blogギター小僧の径

ギター小僧の私生活

笑う女。笑われる男6

2005年11月25日 | レビュー
忙しい一日だ。毎日出版文化賞の後、両国で山下ともちが出てる出演する BIGFACEプロデュース『笑う女。笑われる男6──ラストソングは、私と・・・』を会社関係6人観に行った。

ともちには悪いが、今回のは駄作としかいいようがない。出演者は前回とあまり変わらず、実力者揃いだったが、脚本が最悪だった。終わり方も中途半端で、感想を述べようもない。

終わって、ともちに挨拶して、みんなで呑みに行った。申し訳ない、という感じ。

第59回毎日出版文化賞

2005年11月25日 | 仕事
第59回毎日出版文化賞の贈呈式に行って来た。場所は赤坂プリンス。ぼくにとって思い出の場所だ。その意味は割愛。

<文学・芸術部門>半島を出よ 上・下 村上龍・著 幻冬舎
<人文・社会部門>評伝北一輝全5巻 松本健一・著 岩波書店
<自然科学部門>環境リスク学 中西準子・著 日本評論社
<企画部門>形の科学百科事典 形の科学会・編 朝倉書店
<特別賞>国家の罠 佐藤優・著 新潮社


赤坂見附のサ店で、うちの著者K氏と打ち合わせ。雑誌企画。どうなるか。

15:30からの式に、K氏とともに参列。式次第は以下。

主催者の挨拶(毎日新聞社北村正任社長)
選考委員代表からの選評(辻井 喬)
各賞贈呈<出版文化賞><特別賞><DNP賞>
受賞著編者挨拶
受賞出版社代表挨拶(岩波書店山口昭男社長)
受賞者写真記念撮影


今回、村上龍に会うのが目的なのだが、K氏曰く、村上龍はネクタイ嫌いだし、出版のパーティだからノーネクタイでオッケーだよ、とのことだったので、いつものような汚い格好で行った。しかし現れた村上龍自身がネクタイ姿。回りのいかにも編集者風情の人間も正装している。会場内でK氏とぼくはかなり浮いていたと思う。K氏に「斉藤君がいてくれてよかった」と言われてしまう始末。

村上龍の挨拶は、幻冬舎の社長と常務を見上君、石原君と呼び、彼ら編集者の力なくしては完成できなかったと語り、いかにこの作品が大変だったかを話した。エッセイ等で載っている内容だった。ぼくは、出てすぐに読んだ。感想は読書日記の方を見て欲しい。

皆、挨拶が面白かったのだが、一番よかったのは、鈴木宗男に関する一連の「疑惑」で、「外務省のラスプーチン」と言われ、遂に逮捕された佐藤優の挨拶だ。彼の人生が変わったのは「ソ連の崩壊」だったという。右も左もない世界を目指すとする彼は『正論』(産経新聞社)と『世界』(岩波書店)に連載を持っているのだという。場内大爆笑。さらには『週刊金曜日』(金曜日)に連載を持っていて、今後は、『SAPIO』(小学館)の連載を仕掛けようとしているところだという。

場内に入って来たときから、挙動不審で、目に力が入ってて、かなりのデブで、変人だなと感じていたが、なかなか面白そうな人間だ。ぜひ『国家の罠』を読んでみたいと思う。

受賞者の挨拶を聞いていて、編集者の必要性を感じているというか、感謝している感じがした。そう思ってもらえるのは編集者冥利に尽きる。

終わった後のレセプションにも出た。夜に舞台を観に行く予定があったので、ビールを呑まずウーロン茶にした。

K氏に幻冬舎の常務石原氏を紹介してもらった。名刺交換をして、ウチと共通の著者の悪口を話したのだが、そこをテレビ局のカメラに音声とともに撮られてしまった。流れたのを観られたらマズい!

続いて、またしてもK氏の紹介で村上龍に挨拶することができた。まあ、名刺を渡しただけだが。ぼくは過去、片手ででしか渡したことがないが、今回初めて両手で名刺を渡した。かなり緊張した。

事情があって詳しくは書けないがK氏は『半島を出よ』の陰の立役者なのだ。その関係で村上龍企画を考えている。これが成就すれば、うちの会社は必ず復活する。今は村上龍ばかりを貪り読んでいる。

そうこうしているうちに、会場に鈴木宗男が来た。佐藤優の祝いに来たらしい。下の写真がそうで、テレビのまま。左が佐藤優。ちなみに右の長身の男がかの有名な新潮社を傾かせた佐藤隆信社長だ。

著者連中の挨拶では必ず、「編集者」の言葉が出てくる。岩波書店の山口昭男社長も言っていたが、文壇も論壇もない時代の編集者は大変だ。ネットを使って、一度も著者と会わずに書籍が出来ることもある。

しかし、著者と編集者が膝を突き合わせて、やはり作るべきなんだろう。うちの会社のような出版内容だと、ホント、ネットだけで出来ちゃう。そういう作り方をしたことがないので、今回考えている企画にはちょっと緊張する。

今日、行けてよかった。出版文化の重鎮達の発言を聞いてて、出版も捨てたもんじゃないなと感じた。就職先に出版を選んで、よかったと社会人になって初めて思った。