きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日米「トモダチ作戦」

2011-04-19 10:38:50 | Weblog
日米「トモダチ作戦」     (2011.04.19.)

今回の東日本大震災で、壊滅的になった東北地方の空港・港湾の復旧にアメリカ軍が最大時に2万人近くが動員され、泥に埋まって陸の孤島になってしまった仙台空港の再開に、また、空母「ジョージ・ワシントン」を三陸沖に派遣しヘリコプターによる大量の救援物資を運び、被災地の多くの人々を助けた事は、アメリカ軍としても戦後初めてのことである。
此の事実は、今までの日米関係以上のものがあり、世にこれを「トモダチ作戦」と。呼んでいる。

先日、クリントン国務長官が訪日した記者会見で「ただ同盟国としての対応ではなく、より深い意味での友人として対応した」と述べている。昨年は日米安保条約改定50年の節目を迎えている、日本としても、今後は更なる同盟関係の深化を図らねばならない事を認識しなければならないのである。

世界各国の軍事・経済・技術・文化・等々のバランスからも、日本の現在持っている世界的な位置付けは、アメリカとの同盟関係があってこその事である。
アメリカもまた、日本あってのアメリカであることを「トモダチ作戦」が物語っているのである。

民主党政権下での「普天間基地移設問題」で両国関係が一時こじれはしたが、6月下旬に予定されている日米首脳会談では、この機会に更なる安全保障関係の深化が図られること思われる。

一部では中国が「日本を虎視眈々と狙っている」と言う噂があるが、アメリカとの同盟関係がなければ、確かに今の中国の対日外交では、如何なっているかは解らない状態である。中国はアメリカとの話し合いで、ハワイを境に太平洋の西半分を中国の支配下に置く提案をしている事からも、恐ろしい国であることは想像がつく。
(えびなたろう)

非協力的な国会審議

2011-04-17 14:20:20 | Weblog
非協力的な国会審議     (2011.04.17.)

菅総理は18日の国会で、震災に関する集中審議を行うことで、復旧・復興に向けた集中審議を本格化させ、11年度1次補正予算案など早期に成立させ、更に2次補正予算の審議に入る方針でいる。

しかし、此のところ、福島第1原発の対応の批判が高まり、菅おろしの声が強まり6月22日までの会期延長も不可避という傾向が出てきた。従って、法案審議も菅総理の下でスムーズに進むか不透明な状態である。

18日の集中審議は、東京電力社長の清水正孝氏が参考人として呼ばれ事故後初めて国会に出席、野党は初動の対応等について追及する構えでいる。

政府の方は、19日に被災者の国税・地方税を減免する法案を提出、月末には1次補正予算案と復興基本法案などを提出し5月上旬までに成立させたい方針でいる。

野党はこれに対して、対決姿勢を高め自民党は、1次の補正予算は賛成するものの民主党が掲げている、子供手当などの目玉政策に異を唱え、あくまで撤回を要求する構えで、増税案に強くけん制している。

復興構想会議で打ち出した「震災復興税」についても、子供手当の撤回要求に絡めてけん制している事から、五百旗頭議長も警戒を強めている。

また、それに呼応したのか、与党内でも小沢派が菅総理を批判し、小沢氏は「今のような状況を政府が続けることは許されない。思い切った政策を菅直人首相がするのであればいいが、そうでない場合は政治家として如何すべきかを考えないとならない時期だ」と述べている。と言うことは野党がもし不信任案を出せば同調する姿勢を示していることである。

今の体制で、不信任案が出れば、与党の小沢派から、73人程度が野党に同調することが必要で、小沢がもし全員が同調すれば不信任案も成立する勢いである。

今朝のTBSテレビでアメリカから帰ってきたばかりのジェラルド・カーチス氏も言っていたが「いま日本では菅さんの足を引っ張ることしか考えていない政党がある、挙国一致で当たらねばならない時に、日本の政治は、何を考えているのか」との事を言っていたが、外国人から見た日本の政治には、奇異に見えるようである。

