4月28日(水) アイスランドの火山噴火
北欧のアイスランドで、4/14に火山が噴火し、その噴煙の影響で、ヨーロッパの主要空港が閉鎖され、ヨーロッパと結ぶ世界各地の航空便の欠航が相次ぐという、一時、大変な事態となった。幸に、1週間程で火山活動が収まったようで、大半の空港が再開され、運行も正常に戻り、一安心である。
アイスランドは、普段、余りニュースに出てこない国だが、今回の自然のいたずらで、脚光というより、逆光を浴びたようで、一時、トップニュースに躍り出た格好だ。
アイスランドといえば、ヨーロッパの地図上では、左上の方にある、丸っこい北の国。首都は、レイキャビク、2008年の世界的な金融危機で、ピンチになった国、捕鯨問題では、日本と同調している国、EUには参加している? 位の知識しかなく、訪れたことはない。
今回のニュースを機に、少し調べてみた。デンマークから独立した歴史をもち、レイキャビクは、世界最北の首都になろう。国の面積は、図法の関係(特に、メルカトール図法)で、地図上では広く見えるが、北海道よりやや大きい位のところに、何と、32万人程の人口しか住んでいないという。女性の大統領がいる民主的な国で、EUには加盟する方向で動いているが、経済的な苦境は、今も続いているようだ。記録では、冷戦下、米露による、歴史的な東西サミットであるレーガン・ゴルバチョフ会談が行われたとあり、そういえば、そんなこともあったか、と思い出した。
アイスランドは、国名の通り、「Iceland氷の地」のようで、島全体が火山と氷河の国と言われる。国土の北部を、北極線(北緯66度33分)が通過している、白夜の国でもある。地形的には、北米プレートと、ユーラシアプレートの境界が、国の中央でぶつかり合っていて、そこに、沢山の火山があるようだ。又、氷河は、国土面積の約10%も占めているという。
今回の噴火は、通常の火山の噴火ではなく、エイヤフイヤトラヨークトル氷河の下に隠れている火山が噴火したようだ。この氷河下の火山が噴火したのは、190年ぶりといわれ、この3月にも噴火している。水蒸気爆発のような現象が起き、衛星からも見えた噴煙の写真を、NASAが公開している。
エイヤフイヤトラヨークトルとは、原語では,Eyjafjallayökullと書くようで、エイヤ(島)・フイアトラ(山)・ヨークトル(氷河)と、言う意味のようで、発音しにくい名前だが、何とか覚えた所である。
この噴火だが、現地での被害が、ほとんど聞かれなかったのが、不思議に感じられた。通常、火山が噴火すると、溶岩流による被害や、火山灰の降灰や、更には、噴煙による遮光などによる農作物の被害など、まず、現地に被害が出るものだが、今回は、何故か、全然報道されなかった。被害らしい被害が無かったのか、他のニュースにマスクされたのだろうか。
NHKニュースのバックナンバーを改めて調べたら、辛うじて、大噴火のあった、4/14の現地ニュースとして、氷河が溶け出して、河川が氾濫する危険を避けるため、現地住民800人が避難した、というニュースを伝えていたようだ。その後も、死者が出たといったニュースは無く、現地では、被害らしい被害は、無かったのだ、と思われる。
空路以外での、ヨーロッパ各地での被害についても、自分の知る限り、噴煙や火山灰が海を越えて、ヨーロッパ大陸上空に流れ、各地に降灰や遮光の被害があった、とは、報道されていない。何時だったか、フィリピン ルソン島のピナツボ火山の爆発による噴煙で、周辺諸国で、太陽光が遮られ、北半球の平均気温が、0.5度下がったと言われている。
少し余談になるが、日本での火山の噴火で、自分の経験の中でも、幾つか記憶に残っているものがあり、順不同だが、記してみたい。
・大分以前の北海道旅行で、有珠山系の噴火で出来て間もない昭和新山に、強烈な硫黄の臭 いを嗅ぎながら、登ったことがある。先年、その有珠山が爆発し、以前泊まったともあ る、洞爺湖温泉が、壊滅的な打撃を受けた。
・浅間山のでは、江戸時代の天明3年に大噴火があり、大変な被害があったと記録されてい る。数年前、山麓の近くにある知人の別荘に泊まった時は、山頂からのどかに出ている煙 を眺めながら、過去の噴火を偲びつつ、溶岩原を散策した。
・阿蘇山に、以前、登った時は、火口の噴煙を見たり、途中の避難小屋に入ったりした。そ の後、活動が活発になり、一時、登山が禁止されたこともある。
・自殺の名所と言われた、三原山では、溶岩原を通って、火口の御神火を拝んだことがあ る。
・先年、三宅島の雄山の噴火では、全島避難で、住民の皆さんは、都内での避難生活で、ご 苦労された。(未だに帰島は完了していない?)
