多摩川雑学事典 by元林徹(文と写真)

名前の通り多摩川の話題ブログ。それとなぜか保守の立場から政治・社会も取り上げますのでこちらもどうぞ!

密度のある舞台でした…歌舞伎座五月大歌舞伎

2019-05-12 | 歌舞伎つぶやき
團菊祭五月大歌舞伎、夜の部です。

『鶴寿千歳』は令和の時代の始まりを奉祝するにふさわしい格調高い踊りでした。

『絵本牛若丸』は七代目尾上丑之助の初舞台のお披露目。
単に豪華顔ぶれが勢ぞろいだけでなく舞台としても簡潔にまとめていました。

菊之助の『京鹿子娘道成寺』は周到な準備をうかがわせる舞台でしたが、最近の道成寺、恋物語から踊りとしての完成度にシフトしているような気もするがサテどうか。

『御所五郎蔵』は五郎蔵の松也と梅枝・右近の若手が頑張っていました。
しかし土右衛門の彦三郎がうまく、やはり差が気になるところ。

あと、昼の部は別の機会に…。

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歌舞伎も「代替わり」を迎えている…

2019-02-27 | 歌舞伎つぶやき
今月の歌舞伎座で吉右衛門と仁左衛門が目を引いた由、この前書きました。
無論ご両人、この先も活躍すると思いますが何分お歳で、歌舞伎も「代替わり」に差しかかっているのでは?

そして気になるのはその先。
吉右衛門や仁左衛門、それに玉三郎のような現代の大看板のクローンのような役者があらわれるかと言えばどうもそうは思えない。

海老蔵か獅童か、どのあたりかは分かりませんが今までになかったスタイルが出現する可能性の方が大きい気もしますがサテどうなるか?

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吉右衛門『熊谷陣屋』、仁左衛門『名月八幡祭』で決まり…「二月大歌舞伎」夜の部

2019-02-19 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座「二月大歌舞伎」夜の部です。

まず吉右衛門の『熊谷陣屋』。
吉右衛門にしてはサラッとした感じでしたがむしろそこが良かった。
あと雀右衛門・菊之助・歌六・魁春もよくこの狂言の模範的舞台でしょう。

『名月八幡祭』ですが新歌舞伎世話物で玉三郎の美代吉は美し過ぎて今一つ。
ほかは松緑の新助みたいに全体がおとなしい役者衆ですがその中で仁左衛門の三次は光っていた。
この人、同年代の高齢大物役者衆の中では一番長持ちするかも?

それにしても例年、二月歌舞伎は見ものが多いのでは?

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粒はそろっているが密度が…『すし屋』、歌舞伎座二月歌舞伎昼の部

2019-02-13 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座二月歌舞伎の昼の部です。

『すし屋』ですが、梅枝や新悟が頑張っていました。
権太の松緑と維盛の菊之助も悪くない。
ただ一人一人はさておき、全体をまとめると舞台の密度が薄くすき間が空いているみたいな感じもしました。

『暗闇の丑松』は菊五郎が適役好演で他の役者衆もそれに息が合っていました。
しかし次の時代、菊五郎に続く丑松役はとなるとこの先ちょっと心配。

『団子売』は芝翫ですが芝翫、『すし屋』の梶原景時みたいな役も向いています。

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祝🎉 海老蔵さんが市川團十郎を襲名

2019-01-14 | 歌舞伎つぶやき
海老蔵君が市川團十郎を襲名することになったそうです。
オリンピックまでには襲名とうわさされ、特に最近の海老蔵クン、様子が変わって厳粛になっていたから果たして襲名発表となりました。

ところで保守の人、こうした伝統芸能の世界にはあまり関心がないかもしれませんがこれを機に関心をもっては?
確かに日本の伝統も含めすべての戦いは政治に集約されますが、政治の外にも伝統的日本は広がっています。
それと伝統だからとつい安心して無関心でいれば大相撲のようにゆがんだ国際化をしてしまいます。

ということで早速歌舞伎をご覧になっては?

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海老蔵『俊寛』の「芯」が育てば…新橋演舞場「初春歌舞伎」夜の部

2019-01-05 | 歌舞伎つぶやき
ご存知海老蔵、新橋演舞場「初春歌舞伎」夜の部です。

『鳴神』ですが右團次の鳴神上人はせりふのメリハリも甘く段取り芝居になっていて今一つ。
『牡丹花十一代』は堀越勧玄・麗禾ちゃん、年齢の割には長いせりふもあるのによくできました。

次は海老蔵君の『俊寛』
まだ焦点が定まらず芝居の芯が見えてこないとも言えますが、それでもご高齢役者のくどいのとは違う。
仲代達矢の歌舞伎版みたいな俊寛はこれからどう煮詰まって芝居の芯を育てていくのか、期待です。

最後に『鏡獅子』。
前半の弥生の踊りは硬い所もあったが獅子はさすがでした。

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やはり玉三郎の「阿古屋」?…歌舞伎座十二月大歌舞伎

2018-12-27 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の十二月歌舞伎夜の部ですが、目玉はやはり玉三郎の「阿古屋」では。

もとは長い狂言でドラマや悲劇もあるのでしょうけれど、この幕だけの上演となるとどうしても焦点は玉三郎に。

特に後半の胡弓の存在感が大きく、この先、今回の舞台の詳細は忘れてもこの場面は最後まで記憶に残るのでは。

ということで完全に玉三郎の世界となっていたのでした。

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「いい意味で雑」な猿之助が好演…十一月歌舞伎座『法界坊』

2018-11-12 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の十一月公演ですが、猿之助の『法界坊』に絞って書きます。
法界坊役が猿之助だったのが成功。
これが新幸四郎とかだったら果たしてどんな展開? でした。

ワイルドというか猿之助がいい意味で雑なのがいい方向に効いて好演。
それでというのも変ですが隼人の要助、尾上右近のおくみ、甚三の歌六も適役・引き立て役としてうまく回っていました。

『法界坊』は最近観ませんでしたが、猿之助の法界坊、工夫を重ねてこれからも再演して磨いては?

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話題は玉三郎の『幽玄』ですが…『秀山祭九月大歌舞伎』夜の部

2018-09-04 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の『秀山祭九月大歌舞伎』夜の部です。

幸四郎の「操り三番叟」は以前のは固くていかにも操り人形の踊りでしたが、今回はおもしろ味が出ていたかも。
『俊寛』ですが、吉右衛門は少しくどかったが、特に又五郎・歌六とまわりがよかった印象。

玉三郎と太鼓の鼓童の新作歌舞伎舞踊の『幽玄』。
これが一番の話題でしょう。

『羽衣』は能に比べ囃子が雑でした。
玉三郎の天女はよかったですが、美し過ぎるというか面がないのもあってか天人五衰みたいな能の微妙な影の部分が吹っ飛んでいたのでは。

『石橋』は歌舞伎の『鏡獅子』にはない能の簡潔さが出せていたと思います。
『道成寺』は何で太鼓なの? という感じでした。

ということで、色々と突っ込みたいところはありましたが、『幽玄』のような踊り、これからドンドンやっていいのでは?

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進歩はしているようだが…歌舞伎座八月歌舞伎の幸四郎

2018-08-14 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の八月歌舞伎です。

二部の『東海道中膝栗毛』ですが、あまりおもしろくなかったぞ。
このシリーズ、そろそろ見直した方がいいんじゃない?

三部の『盟三五大切』ですが、歌舞伎らしい歌舞伎です。
幸四郎の源五兵衛・獅童の三五郎・七之助の小万ですが、幸四郎、以前に比べこうした役もできるようになったのは進歩。
獅童は適役で七之助もうまく合わせていました。

ただそうはいってもまだ成長の余地があり、成長すればもっと重厚な芝居になるのでは…とも感じられて、これから先、サテどうなるか?

