「ガンバロウ三唱」は、“いまは昔”

三菱東京ＵＦＪ銀行の労働組合が、今春闘でベースアップを、３年ぶりに要求しない方向で
最終調整している。
理由は、日銀のマイナス金利政策などにより、収益環境が悪化しているから。
三井住友銀行と、みずほフィナンシャルグループの労組も同様の方針。
損保ジャパン日本興亜の労働組合も、
東京海上日動火災保険の労組も、
ベア要求は見送り。

トヨタ自動車は、組合側の要求(月額３０００円)が高過ぎると難色を示しているが、
ベアは実施の方向で調整を進めているとか。

と、聞きますと、
“えっ　えっ、何ですか”
との思いに駆られます。

菅官房長官は、記者会見で「個別企業の方針についてはコメントを控える」とした上で、
『過去最高の企業収益を踏まえた賃上げを、しっかり実現するように期待したい』
と語り、ベア見送りなどに、けん制をかけましたが。

大手労組が自主的にベアを見送るようでは、小さな企業に働く従業員は、
ベアなど言い出せなくなるのではないでしょうか。

そこで、
　　Step１　政府・安倍首相がお出ましになって、使用者側に賃上げ要請をする。
　　Step２　それに呼応して使用者側は、“まあ、儲けさせてくれたのだから”
　　　　　　　と、一定程度の賃上げに応じる。
　　Step３　安倍さんの株があがる
　　　　　　　そこで、衆参同時選挙へ…………、
　　　　　　〈ト書き〉
　　　　　　　　　その日の為に、『憲法改正についても、踏み込んだ』公約を打ち出しておく
そんなアベ作台本が出来上がっているのかしらん、などと勘繰りたくもなるのです。

“団結ガンバロー”
と、腕を挙げ、労働歌なるものを歌って気勢を上げたのは、“いまは昔”のこと。
今は、労組の集会に経団連のお偉方が来賓として参列する世の中です。
もの分かりが良い労組が増えて…………、
などと、憎まれ口を叩いたら、時代錯誤の発言と、お叱りを受けるかもしれません。
でも、でも、もの分りが良過ぎると言うのも、なんかやり切れない思いです。

昨日、平成２８年度予算案、衆院で可決。
「数」は時に暴力です。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ゴマメのばーば〉