きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

中國のGDP鈍化

2014-04-20 11:25:39 | Weblog
中國のGDP鈍化、      (2014-04.20.)

中國の国家統計局が16日発表した今年1月~3月期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比7.4%増で、昨年10月~12月の同7.7%増に比して0.3%鈍化した。これは「賃金の高騰」「個人消費の伸び悩み」の影響と見ているが、市場の反応は比較的冷静で、関係者は「当面の成長鈍化よりも今後の改革路線を見極めたい」との期待が交錯している。

中國は、此れまで採算を度外視した高速鉄道網の急増、大規模な公共投資等、力任せに進めて来た。その付けとして残ったのが、「影の銀行(シャドウ・バンキング)」や不動産バブルと言った副作用である。

習近平政権は、此処へ来て、事態を沈静化させる為、「預金保険制度の整備」と「預金金利の自由化」などを打ち出している。中国政府は、国有商業銀行の経営を守る為に預金金利の上限を厳しく規制して来たが、此れが自由化されれば、ハイリスク・ハイリターンの金融商品に流れていた資金を、監視可能な正規の金融商品に呼び戻すきっかけとなるだろう。

金融当局の監視が及ばない「影の銀行」に類する灰色の金融商品のうち、約4兆元(約66兆円)に対する償還期限が迫っている事や、不動産市況を当て込んだ金融商品に景気減速の直撃を受けかねない。

中國では、灰色の金融商品で有っても、「最後は政府が救済してくれるはずだ」と信じている人が多く、特に個人投資家は、デフォルト(債務不履行)に対する予備知識もないようだ。

これ等の対応を誤れば、金融機関への取り付け騒ぎ等、社会混乱を招く事となるので、当局は充分銘記すべきことである。
(えびなたろう)