・雲仙普賢岳で、噴火の様子を取材中の報道関係者など、多くの方々が、火砕流の犠牲とな った痛ましい事故は、未だに記憶に新しい。
・NHK大河ドラマ「篤姫」には、主人公の故郷のシンボルとして、桜島が、何度も登場し た。以前、桜島の麓まで行き、放浪記で有名な、林芙美子の碑等を見てきたことがある。 その時の話では、鹿児島では、一般ゴミとは別に、火山灰を回収する車が、定期的に廻っ ていると聞いた。さすが、鹿児島の人は強く、噴火も降灰も、生活の中に同化させてい る、という印象を持ったが、降灰の収集作業は、現在も続いているのだろうか。
話を元に戻すと、噴煙が上空まで上がったことで、航空機が飛べなかった理由だが、テレビの解説によれば、ヨーロッパ各地の上空に移動してきた噴煙の中を、飛行機が飛ぶと、噴煙の中にあるガラス成分などが、エンジンの熱で溶けて、エンジンの中でこびりつき、出口を塞いでしまう、などの故障の原因になり、全エンジンが止まってしまう、といった大事故になる危険性があるという。
過去に、噴煙中を飛行して、エンジンが故障した大きな事故が、起きているようだ。インドネシア上空で、火山の噴煙中を飛行し、4機のエンジンが全て停止すると言う、緊急事態になったが、高度を下げたところで、エンジンが再起動して救われたと言う、信じられない幸運な事故だ。その他、アメリカでも、2件ほど同様の事故が発生しているが、無事に着陸し、大事には至らなかったという。
専門家によれば、バードストライクでは、野鳥がエンジンに吸い込まれて、そのエンジンは故障してしまうが、残ったエンジンでコントロールできる。しかし、一様に広がっている噴煙の中に航空機が入ると、全てのエンジンが故障する可能性が高く、非常に危険になるという。
この様なことから、航空機を飛ばすのを諦め、欠航したり、空港を全面的に閉鎖するなどの、異例の、緊急措置が採られた訳だ。このような大掛かりな航空規制は、9・11テロ以来という。日本とヨーロッパとを結ぶ、殆どの便もストップした。
ヨーロッパを中心にして、世界の航空機がストップしたことで、人流、物流などの多方面に、甚大な影響を及ぼした。直接的な、航空事業の損害額でも、一日何百億円などと報道された。それに、航空機を利用する事業での間接的な損害から、個人レベルでの予定の取り止めなどに至るまで、非常に大きな傷跡を残した、と言えよう。
自然災害といえば、この所は、地震と津浪、などが主役だったが、火山の噴火という、思わぬ役者が出てきて、不確実な自然災害の恐ろしさを、まざまざと、見せ付けた格好だ。世界が、相互に深く繋がっており、思わぬ事態にたいして、如何に脆弱であるか、ということを、実験的にシュミレーションを行って、証明したようなものだろうか。
今回の噴火については、100%の自然現象であり、アイスランドは何も悪いはずは無く、なんの対策も取れなかったのだ。むしろ、今回の事態は、アイスランドを知ってもらう切っ掛けになった、とも言える。
一方、航空機を止めたことの判断の是非については、少し異論があるようだ。欠航や空港閉鎖や解除に当たって、余りに過敏になりすぎたのではないか、というのだ。此処は、専門家に任せるしかない。
でも、人命の安全は、何物にも変えがたいという原則だけは、再確認したい。交通機関は、人命を預かるものだけに、常に、輸送の安全性との戦いの連続ともいえる。技術の改良進歩で、安全性が高まる方向にはあろう。例えば
雨の中や、雲の中での、離陸や、飛行や、着陸
雨や雪道での自動車の走行
雪の中での新幹線の走行
等は、以前は、危険が伴い困難だったのではないか。でも、無線通信技術や、タイヤの開発や、融雪技術等で、これらも、リスク無しで出来るようになったといえる。更に、強い風が吹く台風や、今回のような、火山の噴煙中での航空機の飛行も、遠い将来には、安全に出来る時代が来るかもしれない。