確かに、世界中のどこの国からも、可能な限り日本の震災に対し、支援や協力を申し出てくれている。
菅総理も精いっぱいの努力をやっている。被災者から見れば100%満足とは行かないのも当然かも知らないが、ではそれに代わって誰が総理をやろうと言うのか。カーチスさんも日本の政治の「レベルの低いのに」嘆いてくれていた事を、改めて考えるべき事ではないでしょうか。
(えびなたろう)

インフラ復興と、遺族に義援金

2011-04-16 20:49:50 | Weblog
インフラ復興と、遺族に義援金     (2011.04.16.)

政府、民主党は震災復興に向け取り敢えずは、インフラの復旧が何よりも先決で、そのための財源として、1.5兆円を第1次補正予算として、計上する事に決めた。
総額として見込む4兆円の財源に関し、菅首相は野田財務大臣、玄葉政調会長との協議で新たな国際を発行せずにだす方針を確認した。

その一方で玄葉氏は現行の高速道路料金の休日上限1000円を取り止め約2500億円を捻出できると説明し、補正財源に充当する考えを示した。

また一方、堀田力、さわやか福祉財団理事長による、被災者に寄せられた義援金の配分に付いても、話し合われ、死者・行方不明者1人当たり35万円を目安に配分する事を決めた。

また、住宅が壊れた世帯には半壊で18万円、全壊で35万円を配分。福島第一原発から半径30キロ以内の世帯は、住宅の状態にかかわらず1世帯あたり35万円を配分する。

厚生労働省での初会合では、6日までに日赤と中央共同募金会に寄せられた義援金は計1283億円。厚労省によると、判明している被害から計算すると配分総額は500億円強だが、今後被害の把握が進めば最大2100億円に上ると言う。

義援金はまず被災した15都道県に配分され、各都道県が「義援金配分委員会」を開催。国の目安を参考に配分対象と金額を正式に決め、市町村を通じて被災者に配る。

今後義援金が多くなれば、第2次第3次の配分で対象を広げると言う。
堀田会長は「1次配分に付いては迅速さを優先する」と言っている。阪神大震災の1次配分は、死者・行方不明者、及び住居を無くされた方へも10万円程度であるが今回は被害の大きさからも、また、早急に現金の必要性な被災者の実態からも、早期に配分に踏み切った事は堀田理事長の適正な判断であったと思います。
(えびなたろう)

国民的協調体制が出来るのか!

2011-04-15 11:04:11 | Weblog
国民的協調体制が出来るのか!      (2011.04.15.)

毎日新聞が行った原発に関係する自治体向けに、今回の福島事故を基に今後の原子力発電のあり方に対するアンケート調査を行った。その結果大半が「安全に関する見直しや改革が必要」と言う見直し案が多く、現状継続を唱えたのは2首長だけであった。

調査の結果では、先ず原子力発電の安全性が、安全であると思っていた事に「裏切られたおもいであった」と言う意見が多く、抜本的見直しの必要性が叫ばれている。

我々も安全確保には、其れなりの技術力が伴ない、日本はその技術性に於いても世界一である事を信じていた。安全委員会の弁明では、「想定外」の津波と言うが、「停止」「冷却」「封じ込め」の三つの動作で、確かに「停止」は完全で、作動したが、「冷却」の段階で、未だに収束に向かう傾向も見せていない。それも「冷却」と言う事に対して水を入れる事だけしか考えてなく、送水が出来なければ、消防が出てきて放水すると言う誰でも考える程度の事である、「何が技術か!」と言いたくなる様な代物である。

普段から、保安に対するどんな訓練をしていたのか知らないが、電源が切れれば、最早手も足も出ない状態で、右往左往するばかりで、対策の遅れや情報伝達の不備なども指定されている。

今、この場に及んで愚痴を言っている場合でもなく仕方のない話であるが、いずれは厳しい反省が求められる事になると思うが、昨日行われた「復興構想会議」の席でも、夫々に愚痴交じりに意見を主張する人が多くいる。

