『おやすみなさい』と。

日が短くなってしまいましたので、あっという間に日暮れが訪れます。
暑い盛りには夜明けも早かったので一日が長く感じられていましたのに、何だか損をしている様な気分に。
秋の夜長。
読書でもしっかり出来ればいいのですが目がすぐに疲れてしまい、それも出来ず、パソコンもバツ、と言うことでストレスをため込んでいます。
ラジオを聴いたり、音楽を聴いたりはしていますが、やっぱり満足できません。
というわけで、目が比較的疲れない詩集などを紐解いて味わっています。

2015年に永眠なされた長田　弘さんの「おやすみなさい」と言う詩。
３・１１福島第一原発事故の後に書かれたセレナードのための詩で、
湯浅譲二さんが作曲し、福島市音楽堂で初演されたものです。

　　　おやすみなさい森の木々
　　　おやすみなさい青い闇
　　　おやすみなさいたましいたち
　　　おやすみなさい沼の水
　　　おやすみなさいアカガエル
　　　おやすみなさい向日葵の花
　　　おやすみなさい欅の木
　　　おやすみなさいキャベツ畑
　　　おやすみなさい遠くつづく山竝（やまなみ）
　　　おやすみなさいフクロウが啼いている
　　　おやすみなさい悲しみを知る人
　　　おやすみなさい子どもたち
　　　おやすみなさい猫と犬
　　　おやすみなさい羊を数えて
　　　おやすみなさい希望を数えて
　　　おやすみなさい桃畑
　　　おやすみなさいカシオペア
　　　おやすみなさい天つ風
　　　おやすみなさい私たちは一人ではない
　　　おやすみなさい朝（あした）まで
　　　　　　（長田弘『幼年の色、人生の色』みみず書房　２０１６・１１・１０刊）より

3年半ほど前にアップさせて頂いた詩です。
今の私を、優しく『おやすみなさい』と包んでくれます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ゴマメのばーば〉

沁みるのか/聴こえるのか。

初期の肺腺ガンとの告知を受け、T病院へ移ってから１年が経過しました。
私の希望で特段の治療は受けていませんが、「CT」検査での画像の変化は見られず、「MRI」「骨シンチグラム」「血液検査」「腫瘍マーカー」等の検査結果からは、他への転移等も見受けられないとのこと。
検査結果は、私にしましては概ね良好かと。
一先ずは、私のわがままが続けられそうです。
こうした私に付き合って下さる医師に感謝です。

ところで、パソコン。
先月の半ばに不調となり、私なりに原因を探って対策を講じて見ましたところ、１００％OKというわけには行きませんでしたが何とか使える様にはなりました。
でも、根を詰めてパソコンと悪戦苦闘したために目に異常を来たしてしまったのです。
以前から、緑内障に罹り易い眼質とかで、１年に１度程度の割で検査をしていたのですが、昨年は「肺」の異常が見つかり、あれこれありましたので眼科へは行かず終いだったのです。
とにかく眼科へ行って来ました。
結果、再度の要検査と相成ったところです。
そんなわけで、目の疲れも、視力も回復しませんので、暫くブログへのアップができませんでした。
手持ちのiPadから、皆さまのブログへは時々訪問させて頂いていましたが。

そんなこんなの内に季節は、もう秋が終わって冬が来た様な天候となりました。
朝晩はストーブをつけています。
でも、日中になって戸外を少し歩きますと汗ばんで来たりして何とも体がついていけません。
それでも散歩がしたくて出かけています。
稲刈りはすっかり終わって、田んぼは冬の佇まいです。
今日は、目の具合がちょっといいことと、何だか淋しい気持ちもあってアップしてみました。
２０日に眼科で再検査を受けます。
また、暫くお休みになるかも・・・

　　　　　『沁みる』

　　　　　日射しが沁みる。
　　　　　空が沁みる。
　　　　　雲が沁みる。
　　　　　風が沁みる。
　　　　　歌が沁みる。
　　　　　声が沁みる。
　　　　　打ち上げ花火の「ドーン」が沁みる。
　　　　　沁みる　沁みる　沁みる。

　　　　　痛くは無い　寒くも無い　暑くも無い　心配ごとも無い。
　　　　　新米は美味い。
　　　　　兄が逝った　姉が逝った　兄嫁も逝った。
　　　　　順番に逝った　生まれた順に逝った。
　　　　　日射しが沁みる。
　　　　　空が　雲が　風が　歌が　声が　沁みる。
　　　　　順番がいつ来るのかわからないが、目にも心にも、沁みる　沁みる　沁みる。
　　　　　夕焼けが　綿雲が　葉のそよぎが　窓から流れて来る歌が　子どもの声が。

　　　　　沁みるのか。
　　　　　聴こえるのか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ゴマメのばーば〉