きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

事業仕分けの再仕分けを

2010-11-10 10:46:56 | Weblog
事業仕分けの再仕分けを       (010.11.10.)

政府の行政刷新事業で、特別会計部門の事業を仕分け作業の第3弾として、行い、「廃止」「見直し」などの判定を受けたにもかかわらず、判定後、各省庁が事業名称を変えたり、事業統合をしたりして、新規の要求として挙げてきている事が判明した。

中には、前回より増額された物などがあって、此れでは、何のために仕分けを行ったのか、意義を問われるものがある。

特別会計の事業仕分けに対する、各省庁の官僚は、少しでも減らされる事を嫌い、少しでも何かの名目をつけて、予算の獲得に務め其れを使う事に懸命に努力している。従って、政府内閣は、税金の無駄使いを極力減らすために従来の感覚から、脱却した、節税意識を持って、廃止や、見直しの判定を下しているのに、各省庁側は、それに抵抗して、減らされれば、別の側面から、実施する内容は同じでも名目を付けて、予算の獲得の行動に血眼になる。

此れでは、両者の戦いは、誤魔化しても勝ったほうが、成果をあげた事になると言う、まったく無意味な予算とり闘争をしているだけである。

事業仕分けの、節税に対する、目的意識は、官僚側も、政府側も国家の財政状態をよく認識した上で、必要欠くべからざるものから使ってゆくと言う目的に対する、共有した認識の上で遣る事が必要で、この状況をみると、官僚側と、仕分け人側の戦いは、狐と狸の騙しあいの様相にしか見えない。

第一、特別会計での事業実施計画は、各省庁が勝手に名前を付けて実施できると言う、システムは異常であり。少なくとも、事業の実施計画は、行政主導で、決定すべき問題であると思う。其れが官僚の中だけで、やる、やらない、を決めていることに、そこまで官僚任せで、今まで、やって来たのかと言う疑問を持たざるを得ない。

菅総理は、冒頭「各省庁は、『要求官庁』から『査定官庁』に換わった感覚で望むように」と言う意識を強調したようだが、まだまだその意識が徹底しておらず、省庁の政務三役までが、官僚に飲み込まれている状況が見える様では、相当な隔たりがある様に思われる。

また、仕分け人側にも、仕分けの判定に、何らかの法的権限を持たせ、判定の実施には官僚としての義務である事を、強く認識させる事が必要であると思う。

狐と狸の騙し合いの様な戦いは、全く無意味で、両者が共有した目的意識の上で、夫々の立場の中で、堂々と議論を尽くし、決定した判定には両者が協力して行うような事業仕分けで無いと、本当の成果は期待できないのではないでしょうか。
(えびなたろう)