資源開発と知的財産問題 (010.11.20.)
中国がレアアースの輸出問題で、日本に輸出を制限し、この制限措置が与える影響力で、日本に圧力を加え様としている問題が、世界に大きな波紋を呼んでいる。
確かに、日本にとって、レアアース(希土類)は此れを添加する事によって性能の良い永久磁石を作れることが、EVモーターには欠かせない技術で、特に自動車メーカーに採って今後の輸出に大きな影響力を持っている。
それに類する技術は、他の家電製品や液晶テレビに付いても、使われている事から、輸出産業に頼っているわが国にとっては、レアアースの輸入制限は死活問題である。
この問題は、全世界を駆け巡り中国が弱みに漬け込んで行った輸出制限措置は、他国に於いても輸入製品の依存度を、中国ばかりに頼る事は、非常に危険であることを警戒し出したのである。
日本に於いても中国だけに依存する事をやめる事にした。早速モンゴル政府から申し出でがあり、モンゴル国内で産出するレアアースの安定供給に大統領自らが意欲的な発言で、来年度から、両国首脳による、開発促進が合意された様である。
中国に於ける、レアアース輸出には、確かに資源鉱石は大量に埋蔵しているが、使える商品にするには、鉱石から「分離」「精錬」「加工」と言う工程により良質の粉末製品にするのであるが、工程での技術水準が製品の品質を左右する重要な問題で、その技術に付いては、日本のもつ「知的財産」は世界的なもので、特に精錬過程で生ずる、有害廃棄物の処理や、環境対策等には日本の「知的財産」(技術)が必要なのである。
中国は、日本の「ノーハウ」を盗み出す事を狙っており、過去において、技術を盗まれた苦い経験を日本企業は、“いや!”と言うほど味わっている。中国政府も此の点を配慮しているとは言っても、実際の現場では「知的財産」と言う制度が確実に守られる制度になっていない事が日本企業の進出を阻んでいる。
今後も資源国との共同開発も、それに伴う「知的財産」を加味して、はじめて価値ある商品になるので「知的財産の意味」を熟知させる事が先ず必要である。
先日行われた、名古屋での生物多様性問題(COP10)は「生物資源を使って開発され、高付加価値製品に対し、資源国として「利益配分」が主張される、難しい問題が今後予想される所である。
今まで、資源を売り物にして、経済発展した、国が多かったが、これからは其れを製品化する、技術と一緒にして、始めて商品化出来、それに買い手が付いて始めて、価値が生まれるのである。石油や天然ガス及び食品等、素材がそのまま価値のある資源であれば、即売買する事が可能であるが、資源に、技術(知財)を加味して作った商品の価値は、消費者が、使って価格が決まるので、産出された資源そのものでは何の価値もありません。
生物多様性問題も、レアアース問題と同じで、原料だけでは何の価値の無い植物や細菌等が、それに知的技術を加える事で、高価な医薬品になったり、化粧品になったりする。後進国側が主張する、資源提供する側の利益配分問題は今後の先進国と後進国の紛争の種になりそうである。
(えびなたろう)
中国がレアアースの輸出問題で、日本に輸出を制限し、この制限措置が与える影響力で、日本に圧力を加え様としている問題が、世界に大きな波紋を呼んでいる。
確かに、日本にとって、レアアース(希土類)は此れを添加する事によって性能の良い永久磁石を作れることが、EVモーターには欠かせない技術で、特に自動車メーカーに採って今後の輸出に大きな影響力を持っている。
それに類する技術は、他の家電製品や液晶テレビに付いても、使われている事から、輸出産業に頼っているわが国にとっては、レアアースの輸入制限は死活問題である。
この問題は、全世界を駆け巡り中国が弱みに漬け込んで行った輸出制限措置は、他国に於いても輸入製品の依存度を、中国ばかりに頼る事は、非常に危険であることを警戒し出したのである。
日本に於いても中国だけに依存する事をやめる事にした。早速モンゴル政府から申し出でがあり、モンゴル国内で産出するレアアースの安定供給に大統領自らが意欲的な発言で、来年度から、両国首脳による、開発促進が合意された様である。
中国に於ける、レアアース輸出には、確かに資源鉱石は大量に埋蔵しているが、使える商品にするには、鉱石から「分離」「精錬」「加工」と言う工程により良質の粉末製品にするのであるが、工程での技術水準が製品の品質を左右する重要な問題で、その技術に付いては、日本のもつ「知的財産」は世界的なもので、特に精錬過程で生ずる、有害廃棄物の処理や、環境対策等には日本の「知的財産」(技術)が必要なのである。
中国は、日本の「ノーハウ」を盗み出す事を狙っており、過去において、技術を盗まれた苦い経験を日本企業は、“いや!”と言うほど味わっている。中国政府も此の点を配慮しているとは言っても、実際の現場では「知的財産」と言う制度が確実に守られる制度になっていない事が日本企業の進出を阻んでいる。
今後も資源国との共同開発も、それに伴う「知的財産」を加味して、はじめて価値ある商品になるので「知的財産の意味」を熟知させる事が先ず必要である。
先日行われた、名古屋での生物多様性問題(COP10)は「生物資源を使って開発され、高付加価値製品に対し、資源国として「利益配分」が主張される、難しい問題が今後予想される所である。
今まで、資源を売り物にして、経済発展した、国が多かったが、これからは其れを製品化する、技術と一緒にして、始めて商品化出来、それに買い手が付いて始めて、価値が生まれるのである。石油や天然ガス及び食品等、素材がそのまま価値のある資源であれば、即売買する事が可能であるが、資源に、技術(知財)を加味して作った商品の価値は、消費者が、使って価格が決まるので、産出された資源そのものでは何の価値もありません。
生物多様性問題も、レアアース問題と同じで、原料だけでは何の価値の無い植物や細菌等が、それに知的技術を加える事で、高価な医薬品になったり、化粧品になったりする。後進国側が主張する、資源提供する側の利益配分問題は今後の先進国と後進国の紛争の種になりそうである。
(えびなたろう)