世の中の金融商品には、ハイリスク・ハイリターンの商品は多い。かといって、交通関係でも、事業者も利用者も、決死のリスク覚悟で、数倍の高料金で運行する、といったサービスは、やはり、出来るはずは無い。逃げるが勝ちであり、君子危うきに近寄らず、である。
今回の事件の教訓として、何を学び取ればいいのだろうか。一つは、自然災害やテロなどの、思わぬ事態になった時に、世界的なネットワークの中で、関係国・関係機関が連携して事に当たることだろう。規制の開始や、解除に際しての、国際的な連携である。でも、予め、思わぬ事態を想定して、シュミレーションでやり方を決めておくことは、かなり難しいように思う。
もう一つは、国際的な越境被害についてである。今回の噴煙被害は、自然現象であるが、先だっての大陸からの黄砂現象は、自然現象とは言いながら、水資源の管理が悪いために、砂漠化を進行させている側面もあり、人災とも言える。又、最近話題になっている、九州などでの光化学スモッグは、中国での窒素酸化物の放出によるオゾンの生成が原因のようで、かなりの人災であり、地球規模の公害問題といえよう。
このような、国境を越えた越境被害についての国際的な対策についても、地球温暖化問題と同様に、話し合いが必要になっているようだ。
北欧のアイスランドで、4/14に火山が噴火し、その噴煙の影響で、ヨーロッパの主要空港が閉鎖され、ヨーロッパと結ぶ世界各地の航空便の欠航が相次ぐという、一時、大変な事態となった。幸に、1週間程で火山活動が収まったようで、大半の空港が再開され、運行も正常に戻り、一安心である。
アイスランドは、普段、余りニュースに出てこない国だが、今回の自然のいたずらで、脚光というより、逆光を浴びたようで、一時、トップニュースに躍り出た格好だ。
アイスランドといえば、ヨーロッパの地図上では、左上の方にある、丸っこい北の国。首都は、レイキャビク、2008年の世界的な金融危機で、ピンチになった国、捕鯨問題では、日本と同調している国、EUには参加している? 位の知識しかなく、訪れたことはない。
今回のニュースを機に、少し調べてみた。デンマークから独立した歴史をもち、レイキャビクは、世界最北の首都になろう。国の面積は、図法の関係(特に、メルカトール図法)で、地図上では広く見えるが、北海道よりやや大きい位のところに、何と、32万人程の人口しか住んでいないという。女性の大統領がいる民主的な国で、EUには加盟する方向で動いているが、経済的な苦境は、今も続いているようだ。記録では、冷戦下、米露による、歴史的な東西サミットであるレーガン・ゴルバチョフ会談が行われたとあり、そういえば、そんなこともあったか、と思い出した。
アイスランドは、国名の通り、「Iceland氷の地」のようで、島全体が火山と氷河の国と言われる。国土の北部を、北極線(北緯66度33分)が通過している、白夜の国でもある。地形的には、北米プレートと、ユーラシアプレートの境界が、国の中央でぶつかり合っていて、そこに、沢山の火山があるようだ。又、氷河は、国土面積の約10%も占めているという。
今回の噴火は、通常の火山の噴火ではなく、エイヤフイヤトラヨークトル氷河の下に隠れている火山が噴火したようだ。この氷河下の火山が噴火したのは、190年ぶりといわれ、この3月にも噴火している。水蒸気爆発のような現象が起き、衛星からも見えた噴煙の写真を、NASAが公開している。
エイヤフイヤトラヨークトルとは、原語では,Eyjafjallayökullと書くようで、エイヤ(島)・フイアトラ(山)・ヨークトル(氷河)と、言う意味のようで、発音しにくい名前だが、何とか覚えた所である。
この噴火だが、現地での被害が、ほとんど聞かれなかったのが、不思議に感じられた。通常、火山が噴火すると、溶岩流による被害や、火山灰の降灰や、更には、噴煙による遮光などによる農作物の被害など、まず、現地に被害が出るものだが、今回は、何故か、全然報道されなかった。被害らしい被害が無かったのか、他のニュースにマスクされたのだろうか。
NHKニュースのバックナンバーを改めて調べたら、辛うじて、大噴火のあった、4/14の現地ニュースとして、氷河が溶け出して、河川が氾濫する危険を避けるため、現地住民800人が避難した、というニュースを伝えていたようだ。その後も、死者が出たといったニュースは無く、現地では、被害らしい被害は、無かったのだ、と思われる。
空路以外での、ヨーロッパ各地での被害についても、自分の知る限り、噴煙や火山灰が海を越えて、ヨーロッパ大陸上空に流れ、各地に降灰や遮光の被害があった、とは、報道されていない。何時だったか、フィリピン ルソン島のピナツボ火山の爆発による噴煙で、周辺諸国で、太陽光が遮られ、北半球の平均気温が、0.5度下がったと言われている。
少し余談になるが、日本での火山の噴火で、自分の経験の中でも、幾つか記憶に残っているものがあり、順不同だが、記してみたい。
・大分以前の北海道旅行で、有珠山系の噴火で出来て間もない昭和新山に、強烈な硫黄の臭 いを嗅ぎながら、登ったことがある。先年、その有珠山が爆発し、以前泊まったともあ る、洞爺湖温泉が、壊滅的な打撃を受けた。
・浅間山のでは、江戸時代の天明3年に大噴火があり、大変な被害があったと記録されてい る。数年前、山麓の近くにある知人の別荘に泊まった時は、山頂からのどかに出ている煙 を眺めながら、過去の噴火を偲びつつ、溶岩原を散策した。
・阿蘇山に、以前、登った時は、火口の噴煙を見たり、途中の避難小屋に入ったりした。そ の後、活動が活発になり、一時、登山が禁止されたこともある。
・自殺の名所と言われた、三原山では、溶岩原を通って、火口の御神火を拝んだことがあ る。
・先年、三宅島の雄山の噴火では、全島避難で、住民の皆さんは、都内での避難生活で、ご 苦労された。(未だに帰島は完了していない?)
・雲仙普賢岳で、噴火の様子を取材中の報道関係者など、多くの方々が、火砕流の犠牲とな った痛ましい事故は、未だに記憶に新しい。
・NHK大河ドラマ「篤姫」には、主人公の故郷のシンボルとして、桜島が、何度も登場し た。以前、桜島の麓まで行き、放浪記で有名な、林芙美子の碑等を見てきたことがある。 その時の話では、鹿児島では、一般ゴミとは別に、火山灰を回収する車が、定期的に廻っ ていると聞いた。さすが、鹿児島の人は強く、噴火も降灰も、生活の中に同化させてい る、という印象を持ったが、降灰の収集作業は、現在も続いているのだろうか。
話を元に戻すと、噴煙が上空まで上がったことで、航空機が飛べなかった理由だが、テレビの解説によれば、ヨーロッパ各地の上空に移動してきた噴煙の中を、飛行機が飛ぶと、噴煙の中にあるガラス成分などが、エンジンの熱で溶けて、エンジンの中でこびりつき、出口を塞いでしまう、などの故障の原因になり、全エンジンが止まってしまう、といった大事故になる危険性があるという。
過去に、噴煙中を飛行して、エンジンが故障した大きな事故が、起きているようだ。インドネシア上空で、火山の噴煙中を飛行し、4機のエンジンが全て停止すると言う、緊急事態になったが、高度を下げたところで、エンジンが再起動して救われたと言う、信じられない幸運な事故だ。その他、アメリカでも、2件ほど同様の事故が発生しているが、無事に着陸し、大事には至らなかったという。
