きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

中國経済の安定成長へ 

2014-01-24 11:54:52 | Weblog
中國経済の安定成長へ      (2014-01.24.)

昨年11月5日、中国の李克強首相は、同国は安定した労働市場を確保するため年7.2%の経済成長率を維持する必要があるとの見解を示し、目標の7.5%と言う水準に変更するつもりはないと述べている。そして、年間1000万人の雇用を創出するためには、国内総生産(GDP)が7.2%拡大する必要があるとの推定を示している。

2013年の中国の実質国内総生産(GDP)が前年比7.7%増となり、国際通貨基金(IMF)による最新の予測によれば、14年と15年の成長率も7%台半ばを達成する見込みだと言われている。

昔の様に2桁の伸びを続けた成長期と比べ落ちてはいるが、急激な悪化を避けつつ、此の水準を維持できれば、中國は今後も世界経済の牽引(けんいん)役として期待されよう。

しかし、其の為に不可欠な構造改革が掛け声倒れに成らないかが心配される所だ。公共投資依存した体質から依然抜け出せず、経済・社会構造からの歪(ひずみ)も解消されていない。

投資頼みで、成長を維持しようとする旧来型経済運営は、生産設備の過剰や不動産バブルを招きやすい。乱開発に伴う環境汚染などの弊害も伴う。

急激な都市開発で地方政府の債務が膨らみ、「影の銀行(シャドウバンキング)」問題も過剰投資の温床になっている。

いずれも中国経済の発展を阻害する不安要因として見逃せない所である。景気を失速させない様、改革ペースには細心の目配りが必要だ、安定成長を果たすためにも、経済健全性を着実に高めて行く事が必要である。

中國経済を見る上で注意すべきは、一党独裁という政治のリスクだ。政治情勢次第で経済環境は一変する。日本企業が中国の成長を取り込むためにも、その可能性を常に念頭にし、備えを忘れてはいけないという事である。
(えびなたろう)