白星「違憲」同性婚の ホワイトデー

2024年03月14日 21時57分27秒 | 判決どどいつ
今日の札幌高裁判決から。

同性婚訴訟で初の高裁判決
国の賠償認めず
カップル側の控訴棄却
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20240313k0000m040341000c

形式上は原告敗訴だが、最高裁に上告すべきかどうか、高度な政治判断が迫られそうだ。
(写真)テレビ朝日「報道ステーション」で各判決をきれいに整理してくれていた。