きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

深刻な中国の大気汚染          (2013-02.19)

2013-02-19 14:27:32 | Weblog
深刻な中国の大気汚染          (2013-02.19)

中国の大気汚染の問題は、毎年スモッグの時季に成ると国内は無論周辺国にも悪影響を来している。
其れが今年は特に酷く、深刻な問題になって居る。今年の1月北京ではスモッグの発生が無かったのはわずか5日だけであったが上空には4000トンにも上る汚染物質が浮遊していると言われている。
こうした浮遊粒子状の物質は、直径が2.5マイクロメートル以下の微粒子で“MP2.5と言われる、喘息や気管支炎を引き起こす健康上要注意物質として、アメリカでは測定をして公表している。中国では早くからMP2.5が発生していたが政府はこれを公表しなかったのであるが、アメリカの駐中國大使館が公表したため、急激に問題になった様である。

実際に、北京では、2000年以降の10年間で肺癌の患者が60%も増え。上海では2010年にMP2.5が原因で死亡した患者が3000人近くに上るとも言われている。

この様な環境問題の悪化に、政府も国民も今まで何もしなかったのであろうか、そうでは有りません、第11次5か年計画(2006年~2010年)から「GDP当たりのエネルギー消費量を20%削減」「主要な汚染物質排出総量を10%削減」などの目標を掲げ、政府や行政各部門はその達成義務を負う物とされていたのである。そして、その「削減目標を達成すれば昇給・昇進」が約束されていたのである。

しかし、その一方、“投資誘致至上主義”にとらわれた地元企業からは、経済成長の勢いに阻害するもので、企業利益に反するものとして見られていた。
その結果、環境問題に真面目に取り組んでいたなら、貧困から脱する事は出来ないと言う現実によって効果は上がらず、むしろ、企業にとっては足かせになって居た。

また、取り締まるべき行政の方も罰金によって解決していたから、行政側も罰金で見逃す方法が常態化していた。(日本の王子製紙の様に公害防止の為に600億円と言う年間利益に相当する金額を投じ、対策に取り組む企業は1社も無いのです、行政側はむしろ罰金を取って問題を解決した方法を歓迎していた様である。

従って、公害に対しては、法律が有っても金で解決がされていたから、規制は無いに等しい状態である。この様な事が許されるのも、中國に於ける環境問題の深刻さは、中国の今迄の取り組みが「単なるお題目に過ぎず、殆ど実を伴わない」事を示している。

環境の問題は一に掛かって国民意識の問題であるが、今の中国にそれを期待するには、相当時間が掛かる大問題である。
(えびなたろう)