日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

お客様の声

2009-09-10 00:14:49 | とある街のとあるスーパー

豆腐屋ジョニーに大笑いした私と岸辺さんだったが、 この日は これで終わりではなかった・・・

仕事を終え、休憩室へ向かう途中、私の目はお客様専用出入り口の近くにある 掲示板に釘付けになったのである!

私が見入っていると、岸辺さんも声を出して、読み始めた。

「何なに?70代女性。広告の品が何処に出してあるか分からず、店員に聞くと、 なんと、定番商品が置いてある場所へ連れて行かれました!ブルーキャベツ(仮名のスーパー)では、広告の品は分かる所に積み上げてあります!社員の教育を徹底してください!」

最初は目が点になり、 次に言葉を一瞬、失い、 そして、最後は笑い出してしまった私・・・。

当店でも広告の品は、売り場中央に積んである。

一人 何個限り!が多く、いくら積んであっても売れれば当然無くなる。

完売と知っていれば、まっすぐ定番が置いてある場所へ御案内する。

或は、聞かれた場所が特設コーナーよりは、定番の方が近ければ、 そちらへ真っ直ぐご案内している。

そういう訳で、これまで、いったい何人のお客様を定番商品が置かれてある場所へ ご案内しただろうか。

数えきれぬほどである。

断っておくが、これまで紹介してきたように、 9割のお客様は、 「お忙しいところ、すみませんが・・・」

「ちょっと、お聞きしても、よろしいですか?」

と、声を掛けてから、場所を聞く方が圧倒的だ。

ご案内した後は、

「忙しいのに、手を止めさせて、ごめんね。ありがとう」

「どうも、ありがとう、ございます」

「すみませんねえ」

などなど、こちらが逆に恐縮してしまう程、腰が低いお客様ばかりなのだ。

まれに、案内しても、ブスッとして無言だったり、

「これ、返しといて!」

と、こともあろうに 荷物を抱え、小走りの私を呼びとめ、 カートを押し付ける30代女もいた。

これには、私だけじゃなく、周囲にいたお客様も仰天した様子で、女の顔を眺めていた。

しかし、本人は、一向に気にすることなく、それどころか周囲の空気も読めず、自分で返そうと、思い直すどころか、 更に、私に

「返しておいて!」

と、命令した。 カート置き場は、私が居る場所からは遥か彼方である。

しかも、私が今、向かおうとしている場所からは逆方向・・・。

ここが、

「お客様は神様です!」

の日本でなければ、

「足が不自由な高齢者でもないのに、自分で返して来い!

と、叫ぶところだ。

私は客の召使か

さすがに私もムッときて、無言でカートを返してきたのであった。

繰り返すが、これはわずか一割程度の常識はずれの客であって、 何処の世界にも非常識な人間が存在するのが世の常だ。

そういう訳であるからして、 このような お客様の声が舞い込むのも理解は出来る。

私も岸辺さんも、読み終えて すぐにはコメントの仕様がなかったが、 まず私が口を開いた。

「私ですよ、定番へ案内したの。でも、ほとんどのお客様は、 忙しいのに すみません、とか、ありがとうって笑顔で言ってくれますけどね」

「私も、何度も定番へ案内したよ!いつも置いてある商品が安くなる方がいいと思うけどね・・・」

私は岸辺さんに、あるお客様とのエピソードを話した。

「いつだったか、特設コーナーには一つも商品が残ってなくて、もしかしたら定番の方にまだ あるかもしれませんから・・・ってご案内したんですよ。そしたら、それが最後の一つで・・・。 おじさん、大喜びで、わざわざ奥様まで呼びに行って、このお嬢さんのお陰で最後の一つが買えたんだ、と言ってくれましたよ! わざわざ来店して、なかったらがっかりですもんね、良かったですね!って言ったら、ほんとにありがとう!って笑顔でした・・・

私の話をうん、うんと聞いていた岸辺さんは、しみじみ言った。

「ほんとにねえ。全く同じことをしても、人によって、受け取り方は様々よね。お尋ねして、放ったらかされたっていうなら、怒るだろうけど、ちゃんと案内してもらってるんだから・・・。 一言、ありがとうって言う方が、気持ちいいだろうにね。 この お客様の声に「お答え」した南副店長も、笑ってたかも・・・?」

これに、まじめに答えなければならなかった副店長も、大変だ。

社員教育をしろ!とまで、書かれてあるのだから。

日本では、何でも上司が悪い!となる。

私も、しみじみ言った。

「こういう事を書く人は、きっと心が貧しいんですよ。 人に対しても、物事に対しても、感謝するって心が全くなくて、いつも文句ばかり言ってるんじゃないですか?かわいそうな人・・・」

