blogギター小僧の径

ギター小僧の私生活

葬式

2003年12月06日 | 想い
5日の金曜日、会社の上司のお父さんが亡くなったので、宇都宮まで行ってきた。9月にお邪魔しているのだが、お父さんにはお会いできなかった。享年87歳。パジェロに7人乗っけて東北道を下った。約1時間半でたどり着いた。上司は月曜日の夕方、宇都宮から帰ってきて火曜日は会社に出ようと思っていたらしいのだが、夜中に呼び出しがかかり、タクシーで宇都宮まで行ったという。料金53,000円に7,000円をチップに渡したらしい。

上司は施主という立場で式をしきっておりやや疲れていた。お清めの席で随分と文学的なことを言い、最後「献杯」と言うべきところを「乾杯」とわざとかもしれないが、言い放った。ぼくはその真意が掴めず「うぁんぱーいぃ」というような感じで応えた。帰りは香典返しが多かったので、一度会社に戻った。するとその上司の担当した本に間違いがあり、その後始末をして帰った。

人の死というのは重なるもんだろうか? 月曜日にお見舞いに行った印刷屋のおじさんが、翌日の火曜日に亡くなった。享年69歳。6日の土曜日、新宿区上落合の葬儀所に行く。彼の一生は、昭和ヒトケタといわれた世代に相応しく真面目な職人人生だった(と思う)。東京に生まれ、染物屋や町工場で丁稚をしながら戦後復興の東京の街を颯爽と走り抜けて行った。のちに印刷を始め、その人柄のため多くの仲間がその仕事を支えてくれた。彼の人生の後半にぼくは関わったわけだが、随分と可愛がってもらった。主に会社の伝票類や本に投げ込む売上カードをお願いしていた。50CCのバイクで原稿を取りに来てくれ、またバイクで納品にも来てくれる。最初の奥さんとの間の娘さんが二十数年振りに訪ねてくれたとしみじに話してくれたこともある。

二人の顔を拝顔したが、どちらも苦しんだような顔ではなく安らかな顔だった。戦後の日本を生き、支えてくれた二人に合掌────。