夫々が、余りに大きい震災のショックに、中々愚痴も止まらないかも知れないが「復興構想会議」の議長を務める五百旗頭会長も、「国を挙げての協力体制が必要」と協調を訴え、「この仕事は、国と国民のためであって、首相が誰か、何党の政権か、などは関係ない。党派を超えて広く英知を集め、国民の良心と希望を回復したい」と述べられている。

半世紀に及んで政権を担当してきた、自民党の総裁を務める谷垣氏は、未だに菅さんの辞任に拘っている、日本の国は自民党の国ぐらいに思っているのではないでしょうか。
(えびなたろう)

誰が総理に“ふさわしい”か?

2011-04-14 11:10:30 | Weblog
誰が総理に“ふさわしい”か?      (2011.04.14.)

ANNの調査で、大災害に遭遇したこの国難時に「誰が総理に最も相応しいか」に付いての世論調査が行われた。
投票に名前の出た候補者は13人もいたが、トップは菅直人の10.3%、2位が小沢一郎で3.9%、3位が枝野幸男で3.2%、4位が谷垣禎一の2.5%である。

結果から見てもこの難局に際して、誰が遣っても、国民の満足度を得る事は出来ないのは当然で、首相交代を騒いでいる谷垣氏は4位で2.5%としか得票を得ていない。
菅氏がトップとは言うものの、10.3%と言うのは、取りあえず現職の菅さんに任せるしか無いのではないか、と言う気持ちが現れている。

谷垣氏が、飽くまで退陣を要求するのであれば、自分が総理になって何をどの様に遣るのか具体的な提案も無く、ただ“辞めろ”だけでは無責任と言わざるを得ない。
菅総理は、挙国一致体制を主張し、野党の協力を盛んに要請している、では無いか。

11日には「東日本大震災復興構想会議」が発足し、議長に五百旗頭真氏が就任する。それに宮城・岩手・福島3県の知事も加わり15人のメンバーが本日初会合を開く事になっている。枝野官房長官は五百旗頭氏について「わが国を代表する政治学者であり、阪神大震災の復興を後押しし、21世紀の街づくりの研究者をリードしている」と説明、また議長代理には、建築家の安藤忠雄氏、政治学者の御厨貴東大教授も阪神大震災復興に携わってきた実績があり「オールジャパーンの有識者を網羅したメンバーである」と評価する発言をしている。

そして、6月末には「基本的提言」をまとめ復興経費を含む本年度2次補正予算案を提出する予定であると菅総理は説明している。
この様な方針で、進めようとする現政権の足を引っ張るような事をせず、菅総理が嫌なら、「復興構想会議」に協調姿勢を示して、取りあえず国難を乗り越える事が第一であると思う。

私は、「大連立」と言う言葉は、大きらいで、与野党の駆け引き先行で、野党が与党に貸しを作ったとか、与党が野党に顔を立てたとかを誇大に強調し政治色の強い見掛けの行動だけに走り、其れが今までにも「国民不在の政治」になって来たのである。
自民・公明政権が従来特意とするところで、再び国民不在の政治に戻る事になり、私の最も嫌うところである。

今は、不足があっても、菅政権に協力姿勢を示すのが、国を救う唯一の手段ではないでしょうか。
(えびなたろう)

レベル7に世界が疑念!

2011-04-13 11:08:09 | Weblog
レベル7に世界が疑念!      (2011.04.13.)