私は岸辺さんに、こういいながら、ふと、買い物から帰宅して、 ぷりぷり怒り、これを書いている70代の女性を想像した。

すると、自然と笑いがこみ上げてきて、

「ぎゃははははーっ

大笑いしてしまった

同じく岸辺さんも、最後は笑い出したのである。

だって・・・ねえ。 こんなことで、本気で怒る人には、心の平穏なんて訪れないわよね。

二人で大笑いしている時、ふと、南副店長の姿が目に入り、我に返った。

「あっ、しまった!こんな出入り口で、しかも お客さんが多い時間帯に、掲示板の前で大ウケしてたら、目立ちますよね」

「うん、夕方6時に店員二人が笑い転げてたって、また、クレームになるかも」

と、岸辺さん。

「特に、これ書いた人が、もし私達を見てたとしたら・・・相当、怒るでしょうね!あそこの店員は、お客様の声を真摯に受け留めず、こともあろうか、掲示板を読みながら、ケラケラ笑い転げてたって・・・」

「・・・」    コメント (6) 

 

2006年11月、別ブログ、「とある街のとあるスーパー」に初登場記事です。何度、読み返しても・・・ この記事は、当時の私のブログとしては、珍しく数少ないマイナス面を書いたものです。編集長は、これを本に抜粋したので、「外して下さい」とお願いしましたが・・・最終的に、ちょっとアレンジされて、書籍の方にも登場します。先月の売り上げのお知らせが昨日、出版社から届きました。8月も本を購入して下さった方、ありがとうございました!! 心から感謝致します。2008年2月発売でしたが、今日まで毎月、コンスタントに売れてきました。少数部数ずつ・・・ではありますが。これも新たにブログの読者となった方や、昔から応援して下さっている方のお陰です。ありがとうございます。

 日記@BlogRanking

過去記事のコピーペイストだけでは申し訳ないので、一つだけ、追加の小話を・・・。

日付けが変わってしまいましたが、ウォーキングのお話。利用者さんの中には、力加減が分からず、何度優しく話しても、グイっと私の両腕を引き千切れんばかりに引っ張る人も・・・。今日はウォーキングの間中、そうだったので、山に囲まれたウォーキングコースは景色は抜群なものの、ちょっと花粉症の走りかも・・・? 目がかゆいし、なんだか むずむずする・・・元気なときなら、対応できるけど、こんな日は、止めてね、といったら、止めてほしい・・・・。流石の私も、「少し距離を開けて歩いてね」と言い終わる直前に ガツン!!と彼女のグーの手が顔面を直撃したときは、ちょっとムッとした顔をしてしまいました・・・・。 グラウンドでラジオ体操をしている高齢者グループを真似て、歩きながらラジオ体操を始めたのですね、その利用者さん。悪気はないのでしょうが、歩きながら散々遊ばれてる感じで、私の両腕は真っ赤。歩き終えたとき、他の利用者さんが、「鈴木さんの両腕、真っ赤やん!!」と驚いていたくらいでして・・・「ウォーキングだけで疲れたわ・・・」と口に出して洩らしてしまった・・・。修士号は社会学で、しかも専門はコミュニケーションでしょうに。(オーストラリアの大学院) そんなことは微塵も感じられない私の対応・・・これでは、プロ失格!私情を表に出してはいけません。田舎は空気が良いけれど、毛虫が空から降ってくるのは嫌い・・・かゆい・・・目がチカチカする・・・なんて歩きながらちらっと考えたから。今日だけは、利用者さんに もみくしゃにされるのは ごめんだわぁ・・・なんて・・・愛が足りません。

そんな私の気持ちを感じ取ったのか・・・。その利用者さん、お昼休みに私の手を引っ張り、白板の前へ。ひらがなで、こう書きました。

「すずさんが すきですよ!」

「すずさんが・・・好きですよ・・・・?」

私が声に出して読むと、ニコニコしながら激しく うんうん! と首を縦に振ります。実は彼女、声を発する事はできますが、言葉にはなりません。「すずさんは私の物よ~」みたいな勢いでいつもガガガッ!!!と突進してきます。腕にしがみついたり、キスしたり・・・(女の子です)トイレでも何処へでも付いてくるので、今日はちょっと・・・これ以上は勘弁して・・・と心の中で呟きました。神経が休まる時がないから・・・・。ここが私の心の弱いところなんですけど・・・ね。

そんな私の心を見透かしたかのようなメッセージ。

「すずさんが すきですよ!」

なんだか、じーーーんとしてしまいました。今日の日報にも一番に記入したことです。自分自身の反省点も込めて。そして何よりも感謝を込めて。

 

Comments (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする