つれづれの記

日々の生活での印象

ロンドンパラリンピック その2

2012年09月15日 23時43分27秒 | 日記

2012年9月15日(土) ロンドンパラリンピック その2

 

 

 ロンドンパラリンピックについては、当ブログの、下記記事

    ロンドンパラリンピック その1 (2012/9/13)

 

で、シンボルマークについて触れた所だ。

 今回は、具体的な競技の中の、ゴールボールについて記すこととしたい。

 

 今回のパラリンピックで、日本チームが、金メダルを獲得した事で、すっかり注目を浴び、知名度が上がった、ゴールボール(Goalball)である。

 日本女子チームが、決勝で中国を1-0で破り、優勝が決まって金メダルを獲得した8日夜のEテレで、チームの6人(レギュラー3人 ベンチ3人)が、NHKのロンドンのスタジオに招かれ、インタビューがあった。 自分はこれまで、このような種目があることも知らなかったし、放送の中で流された試合の様子を、TVで見るのも初めてであった。

この競技、見ていても、そんなにエキサイトする訳ではなく、比較的静かな競技だが、結構、味があるようだ。

 

◎ゴールボールとは?

[概要] このゴールボールは、視覚障害選手が行う対戦型スポーツで、1チーム3名の選手が鈴の入ったボールを投球して攻撃したり、鈴の音を頼りに身体全体を使ってセービングをするなどの攻防を行い得点を競い合う。視力の程度に関わらず、アイシェードと呼ぶ目隠しを装着してプレーする。試合は、前後半各12分、ハーフタイム3分で行われる。 

 

[主なルール]

ゴールボールとは | 【JGBA】日本ゴールボール協会 オフィシャルサイト

○選手   ・各チーム3人づつ

      ・全員、完全な目隠しをする

       目にテープを貼った上にアイシェード(アイマスクとも)を装着

       視力の違いが無いよう条件を揃え、公平を期す

      ・全神経を耳からの音と、身体の触れ合いに集中 

      声かけによる選手間のコミュニケーション

      目隠しを付けたまま、ボールを持って歓喜!

 

 ○コート

    ・バレーボールと同じコートの広さ(幅9m、長さ18m)

    ・ゴールラインの両エンドに、高さ1.3m、幅9mのゴール 

    ・ゴールラインから手前3mまでがチームエリア、更に3mの幅がランディン

     グエリア、中央部がニュートラルエリア

     

○ボールと投球 

     ・ボールは、バスケットボール位の大きさ

     ・ボールの中に音を出す鈴が入っているのが特徴

      ボールが床を転がると、コロコロ音が出るので、その音を頼りにプレーする

      ボールが床にぶつかる音も重要

     ・投げたボールが、相手ゴールの手前で、2度、床に触れること  

      相手のチームエリア、ランディングエリアの、どちらにも触れずに、相手のゴールに行ったボールは、ハイボールの反則:どちらか  のエリアで、必ず床に触れること(空中を飛ぶボールは、音がしないので分らないため)

     ・投球されたボールが、ニュートラルエリアを飛び越した場合は、ロングボールの反則:ニュートラルエリアで必ず床に触れること

 

 投球動作

(ハンドボールのようなオーバースローは禁止で、アンダースローのみ?)

    

○ 守備

    ・3人で、横になってゴールを守る(立って守るのもOK?) 

     ボールを受けた味方の後ろに素早く回ってセーブする敏捷さも重要

     身長が大きい方が有利か?          

    ・ボールがゴールラインを越えたら得点    

 上手にセーブ

 

○ 競技時間

     ・正規時間 12分ハーフ 前半・後半

     ・同点の場合は、ゴールデンゴール方式の延長戦 3分×2

     ・それでも決着がつかない時は、1対1での、エクストラスロー(サッカーのPK戦相当)

 

[起源] この競技は、第二次世界大戦で、目を損傷した傷痍軍人の、リハビリのために始められたものが最初と言われ、ヨーロッパで盛んに行われているという。

 

◎日本チームの戦績

  今大会では、先ず、予選リーグがあり、日本は、3位で予選を通過したようだ。

決勝トーナメントに進んで、

   準々決勝  対ブラジル   2-0

   準決勝   対スエーデン  4-3

   3-3の同点で後半を終了し、延長戦に入っても決着が付かない。PK戦になり、8人目にして、漸く勝ったという、死闘があったようだ。

   決勝    対中国     1-0

    今大会での、両チームの、予選から準決勝戦までに獲得した総得点を見ると、

       中国チーム  37点

       日本チーム  11点

   のようで、両者に極めて大きな開きがあり、前回の北京大会で金メダルだった中国チームの攻撃力の凄さは、驚くべきものだ。 

  この中国の攻撃を交わしながら、日本は前半間もなく、安達選手のシュートで、狙い通りに得点したが、前半終了近くに、ピンチが訪 れた。守りで、浦田選手が、チームエリアの境界線を越えてしまい、イリーガルディフェンスの反則を取られてしまったのだ。(ラインは、手で触ると判るようになっている)

  1対1で対向する、緊迫したペナルティスローの場面だったが、浦田選手は、相手の投球を綺麗に止めて、得点を防いだのである。

    このようにして、最少得点差で、強豪中国を破って、チーム競技初の金メダルに輝いたのである。

 

  日本女子チームは、これまで、3大会連続で出場したが、アテネでは、3位 銅だったものの、前回の北京では、7位と振るわず、今回、晴れて、悲願達成となったようだ。

最終成績は、1位 日本、2位 中国、3位 スエーデンである。スエーデンとは、予選で引き分けているようだ。

 

   金メダルを喜ぶ6人組

 

◎ 終わりに

  日常生活では、目から入って来る情報量は、全体の70%程と言われるが、運動競技では、さらに比重は増すだろうか。 従って、視覚障害者にとって、1人で運動するというのは、かなり困難なことになるだろう。

アイシェードを付けることで、敢えて視覚情報を断って、競技をするゴールボールは、いわば、逆転の発想の面白さ、と言えるかも知れない。

  夏場の海水浴の砂浜で、目隠しをして、スイカ割りを行うのは楽しいものだが、ゴールボールでは、それに似た、スリルが味わえるかも知れない。

  パラリンピックでの視覚障害者向けの種目として、ゴールボールの他には、伴走者と一緒に走る陸上の種目(100m、5000mなど)がある。 この競技、二人の意気が合うと、とんでもないスピードが出る様子が、テレビに写し出され驚かされた。

又、水泳で、種目は忘れたが、視覚障害者が参加するクラスで、目が利かないことから、プールの底のラインや天井がよく見えない為、コースロープに、ぶつかりぶつかりしながら進んでいく姿が、強く印象に残っている。

  障害者でも、車いすを使い、義足を付けることで、健常者と同じような種目をカバーしているケースが多いのだが、この場合は、視覚は正常であることが前提となる。

これらに比べ、視覚障害者が参加できる種目やクラスは、未調査ながら、かなり限られてくるように思われる。

 

  ゴールボールで金メダルを獲得した快挙が讃えられて、チームの小宮主将が、閉会式の行進での旗手に選ばれるという、嬉しいニュースだ。 彼女、一人で大丈夫かな、と気になったのだが、隣で江黒監督が、ちゃんとエスコートしてくれたことで、無事、大役を果たす事が出来た。

    小宮旗手とサポート役の江黒監督

 

  昨14日朝の、NHKおはよう日本の、スポーツコーナーで、女子ゴールボールチームで大活躍した、3人組(小宮、浦田、安達 各選手)が出演し、日本全国に、金メダルの報告とともに、爽やかな笑顔を届けてくれたところだ。

  今回のゴールボールの躍進が、日本での、今後の障害者スポーツの一層の発展に、そして、視覚障害者の福祉向上に、少しでも繋がってくれれば、と願っている。


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