福島原発の事故に対する、レベルを事故発生から1ヶ月もたって、2段階上げ7とした事に世界中が、更に恐怖の眼差しで見ている。

と言うことは、事故後の経過が時間と共に拡大していると言う事を示している事で、チェルノブイリの事故の大きさは、確かに、大きな規模の事故であったが、事故発生から10日でほぼ収束に向かっていたのである。たが、福島原発事故は、1ヶ月経過して、更に悪化している事を世界に公表した事になる。

専門家に言わせれば、レベルの正確度のために、正確なデーター測定に時間が掛かったと弁明し、隠すつもりは一切なかたとか言っている。問題は、事故が収束に向かっているのか、それとも拡大方向に向かっているのかと言うことで、この期に及んで2段階もレベルを上げて発表した事は、大きなショックを世界に与えた事になる。

菅総理の記者会見でも情報の遅れを認め謝罪すると共に隠すつもりの無い事も強く否定している。そして、事故そのものに付いても安定の方向に向かっていると説明している。

国際原子力の専門家は、「安定に向かっていると聞いているだけに違和感を感ずる」とか、英国のガーディアン紙では今までのレベルを上げる必要はないのではないか」とも言っている。

兎も角、世間を騒がせる事ばかり言う事より、安定の方向に向っているのであれば、その事実を数値で発表し、時間は掛かっても収束に向っている事を発表する事に務めてもらいたい。逆に一方で、今日の新聞には「依然大量放出の恐れ」と報じられている。

どちらを信用してよいのか我々にはわからない、其れがかえって、不安を煽っている。
炉心冷却も、効果が上がっているのなら、何度まで下がりましたと言う発表が安心させる事に繋がるのです。
(えびなたろう)

震災から1ヵ月

2011-04-12 11:21:13 | Weblog
震災から1ヵ月      (2011.04.12.)

震災から昨日で丁度1ヶ月が経ちました、復興が遅いとか、菅総理の決断が鈍いとか、政府に対する、苦情は耐えないが、1000年に一度と言う大津波に遭遇した政府は、懸命な努力をしても、苦情を言われる立場であることには違いないので、仕方の無い事だと思う。

菅総理は昨日、東日本大震災の復旧費を盛り込んだ11年度第1次補正予算として4兆円規模の原案を明示し野党の協力を要請したが、自民党の谷垣総裁は、昨日行われた統一地方選の結果を元に、「菅総理は国民の厳しい声にどう応えるのか、自ら判断をするべきである」と再び退陣を求める、記者会見をやり野党としての対決色を強くしている。

政府の1次補正では、主として“がれき”処理を始め、道路・港湾・下水道、更に仮設住宅の7万戸を含む緊急の費用が組まれ、今月中にも国会での、成立を目指している。

この様な事態の中で、未だに野党対決の姿勢を崩していない自民党は“肝っ玉”の小さい党利、党略だけしか考えない困った政党である。

また、昨日は「復興構想会議」が正式に発表され、五百旗頭防衛大学長を議長に、議長代理には、建築家の安藤忠雄氏と政治学者の東大教授御厨貴氏が加わり、菅総理は「オールジャパンの有識者による従来の枠にとらわれず、歴史的評価に堪えうる大胆かつ骨太の復興ビジョンを作ってほしい」と期待感を示した。

三陸沖地震では1896年に2万人以上が、」1933年の昭和津波では3000人が犠牲になっている、そして今回の地震を見て、その歴史の教訓が活かされていると言えるでしょうか。
岩手県宮古市の田老町では、「万里の頂上」と言われる堤防を築いていたが、今回の津波は其れをも乗り越へた大きなものであった。

従って、今度の復興構想は、根本的に、住居地と漁港を分け、高台に住居を設け、仕事をする漁港へ通勤する様な形式にし平野部での道路も盛り土にして高く、非難の拠点には強固な中高層建造物にする案等、専門家が検討し地域に応じた防災パターンを確立した案が求められている。

また、経済界からは東北6県に税制特区を設けハイテク基地や、漁業や農業の1次産業の拠点を築く意見も出ている。
今回の東北一体の復興ビジョンは、後世の歴史の一ページとして、先代の残した津波対策を講じた置き土産の“街つくり”であると歴史に残るものであって欲しいと思います。
(えびなたろう)

夏場に向けての節電計画

2011-04-10 12:49:30 | Weblog
夏場に向けての節電計画     (2011.04.10.)

