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多摩川雑学事典 by元林徹(文と写真)

名前の通り多摩川の話題ブログ。それとなぜか保守の立場から政治・社会も取り上げますのでこちらもどうぞ!

ちょっと渋過ぎ? 歌舞伎座四月大歌舞伎

2018-04-03 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の四月大歌舞伎です。

まずは昼の部の『裏表先代萩』
時蔵の乳人政岡はさすがで、彌十郎の八汐もよかった。
仁木弾正と下男小助の二役の菊五郎ですが、見慣れていない新鮮さもあってか特に小助が決まっていました。
ところで肝心の『裏表先代萩』という芝居。
表の先代萩は見慣れていますが、裏の道益殺しの世話物とどうつなげていくか?
難しいでしょうけれど今回は一応うまくいっていたというところでしょうか。

続いて夜の部の『絵本合法衢』。
昼の部の菊五郎もそうでしたが、仁左衛門が大学之助と立場の太平次の二役をうまくまとめてやっていました。
仁左衛門らしいきれいな悪役です。
そして彌十郎もこれに合った好演。
ただ全体、長くて複雑な通し狂言のメリハリとスピード感が今ひとつ。
それとお年寄り役者中心なのもあってか(?)全体が渋くて重い感じもしました。

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歌舞伎座三月歌舞伎(昼)…芝翫と『男女道成寺』の雀右衛門が見どころでした

2018-03-18 | 歌舞伎つぶやき
今月の歌舞伎座、昼の部です。

『国姓爺合戦』、注目は和藤内の愛之助ですが無難にこなし、それに東蔵・秀太郎・芝翫と芝居がそろっていました。

『男女道成寺』は花子の雀右衛門がサラリと踊ると思っていましたが、男女なのか意外と大きく動いていたのが印象的。
『道成寺』と言えば京鹿子の方をイメージしがちですがここが違いかも。
あと、松緑の狂言師は抑え気味で引き立て役と言ったところで、長唄と常磐津もよかった。

昼の部の最後の『芝浜革財布』は芝翫がうまく孝太郎もよく合わせていて、他も役者衆も粒のそろった舞台で成功でした。

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歌舞伎座三月歌舞伎…玉三郎・仁左衛門のお上品な悪役でした

2018-03-12 | 歌舞伎つぶやき
今月の歌舞伎座、三月歌舞伎です。

まず夜の部です。
『於染久松色読販』は玉三郎、美し過ぎで悪婆に合わないかもと不安でしたが不安解消の舞台。
仁左衛門とでお上品な悪役ぶりでした。

『神田祭』は玉三郎と仁左衛門が模範的で踊りより芝居でみせるという感じ、清元の延寿大夫も聴きどころでした。

『滝の白糸』ですが、壱太郎と松也は両方合わせてあっているかは別として、それぞれよくやっていました。
芝居のテンポもいいが、結末には明治の難しさが出て今の人には分かりにくいかも。
それと彦三郎が好演でした。

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歌舞伎座リニューアル『忠臣蔵』「一力茶屋」も海老蔵でした…

2018-02-15 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座リニューアルのこけら落とし公演は大変力が入ったレジェンドでは、だから「思い出の名場面」を取り上げますという趣旨のこと、書きました。

そこで今回はリニューアルの平成25年12月の『忠臣蔵』、「一力茶屋」です。
海老蔵の寺岡平右衛門、おかるの玉三郎でした。

由良之助が現白鷗で今月の歌舞伎座みたいで別に?ともなりますが、今でも印象に残っているのは海老蔵。
何をやるか分からないスリルが魅力(?)みたいなだったのが手堅い役者に向けて一歩踏み出した感。

踏み出してその後どこまで進歩したかは分かりませんが、寺岡平右衛門という役もあってか、今にして思えばここが節目だったかという舞台でした。

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海老蔵も新幸四郎もまだ小さく見える? 二月歌舞伎

2018-02-06 | 歌舞伎つぶやき
先月に続き襲名披露の歌舞伎座二月歌舞伎です。

襲名披露とは別だが海老蔵の『暫』。
声がお父上の團十郎に似ていて(というか似てきて)、教えられたようにやっているといった感じでした。
それと見栄えはいいが登場人物の多いこの芝居、全体に埋もれているというところもありました。

そして新幸四郎の『熊谷陣屋』。
定規ではかったようにスキのない舞台の新幸四郎でここでもうまく合わせていましたが、雀右衛門や魁春、菊五郎らに比べやはりまだ小さい感じ。
どうしても吉右衛門の熊谷と比べてしまいます。

最後に、白鷗の由良之助の忠臣蔵『一力茶屋』。
白鷗はちょっと単調な気もするがさすがです。
出色は寺岡平右衛門の仁左衛門とお軽の玉三郎。
特に仁左衛門が全体を引き締めていました。

