きまぐれ発言

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JR北海道の安全問題

2014-01-22 12:52:22 | Weblog
JR北海道の安全問題      (2014-01.22.)

補修が必要なレールの長期放置や、検査データーの改ざんなど、広範囲に及ぶ安全上の問題が発覚した。社内調査の結果、75人の処分を行った。調査によれば44ある保線担当部署の内33部署で検査データーの改ざんが行われ。国交省は「鉄道事業者としてあっては成らない異常な事態」と非難した。なぜ、この様な事態を招いたかが問題で有って、処分だけでは解決に成らない事である。

事の起こりは、国鉄の民営化の流れの中で、JR北海道は、当時から経営が成りたつ条件には初めから無かったのである。だから、民営化される際に幹線以外は全部廃線にした上で、莫大な「経営安全基金」が積まれその運用益で何とかしろと言うペテン的な方法が取られた様である。

北海道内の都市間を結ぶ航空線との競争が先ず民営化で直面し、其の為に徹底したスピードアップと特急列車の増発が強行された。1987年当時特急列車は1日78本で、設定キロ数は2万90キロ、最高速度は120キロであった。現在の特急は1日148本、設定キロ数は3万1894キロ、速度は130キロだ。そして、その他の気動車もスピードは130キロで曲線速度も振り子式にすると言う「技術的には無理」と言われて居た無理なスピードアップを強要したのである。

札幌~釧路間の特急「おおぞら」は当時4時間30分掛かっていたが、3時間40分まで短縮を強行した。札幌~釧路間と言えば348.5キロで東京~名古屋間にほぼ匹敵するだから新幹線並みの走行距離である。

その他、検査体制に於いても2011年度JR北海道が行なった車両検査で延べ3100回の車両検査の内、約3割で車両検査規則が守られていない「手抜き検査」が行われている。

また、「技術継承が断絶」している。発足当時1万3000人いた社員が7267人で、ベテラン労働者が大量に退職している。熟知した技術者がいなく、外注に丸投げされ、丸投げされた外注も技術力はなく、誰も責任を取らない無責任の連鎖蔓延である。

国鉄分割・民営化と、その後の外注丸投げは、そのまま、安全の崩壊に繋がっている。

だから、JR北海道は、此の事を経営の面で、全面的に改革を行はない限り、小手先の処分を繰り返しても、全く直らないのではないでしょうか。
(えびなたろう)