福島原子炉事故で、関東の電力事情がこの夏相当に窮屈になる事が予想されている。
東電では、管内で最大1500万キロワットが不足すると言う事である。

電力と言うものは、貯蔵して置く事が出来ないから、作ったら作っただけ、使う方も消費しなければならず、足りなくなっても、貯蔵電力を出すと言う事が出来ないのである。

しかし現状消費者の方は、お構いなしに使いたいときに使っていたから、この際に電力の有り難味を再考し、節約と言う事に真剣に取り組む必要がある。

電力会社の方も夏場に向けて、持てる施設をフル稼働する準備が必要である事は、無論であるが、消費側の方も出来るだけ節電に気を付ける事が必要で、特に今年の夏は、冷房温度も例年より設定温度を上げ、暑さに付いても我慢をする事を心がけ、また夜遅くまで、起きてる事による消費電力が大きいから、早寝をする事が必要であります。

また、企業に於いても、電力が無くては仕事に成らないから、比較的電力事情のピーク時を避けて、仕事の時間帯をずらす事を考えては如何でしょうか。業界同士の話し合いによって、土日に仕事をするとか、労働者の出勤も時間調整で、出社する様にすれば電鉄会社も、運行本数を何%か減らす事も出来るのではないでしょうか。

この様にした、節電計画が、上手くマッチし、電力供給と消費のバランスが上手く取れれば、現在遣っているような「計画停電」が無くなり、効率の良い消費と供給のバランスのパターンが出来上がり、一日を通じて、上がり下がりのピークを少なくする事で、全てに、良い事ではないでしょうか。

今の「計画停電制」は、単に一方的に電力会社の都合だけで実施していることで、不足の時には、勝手に切られ、3時間後に付くと言っても、企業なんかでは、電気が一旦切られると、機械の調整に最初からやり直す時間がかかり、切るなら24時間、切らないなら24時間は絶対に切らないと、明確にしないと、計画で、「停電」と言っておきながら、急に中止で送電されても、仕事にならないそうである。

従って、「計画停電」は効率の悪さから言えば「最悪」である。
夏に向けての「節電は」供給側と使用側、特に、企業等は業態によって、電力使用の仕方が大きく違い、効率に影響するので、両者の話し合いによって無駄のない良い節電計画を作る事が必要であると思います。
(えびなたろう)

原子力の平和利用とは

2011-04-09 10:11:52 | Weblog
原子力の平和利用とは      (2011.04.09.)

原子力は、核分裂によって生まれる膨大なエネルギーの発生を、我々の生活に取り入れようとするもので、将に人類の科学の発展がもたらす恩恵と言うべきものである。

しかしながら、其れが及ぼすマイナス面もまた、膨大な物がある。一つ間違えば人類の未来に壊滅的なダメージをもたらす事に繋がっている。

従って、いざと言う時には、この事態に対する安全対策が完璧でないかぎり受け入れる事は出来ないのが普通の考え方であるが。其れがまだ、不明確でありながら、進めて良いものか、留まるべきかが論議を呼び、原子力に対する推進派と慎重派の二つに分けられている事が、ここへ来て鮮明に表面に出てきた。

昨日書いたトリウム原子炉問題で、早くからアメリカでの研究開発が行われて来たが、途中でストップしている。その理由が、アメリカにおける大きな政治の圧力がトリュウム原子炉論議を封鎖していると言う事である。

その一例は、トリューム原子炉の第一人者として、オークリッジ国立研究所の物理学者ワインバーグ氏が、当時のニクソン大統領によって、解雇されトリュウム原子炉の研究を封印されている。その当時米ゼネラル・エレクトリック(GM)社長の証言では、「プルトニュームが出ない原子燃料は困る、燃料棒の取替えで儲ける仕組みが無くなりうまみがない」と述べている。

また、ブッシュ大統領時代に、「原子力ルネッサンス」を打ち出し、増える核廃棄物のためにネバダ州に核廃棄物の貯蔵場の建設を計画していたが、オバマ大統領はその計画を中止し、その一方で原子力発電所の建設を助成すること事を決め、トリュウム原子炉の採用を考えているのか、と思いきや、一言もトリュウムに言及しない。共和党に対する政治的配慮であろうと思われる行動である。

