きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

内閣不信任案提出は何だったのか

2011-06-07 11:09:43 | Weblog
内閣不信任案提出は何だったのか      (2011.06.07.)

一般国民に取って、菅内閣に辞めて貰わなければならない決定的な物が何であったのか、不明確なままで、「菅おろし」の声が、高らかと叫ばれ、国会での提案に賛成演説をした自民党の谷垣総裁、大島議員、公明党の山口代表、夫々の内容は、ただただ「能力不足」「対応が遅い」「リーダーシップがない」等々「ヒステリック」な演説であった。具体的な理由も問題ではあるのかも知れないが、其れより、もっと緊急性が伴われる現状打開の問題をそっちのけにしている事に、国民に取っては、「違和感をかんじる」不信任の提案理由であった。

提出する野党側は、小沢派による与党内部の混乱を当て込んでの提案で、理屈なしの兎も角「菅おろし」だけを叫んだ、不信任案の提出である。

結果は、与党議員が党の意向に沿う事に同意したから、不信任案は否決されたが、鳩山元首相が、党内分裂を守って否決投票に回った理由が、菅氏との交わした約束が早期辞任と言う事で、有った事を暴露し、約束を護らないことは「ペテン師だ!」と強く批判し、菅総理も「一定の目処」を持って、辞めることを宣言した。
その結果、自民党は6月中にもと言い、菅氏は2次補正予算成立後ぐらいと言う段階にまで来た。

そして、一方には民主・自民の連立政権の話も浮上したが、自民党は「ただ連立」する政権には反対で震災問題の処理に付いてもハッキリした条件を明示しないと協力できないと言い出した。最初は、「菅さんさえ辞任すれば協力する」と言っていた自民党、今度は震災の処理問題にまで、口を挟むようになってきた。

自民党の「菅おろし」の真の目的は、震災処理の問題で、過去自民党政権時代に築いた、利益・権益の核心部分を改革されることへの抵抗である事が次第に分かってきた様な思いがする。

今朝の毎日新聞の記事で、福島原発の事故調査・検証委員会の初期会合が今日からはじまる。検証委員会は、公平中立を基とし、徹底した事故調差を菅総理が指名した委員10人は聖域なく幅広く検証し独立性を持たしたもので、調査だけではなく勧告も出し実現させるところまで、行える委員会である。

委員に指名された、九州大学副学長の吉岡斉(57)は「原発を推進してきた経済産業省など利害関係者は事務局から排除し、何を検証するかや、誰に話を聞くかも、事務局ではなく国民の意見を広く聞いて委員がきめるべきだ」と言っている。

福島原子力事故には、東電、経産省の官僚、や天下りOB、それに旧自民党の族議員、等に係る調査検証作業である。何処まで実効性が保たれるか期待される所である。
(えびなたろう)