きまぐれ発言

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大義のない倒閣への不信任決議!

2011-06-02 10:59:08 | Weblog
大義のない倒閣への不信任決議!          (2011.06.02.)

今なお10万人を超す被災者を残して、菅直人首相の退任を迫って、自民党・公明党・たちあがれ日本の3党が昨日の衆議院本会議で不信任決議案を提出した。

提出の理由は1)菅内閣は迷走を続け東日本大震災の復興と再生に障害となっている。2)初動の遅れや場当たり的な指揮命令など迷走ぶりがさらなる混乱を招き、取り返しのつかない状況を生み出した。3)被災者への配慮を欠く発言、唐突な連立政権の呼びかけなど菅政権は政権担当能力に著しくかける。4)11年度第2次補正予算提出について明言を避ける不誠実な対応は、内閣延命を優先し無責任極まりない。5)被災地の復興と被災者の生活再建を実現していくためにも、首相は一刻も早く退陣すべきだ。
と言う事である。

菅総理は、「与野党を超えて震災復興を軌道に乗せ、原発事故の収束へ向かってきちんと位置づける責任を果たさなければならない」と改めて、退任を強く否定した。
谷垣総裁は、「人徳も力量もなく、政治空白を生んでいる」と辞任を強く要求、公明党の山口代表も「あなたに辞めてもらうしかない」と迫った。首相は野党の若手議員が求めている国会会期を通年国会も含めて、延長する事も提案したが、話は決裂に終わった。
そして、本日午後の国会で、採決が計られ、事になった。

タイミングとしては、民主党内でも小沢派の反乱が予想され、自民党としても、党内造反者を当て込んでの提案であるから、その結果によっては、可決されることが予想される。
票読みでは、民主党内に82人の造反者が出ると不信任案が可決されるが、昨日の小沢派の集まりでは70人ぐらいの造反者が予測されている。

日本経済新聞社が今週報じた世論調査では菅首相について、49%が「震災・原発対応が一段落したら交代すべきだ」と回答している。こうした思いは被災地では一段と強く、福島県川俣町の古川町長は「政局争いの時ではない」と述べている。

国民の側も、菅総理に100%の信頼を寄せているわけではないが「今なぜこの時期に変えなければならないのか、一段落するまで待てないのか、むしろ協力して早く復興を軌道に乗せてから選挙をやれば良いのではないか」との思いが強いようである。

谷垣総裁も、政権交代後の政治情勢をどの様にしたいのかは、何も述べていない、菅総理を今変えなくてはならない決定的な理由もなく、変えた後は誰がやるのかも考えていない、将に大義のない倒閣だけを狙った「不信任決議案」は、更なる混乱を招くだけではないかと思われる。
(えびなたろう)