きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

船頭多くして“船”山えも登らず

2011-04-22 10:57:19 | Weblog
船頭多くして“船”山えも登らず       (2011.04.22.)

被災地の復興の為に先ず何をやるにも「復興基本法案」の制定が急がれている。ところがこの制定作業が、与野党それぞれ主導権争いを展開し、一向に前へ進まない状態が続いている。
政府民主党は、全閣僚で構成する「復興対策本部」を設けることで、提案しているが、自民党は「復興再生院」という名前で、民主・自民の協議を含めた物を提案している。それに対して、国民新党の亀井静香代表は「復興実施本部」と言う名称で、各党の代表も参加する形のものを提唱している。公明党も遅れを取ってはならじと関係省庁の権限を一元化する「復興庁」案を唱えている。
どれも、これも、復興に対する、一元化された所で、ベストの法律を作って早急に復興作業を具現化しようと言うものだが、其々が自分たちの主張を通すことで、主導権を持とうと争っているのである。

其々の主張する内容がどのように違うのかは解らないが、似たような問題を自党が主張する名称に拘って、争っている姿は、此の場に及んでも、まだやっており、「全く情けない事だ!」と言わざるを得ない。
世間では民主・自民の争いを超越してやれば良いと言うことで、民・自の「大連立」と言う話もあるが、私は、取りあえず現政権が主導権を持って、協調姿勢で望めばよいことではないかと思っている。

政府としては、それでも一応自民党案を尊重する形を取って自民党の石破政調会長と協議段階で、「先ずは復興本部で進め、それを復興院にする案もある」と言うところまで話合いが出来たそうだが、今度は自民党内で「菅首相の延命に手を貸すことはない」という言う横槍がはいり、谷垣総裁も自・公の意見調整が基本だと石破氏をけん制する意見もあったということである。
それに、亀井氏は亀井氏で、民主と自民が協調すれば、小党派は置いて行かれると各党に働きかけると言う将に船頭ばかり多くて、山にも上がれない状況である。

いまや日本の政治家は、国民の意識から乖離している所にあって、彼らの党利・党略以外何も考えて居ない、最近の選挙を見ても、候補者が党の推薦を嫌い、無党派が多いのも政党に対する、変な色つきを嫌うからであろうと思います。
今回の震災で原発事故の基を正せば「自民党」と「東京電力」「原子力安全委員会」等々に色んな関わりを持っていることが判明し、其の関わりが、“人災”とも言われる事故に繋がっていることを思えば、自民党は現政権を他人事のように、批判する資格はないのではないでしょうか。
口では協調を唱えながら、裏で抵抗を示す姿は、国民は良く見ていることをお忘れなく。
(えびなたろう)