一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

ダレガプロ?

2008-08-17 | あきなひ

ウチはアーバンコーポレーションとは違いますよ、という面白いリリースが一部で話題になっているようです。

株式会社アルデプロ(8925:マザーズ)
当社の無担保転換社債型新株予約権付社債に関するお知らせ
(平成20年8月14日)

当社は、第2回CBおよび平成19年8月28日にGSTK4を引受先として発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債について、ゴールドマン・サックスおよびGSTK4を含むゴールドマン・サックスの関連会社との間で、当該各社債要項に記載される条件を変更することとなり得るスワップ契約および当社の買戻義務を定めたその他いかなる契約等も締結しておりませんので、お知らせいたします。

ちなみにアルデプロ社の株価の推移はこんな感じです。


風評被害に巻き込まれたくない、というリリースだとは思うのですが、こう書かれると(第三者との三角スワップとか、社債要綱の条件を変更しない契約は結んでいるのか、という揚げ足取りはさておき)、ではこちらはどんな社債なんだろうという興味がわきます。

そこでアルデプロ社の
第三者割当により発行される転換社債型新株予約権付社債の募集に関するお知らせ
(平成20年8月6日) を見ると

第1回CBの発行以降、不動産業界を取り巻く環境は大幅に変化したものの、①サブプライムローン問題に端を発した不動産業界全体の混乱が一巡した後に、当社の不動産再活事業に対する中長期的な需要の高まりが期待できること、②当社の保有物件の将来的な売却により収益寄与が期待できること、についてゴールドマン・サックスの理解を得ることができたため、第1回CBの発行総額と同額の第2回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下、「第2回CB」といいます。)をGSTK4を引受先として発行し、第2 回CBと平成20年8月27日に償還期限を迎える第1回CBを相殺することを決定いたしました。

おいおい、昨年発行した社債の償還資金がないのでジャンプしてもらったんじゃないか・・・

2. 調達する資金の額および使途第2回CBの発行総額は10,002,720,000円であり、これを平成20年8月27日に償還期限を迎える第1回CB(総額10,002,720,000円)と同日に相殺いたします。このため、新たに調達する資金はありません。

と、アーバンコーポレーションとは違うといっても威張れる内容ではありません。

第1回の転換価額33,600円が今回は3,850円になり、潜在株式が297,700 株から2,598,100 株になったわけで、発行済株式数4,217,839株ですから全部転換されるとGSは38%の大株主になります。

ただEDINETを見ると、転換社債自体は株式分割又は株式無償割当て以外は転換価額の修正がないのでMSCBでもなく、利率も0、発行価格も額面100円につき金100円、転換価額も前日の終値と、このご時勢かなり有利になってます。

これは想像ですが、GSとしても昨年のCBの引受けの目論見がはずれたので、いま社債の償還ができずにデフォルトされるよりは1年つないで回復を待つか、資金繰りに詰まったら第三者割当てで子会社化してどこかの会社とM&Aさせる等で資金回収を図る、というシナリオなのではないでしょうか。

既に昨年の時点で社外取締役としてGSのMDを送り込んでいるようですし。(昨年10月の定時株主総会の招集通知参照。この人は三洋電機やイーモバイルの社外取締役にもなっているようです。)意に沿わないこと(民事再生とか)をしようものなら・・・というにらみを利かせているのではないかと思います。

アルデプロ社のHPによると、社名の由来はつぎのとおり。

ARDENT 『熱心な、熱烈な、火のような、燃えるような、熱い、輝く等・・・・』の意味。
 そのような火のように燃え、輝きつづけるプロ集団でありたいとの願いを込め、私たちは社名を『ARDEPRO』といたしました。

ぜひとも投資銀行のプロであるGSに食い物にされて燃え尽きることのないように会社経営のプロとしてもがんばってほしいものです。


コメント
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