燃料エネルギー問題は、将来に向けて、化石燃料が地球環境に与える影響を考えると原子力は有効な手段で、中でも、トリュウム原子炉は、溶融塩を作成し、液相状態で核分裂反応を起こさせるもので、原子炉事故の多くが、化学的、物理化学的不安定さに起因する事が多いのであるが、溶融塩は組成を調整すれば、物理化学的に非常に安定な組成物とすることができると言われている。

日本でも、トリウム溶融塩国際フォーラムの古川和男先生が「環境と核拡散対策は、新原理の安全原発で!」と言う論文を2005年に出しておられる。

原子力の平和利用ということは、先ず安全性確保が第一で、不安定な固形ウランを使った原子炉では、平和利用に逆行するものであると思います。
(えびなたろう)

トリュウム原子炉について

2011-04-08 12:16:36 | Weblog
トリュウム原子炉について      (2011.04.08.)

ウランによる原子炉は今回の福島原発問題で、安全性に問題がある事が解った。

しかし問題があっても、現実に電力が不足すれば、国民生活に影響する以上に、生産活動が出来なくなる事が、国の経済を悪化し国自体の崩壊に繋る事の恐れを考え、兎も角原子力の利用を継続しなければ、どうしようもないと言う意見が溢れている。

当面夏季を迎える時期になれば、冷房を使う量が膨大になり、今更、「冷房の無かった時代に戻れ」と言われても中々国民の納得は難しい事である。

東電の対応は、休止している火力発電所を再開し、停止している原子力発電所を動員したい考えであるが、当面は、ある程度やむを得ない事かもしれない。

今後の長期的な視野で、見て行けば、安全性の保障がない設備を継続的に使うことは出来ないのではないでしょうか。

特にウランを使った原子炉は、止めるにしても、常温にまで冷却しなければならず、その工程に年単位の時間が掛かる大仕事である、其れが、「メルトダウン」と言う事故でも起こせば、冷却も出来ない、汚染放射能がどんどん地域を汚染して行くと言う見通しの無い大事故になる。現状の福島原発がその状態なのである。

従って、今もって、停止の見通しも付かない福島原発を如何するのかが、世界の注目を集めている所である。

そこで、最近話題に登ったのが、「トリウム原子炉」である。“話”自身は最近ではなく、50年前から米国で、トリウム原子炉が建設され、4年間無事故で運転されている実績がある。
トリュウム原子炉は色々な点で、利点があると言われている。

●何と言ってもウラン原子炉より安全性が高い放射能汚染が無い。●トリウムはウランより4倍も資源がある。●資源が地理的に偏在しないから、調達が容易である。●核廃棄物処理の必要がない。●核兵器に転用出来るプルトニュームが作れない。●燃料は固体ではなく溶融塩と言う液体核燃料を使うためメルトダウンの心配はない。●炉の小型化可能で、経済性が高く、応用範囲も広い。等々である・

では、なぜこの様な有用な「トリウム原子炉」が普及しなかったのかであるが、当時、50年前は、冷戦時代で、プルトニュウムを使った原子兵器が中心にあり、プルトニュウムが作れないトリウム原子炉は、感心が低かった事が、取り上げら得なかったのではないでじょうか。

核兵器を嫌い、原子力の平和利用を望む現代では、「トリウム原子炉」問題はチャンス到来と言うところではないでしょうか。

中国は早くも今年から、「トリウム原子炉」による発電所の計画が挙がっている。平和を望む日本に取っては 本来なら世界に先駆けて、先行する必要があると思うが、日本においては当時の自民党が、「溶融塩増殖炉」構想の提案に、賛意を示さなかったのが、今日の遅れを取っている結果になっている。

今回福島原発の事故は、現状の原子炉活用の断念を教へている。「トリウム原子炉」に切り替えて方向を転換してみてはいかがでしょうか。
(えびなたろう)