blogギター小僧の径

ギター小僧の私生活

六本木ヒルズ

2003年12月01日 | 想い
出版社に勤務していると印刷会社とのお付き合いがいっぱいある。印刷会社といってもいろいろあって、凸版や大日本といったスーパー企業もあれば、おじさん一人でしこしこやっている会社もある。最初に勤めた会社ではなかったが、今の会社はそういったおじさん一人でやってる「印刷屋さん」との関係が結構ある。

神田神保町で軽オフという印刷をしていたおじさんが再入院ということでお見舞いに上司と伺った。1年前に癌で入院、退院後も仕事をお願いしていたが、やはり前のような機動力はなかった。先週も来てもらうように電話したが翌日も次の日も来社がなく、不審に思っていたら、仲間内の方がいらっしゃって、再入院されたと報告を受けた。その人が金曜日に面会に行ったら会話できたとのことだったので、今日面会に行った。病院は広尾にある日赤医療センターである。

てっきり話せると思っていたのだが、週末の間に「緩和ケア」という病室に移っていて、全く会話できない状態だった。この病室はもう治療する術のない患者が入院する部屋らしい。薬の臭いも治療器具もなにもないホテルのような綺麗な病棟だ。痛みをモルヒネで和らげるしかない状態だった。この人は女性に持てる人で結婚も何回かしている。最初の奥さんとの間の娘さんがいて、ご挨拶した。彼女がモルヒネで意識のないおじさんにぼくらの来院を告げるとかすかに腕が動いた。ショックで言葉にならなかった。しばらくすると奥さんがいらっしゃって、話が出来た。奥さんとも何度も会っているが、さすがにやつれていた。ずっと上司が対応していたが、病院に入ってからずっとぼくは話せないくらいショックを受けていた。

奥さんに頑張ってくださいと挨拶した後、六本木ヒルズに行った。恐ろしく近代的だった。まるで田舎者のようにデジカメを撮りまくり、ビルの中を迷子になった。蕎麦屋で食事して帰った。駅に着いたら現実に返ったように感じられた。そういう街だ。

その後、ザ・ラザラのライブに新大久保まで行った。ライブバー大久保水族館という所。ロック色が強かったが、ベーシストの脱退を期にアコースティック路線に移ったようだ。カホンとアコギ2本という編成。プロを目指している彼らだが、もう少し歌詞に気を使った方がいいと思う。またリードのソロも入れないと聴いている方も飽きてしまう。

日吉のNap(ナップ)というライブハウスで月一で出演しているという御室悠一君というなかなか個性的青年も単独で出演。大人になることに厭世的で悲観している。しかし信じ合う愛あれば────、という方向性をギターで語る。すごく二枚目なのだが、こんな思想の持ち主だと女に持てないだろうな、と推測する。また、バンドではなく一人でやらざるを得ないのも、彼の思想故だろう。