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海老蔵の声のことだが…歌舞伎座七月大歌舞伎

2018-07-28 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の七月大歌舞伎、『出世太閤記』です。

海老蔵の秀吉と獅童の光秀はコラボにますます磨きがかかり、左團次・児太郎・雀右衛門らも好演でした。

と、社交辞令みたいなのはさておき、気になったのは海老蔵君の声。
ますます父上の團十郎に似てきた気がします。

しかし父上殿の声と言えば評価は今一つ。
いやいやそれが個性との反論あるかもしれませんが、今の声の名優と言えば菊之助や彦三郎となるでしょう。

それにしても海老蔵君の声、発声の訓練の結果そうなったのか、それとも遺伝なのか?
團十郎の声というと、古い白黒録画に残っている十一代目みたいなのが復活して欲しいのですが…。

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今一つ…歌舞伎座六月昼の部

2018-06-24 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の「六月大歌舞伎」の昼の部です。

『妹背山婦女庭訓』の「三笠山」ですが、松也や新悟の若手が光っていました。
それを松緑や彦三郎のような中堅どころが固めていて配役も成功。
ただお三輪のなぶりの場面がくどく、この辺一工夫欲しいと言ったところ。

踊りの『文屋』の菊之助は日舞というより芝居が前に出た踊りでしたね。
昼の部の最後は『野晒悟助』です。
菊五郎や左團次のような大ベテランがソツなく…と言いたいところですが、ちょっと元気がなくメリハリがない感じでした。

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注目の『夏祭浪花鑑』ですが…歌舞伎座六月夜の部

2018-06-21 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座の六月大歌舞伎、夜の部です。

『夏祭浪花鑑』ですが、先月の『雷神』と並んでストーリーが大変ややこしい。
ただややこし過ぎて話についていけなくても、舞台にメリハリがありスピード感があれば観ていておもしろいのですがそこが今一つ。

うまくいけば大坂の夏祭の空気ももっと出ていたことでしょう。
吉右衛門がそつなくこなしていましたが、歌六の三婦も光っていました。

『巷談宵宮雨』は四谷怪談を一回りスケールを小さくしたような芝居です。
一回り小さい分だけ軽くなりますが、そこを松緑と芝翫がうまくやっていた。
特に芝翫はこうした世話物の小悪党役に向いているのでは?

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海老蔵スタイルを磨いているところ? 歌舞伎座『團菊祭五月歌舞伎』「雷神不動北山櫻」

2018-05-22 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座『團菊祭五月歌舞伎』、昼の部の『雷神不動北山櫻』です。

豪華な顔ぶれとか若手の活躍というより、海老蔵カラーが出ている舞台でした。
以前、玉三郎の雲の絶間姫と海老蔵でやったことがありましたが、今回の姫は菊之助で、菊之助が控え目なものあってか、一段と海老蔵色になっていたという次第。

その海老蔵色の中身ですが今のところ、先代の父上と海老蔵クンを足して二で割ったような感じです。
半端と言えば半端で自身の芸を確立していく途上というところでしょうか。

それとストーリーの複雑なことで知られるこの芝居ですが、無理して頭に入れようとするよりストーリーはないものとして観た方が気楽に楽しめるかも?

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父に似ていた海老蔵…歌舞伎座『團菊祭五月歌舞伎』

2018-05-15 | 歌舞伎つぶやき
歌舞伎座『團菊祭五月歌舞伎』ですが、とりあえず夜の部です。

『弁天娘女男白浪』ですが、お歳ながら菊五郎のこなれた舞台でした。
気になるのは日本駄右衛門の海老蔵です。
お父上に似てきたようでもあり、例の海老蔵スタイルであるようでもあり、この先、どうなるのでしょうか?

『鬼一法眼三略巻』ですがあまり観たことないのでよく分かりません。
ただ松緑・児太郎・亀蔵・時蔵の配役はうまくいっていたようです。

最後の『喜撰』ですが、この踊りと言えば亡くなった三津五郎を思い出します。
そして比べると菊之助、少し硬い気もしましたが三津五郎のイメージがしみついているからそう感じたのかも。

『昼の部』ですがこちらは別の機会に。

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