きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

トリュウム原子炉について

2011-04-08 12:16:36 | Weblog
トリュウム原子炉について      (2011.04.08.)

ウランによる原子炉は今回の福島原発問題で、安全性に問題がある事が解った。

しかし問題があっても、現実に電力が不足すれば、国民生活に影響する以上に、生産活動が出来なくなる事が、国の経済を悪化し国自体の崩壊に繋る事の恐れを考え、兎も角原子力の利用を継続しなければ、どうしようもないと言う意見が溢れている。

当面夏季を迎える時期になれば、冷房を使う量が膨大になり、今更、「冷房の無かった時代に戻れ」と言われても中々国民の納得は難しい事である。

東電の対応は、休止している火力発電所を再開し、停止している原子力発電所を動員したい考えであるが、当面は、ある程度やむを得ない事かもしれない。

今後の長期的な視野で、見て行けば、安全性の保障がない設備を継続的に使うことは出来ないのではないでしょうか。

特にウランを使った原子炉は、止めるにしても、常温にまで冷却しなければならず、その工程に年単位の時間が掛かる大仕事である、其れが、「メルトダウン」と言う事故でも起こせば、冷却も出来ない、汚染放射能がどんどん地域を汚染して行くと言う見通しの無い大事故になる。現状の福島原発がその状態なのである。

従って、今もって、停止の見通しも付かない福島原発を如何するのかが、世界の注目を集めている所である。

そこで、最近話題に登ったのが、「トリウム原子炉」である。“話”自身は最近ではなく、50年前から米国で、トリウム原子炉が建設され、4年間無事故で運転されている実績がある。
トリュウム原子炉は色々な点で、利点があると言われている。

●何と言ってもウラン原子炉より安全性が高い放射能汚染が無い。●トリウムはウランより4倍も資源がある。●資源が地理的に偏在しないから、調達が容易である。●核廃棄物処理の必要がない。●核兵器に転用出来るプルトニュームが作れない。●燃料は固体ではなく溶融塩と言う液体核燃料を使うためメルトダウンの心配はない。●炉の小型化可能で、経済性が高く、応用範囲も広い。等々である・

では、なぜこの様な有用な「トリウム原子炉」が普及しなかったのかであるが、当時、50年前は、冷戦時代で、プルトニュウムを使った原子兵器が中心にあり、プルトニュウムが作れないトリウム原子炉は、感心が低かった事が、取り上げら得なかったのではないでじょうか。

核兵器を嫌い、原子力の平和利用を望む現代では、「トリウム原子炉」問題はチャンス到来と言うところではないでしょうか。

中国は早くも今年から、「トリウム原子炉」による発電所の計画が挙がっている。平和を望む日本に取っては 本来なら世界に先駆けて、先行する必要があると思うが、日本においては当時の自民党が、「溶融塩増殖炉」構想の提案に、賛意を示さなかったのが、今日の遅れを取っている結果になっている。

今回福島原発の事故は、現状の原子炉活用の断念を教へている。「トリウム原子炉」に切り替えて方向を転換してみてはいかがでしょうか。
(えびなたろう)