専門家によれば、バードストライクでは、野鳥がエンジンに吸い込まれて、そのエンジンは故障してしまうが、残ったエンジンでコントロールできる。しかし、一様に広がっている噴煙の中に航空機が入ると、全てのエンジンが故障する可能性が高く、非常に危険になるという。
この様なことから、航空機を飛ばすのを諦め、欠航したり、空港を全面的に閉鎖するなどの、異例の、緊急措置が採られた訳だ。このような大掛かりな航空規制は、9・11テロ以来という。日本とヨーロッパとを結ぶ、殆どの便もストップした。
ヨーロッパを中心にして、世界の航空機がストップしたことで、人流、物流などの多方面に、甚大な影響を及ぼした。直接的な、航空事業の損害額でも、一日何百億円などと報道された。それに、航空機を利用する事業での間接的な損害から、個人レベルでの予定の取り止めなどに至るまで、非常に大きな傷跡を残した、と言えよう。
自然災害といえば、この所は、地震と津浪、などが主役だったが、火山の噴火という、思わぬ役者が出てきて、不確実な自然災害の恐ろしさを、まざまざと、見せ付けた格好だ。世界が、相互に深く繋がっており、思わぬ事態にたいして、如何に脆弱であるか、ということを、実験的にシュミレーションを行って、証明したようなものだろうか。
今回の噴火については、100%の自然現象であり、アイスランドは何も悪いはずは無く、なんの対策も取れなかったのだ。むしろ、今回の事態は、アイスランドを知ってもらう切っ掛けになった、とも言える。
一方、航空機を止めたことの判断の是非については、少し異論があるようだ。欠航や空港閉鎖や解除に当たって、余りに過敏になりすぎたのではないか、というのだ。此処は、専門家に任せるしかない。
でも、人命の安全は、何物にも変えがたいという原則だけは、再確認したい。交通機関は、人命を預かるものだけに、常に、輸送の安全性との戦いの連続ともいえる。技術の改良進歩で、安全性が高まる方向にはあろう。例えば
雨の中や、雲の中での、離陸や、飛行や、着陸
雨や雪道での自動車の走行
雪の中での新幹線の走行
等は、以前は、危険が伴い困難だったのではないか。でも、無線通信技術や、タイヤの開発や、融雪技術等で、これらも、リスク無しで出来るようになったといえる。更に、強い風が吹く台風や、今回のような、火山の噴煙中での航空機の飛行も、遠い将来には、安全に出来る時代が来るかもしれない。
世の中の金融商品には、ハイリスク・ハイリターンの商品は多い。かといって、交通関係でも、事業者も利用者も、決死のリスク覚悟で、数倍の高料金で運行する、といったサービスは、やはり、出来るはずは無い。逃げるが勝ちであり、君子危うきに近寄らず、である。
今回の事件の教訓として、何を学び取ればいいのだろうか。一つは、自然災害やテロなどの、思わぬ事態になった時に、世界的なネットワークの中で、関係国・関係機関が連携して事に当たることだろう。規制の開始や、解除に際しての、国際的な連携である。でも、予め、思わぬ事態を想定して、シュミレーションでやり方を決めておくことは、かなり難しいように思う。
もう一つは、国際的な越境被害についてである。今回の噴煙被害は、自然現象であるが、先だっての大陸からの黄砂現象は、自然現象とは言いながら、水資源の管理が悪いために、砂漠化を進行させている側面もあり、人災とも言える。又、最近話題になっている、九州などでの光化学スモッグは、中国での窒素酸化物の放出によるオゾンの生成が原因のようで、かなりの人災であり、地球規模の公害問題といえよう。
このような、国境を越えた越境被害についての国際的な対策についても、地球温暖化問題と同様に、話し合いが必要になっているようだ。