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とにかく話題は獅童復帰…新橋演舞場『初春歌舞伎』

2018-01-23 | 歌舞伎つぶやき
今月の新橋演舞場『初春歌舞伎』です。
写真にしにくい劇場ですが、昭和レトロなラウンジの写真を貼っておきます。

それはさておきタイトルのようにとにかく話題は獅童復帰でした。
それが際立ったのが『天竺徳兵衛韓噺』と『日本むかし話』。
特に『日本むかし話』は獅童・海老蔵のコンビもおもしろく児太郎・右團次も引き立てていて楽しめる舞台でした。

ただ脚本の出来が悪い。
歌舞伎を観慣れている人ならそういうものとして役者衆を楽しめたでしょうけれど、歌舞伎以外の演劇とかに詳しい人には「何これ?」かも。
少なくともこのままでの再演はやめた方がいいよ。

それと獅童ですが、また一回り大きくなった感じですが『天竺徳兵衛韓噺』で声が少し荒れているのは気になりました。

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『勧進帳』はスキないがもう少し…歌舞伎座『白鸚・幸四郎・染五郎襲名披露』

2018-01-17 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の初春歌舞伎、白鸚・幸四郎・染五郎襲名披露です。

まず「白鸚」の字がネットでは分かりにくいかもしれませんがゴメンナサイです。

一番のご注目は新幸四郎の『勧進帳』でしょうからこれから。
従来のどの役者とも違う『勧進帳』でした。
かなり用意周到を感じさせるスキのない舞台でしたが、強いて言えば重い。
それで歌舞伎というより能みたいなところもあり、も少しメリハリ・スピード感があってもよかったかも。
それと吉右衛門の富樫はさすがでこういう役もうまくこなし全体を締めていました。

『車引』では新幸四郎の松王丸を、勘九郎・七之助が引き立てていました。
『寺子屋』ですがこちらの松王丸は新白鸚ですがやや単調で、この芝居はなぜか実によく上演されますから余計に気になるところ。

あと襲名関連以外では『角力場』の芝翫・愛之助が好配役で、愛之助は『勧進帳』でも成長ぶりを見せていました。

それと今月は『寺子屋』の猿之助復帰も話題ですがこちらはまた別の機会に。

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例年より地味だが好演…国立劇場初春歌舞伎『世界花小栗判官』

2018-01-14 | 歌舞伎つぶやき
国立劇場初春歌舞伎、尾上菊五郎劇団の『世界花小栗判官』です。

例年、凝った舞台でおなじみですが今年は割合地味でこじんまりとした感じでした。
去年がかなり派手だったから余計そう感じたのかもしれません。
さてまた今月は歌舞伎座の白鷗・幸四郎・染五郎襲名に、新橋演舞場の獅童復帰とか目白押しだったのもあるかも。

役者衆もそれに応じてというのでもないですが、全体、まとまりがよく配役も成功していました。
菊五郎と菊之助もさらりとやって無理を感じさせませんでした。
適役でうまくやっていたのは松緑で、女形は時蔵もよかったが照手姫の尾上右近も好演でした。

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初詣は歌舞伎稲荷大明神?

2018-01-01 | 歌舞伎つぶやき
この写真、歌舞伎座の稲荷の祠であります。

銀座は稲荷が多いが特にここは参拝の人が大抵いて写真を撮りにくい。
それが運よくいなかったのでこの写真となったのでした。

それにしても社寺の撮影、本殿内陣の奥まで撮影するのは良くないのは重々承知しています。
しかしここは引けば歩道車道でご通行の人たちも写り込み。

その辺の事情、ご理解のほどを…。

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愛之助・中車に玉三郎で好演…歌舞伎座『十二月大歌舞伎』

2017-12-19 | 歌舞伎つぶやき
今月の歌舞伎座の『十二月大歌舞伎』です。

書くのが少し遅くなったが、まあこちらにも色々と都合がある。
第一部の『実盛物語』ですが愛之助の実盛、時代物の大役を及第点というところでした。
段取り芝居になっている部分もありましたが器用と言えるでしょう。
芝翫もウカウカしてはいられぬぞ。

第二部の『らくだ』はもとの落語の話が完成しているので誰がやってもあまり変わらないと変なところに感心。
続く『蘭平物狂』も刃物を見ると狂乱する蘭平は今風に言えばPTSDかななどとまた無関係なことを思ったりしました。
それはさておき蘭平の松緑、全体、好演でした。
先月の国立劇場の松緑はちょっと…と書きましたがこういうのは適役では。

第三部の『瞼の母』は忠太郎の中車がよかった。
二部の久六もそうですが中車、なかなか使い勝手のいい役者です。
それと玉三郎が世話物新歌舞伎をやると美し過ぎて今一つのこともありますが、『瞼の母』の水熊のおはまは抑えて味があってよかった。

触れなかった演目もありますがそちらはそのうちというか、そのうち書くのを忘れるかも…。

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国立劇場で酒が飲めない…

2017-12-10 | 歌舞伎つぶやき
国立劇場の歌舞伎ですが、歌舞伎座などと違いご存じのように幕間、場内では酒が飲めません。

幕間の飲食はOKですがこれまたなぜかロビーで食べる人の方が多い。
もち込みすら禁止の馬鹿劇場があるそうですから、それに比べればはるかにマシですがそこらの田舎の市民何とかホールに近い分、残念です。

舞台で演じられるのは芸術だから飲酒飲食などとんでもないという大時代的インテリ思考にやられたのでしょうか。
芸術と称してやたらとありがたがるのはせいぜい大正デモクラシーから戦後高度成長期あたりまでの知識人の迷信に過ぎません。

芸術も芸能の区別も、極論すれば舞台と客席の区別もないくらいに思った方がいいのでは?

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既に伝説? 歌舞伎座リニューアル公演

2017-11-29 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の新装開場リニューアルこけら落とし公演です。

平成25年の公演からはや4年の月日ですが既に伝説として語られるようになりました。

理由はほぼ半世紀ぶりのリニューアルや、豪華顔ぶれ豪華演目名場面が1年続いた公演や、三津五郎さんの死とか色々あるでしょう。
ただあのときを超える熱気は再来せず、リニューアルを機に歌舞伎座というか歌舞伎の空気も変わったのは確かでは。

そこで当ブログではこのこけら落とし公演の印象に残った舞台をあらためて取り上げようかと思いますが、どうせ忘れてやらずになるかも?

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密度のある舞台でした…11月歌舞伎座昼の部

2017-11-14 | 歌舞伎つぶやき
今月11月の歌舞伎座『吉例顔見世大歌舞伎』です。
とりあえず昼の部から。

『鯉つかみ』は染五郎ラスベガス公演でおなじみになりましたがこちらはオリジナル。
歌舞伎がある程度分かっている人にはこちらの方が歌舞伎的でおもしろいでしょう。
志賀之助の染五郎と小桜姫の児太郎ですがそこを心得てかうまくやっていました。

『奥州安達原』は竹本の重厚な時代物。
袖萩の雀右衛門はよかったが貞任の吉右衛門が今一つというところ。
それでも全体、重厚な筋が伝わってくる密度の濃い舞台で、あと宗任の又五郎がうまく、東蔵・錦之助・歌六も光っていました。

昼の部の最後は『直侍』。
名作の割には最近上演が少なく、自分も比較のようなことは言えません。
ただ直次郎の菊五郎が適役でうまいのは間違いなし、お歳ですが例の声も衰えを見せずというところでした。

それで今月の昼の部、ネットショッピングみたいな評価をするなら☆☆☆☆★でしょうか。

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どうも今一つ…国立劇場11月歌舞伎『坂崎出羽守』『沓掛時次郎』

2017-11-12 | 歌舞伎つぶやき
国立劇場、11月歌舞伎公演です。

『坂崎出羽守』ですが左團次・梅玉・亀蔵・梅枝はいいのですが肝心の出羽守の松緑が今一つ。
というのも山本有三の作の芝居ですが、スピード感はあるが後半の話の組み方が弱くこれでは役者が頑張っても見せ場が…という感じで、松緑が熱演しても芝居に力をもたせるのは難しいというところでした。

その点『沓掛時次郎』は長谷川伸の新歌舞伎の名作です。
それが今度は松緑・亀蔵・楽善ら脇役はいいが時次郎の梅玉がおとなし過ぎメリハリも一つ。
なかなかうまくいかないものですな。
股旅任侠物ですから主役の時次郎、もっととがって危ない役者だったら違っていたかも…でした。

ネットショッピングみたいな評価をするなら、☆☆★★★というところでしょうか。

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各地の昔風芝居小屋と歌舞伎座の「空気感」

2017-10-31 | 歌舞伎つぶやき
琴平の金丸座や永楽館など各地方に昔風芝居小屋が復活され歌舞伎もやっていますが、どうも行く気がしません。

歌舞伎の地方巡業の雰囲気などからして、歌舞伎座や国立劇場のような空気感がなさそうだからです。
それをわざわざ出かけて芝居を観ても…。

各地の伝統芝居小屋の復興に心血を注いでいる方々にはまことに申し訳ないですが、そのあたりが分かっていないと、いくら頑張ってもただのレトロな箱モノ復元に終わるかも?

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