goo blog サービス終了のお知らせ 

一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

公職選挙法も規制緩和が必要

2005-09-02 | まつりごと

amenboさんが、blogで候補者・政党についてコメントすることが選挙違反になる、という話がとりあげられていました。

これは、インターネットは公選法で頒布できる「文書図画」に認められていないためで、ホームページ(HP)などを使った選挙活動は違法になるそうです。

そこで 公職選挙法を改めて調べるとその辺は 「文書図画の頒布」として、次のように規定されています(142条から143条)。

そもそも選挙運動のために使用する文書図画は、通常葉書及びビラのほかは、頒布することができません(しかもビラは散布してはダメ)。

衆議院(小選挙区)選挙では、候補者一人について、通常葉書35,000枚、選挙管理委員会に届け出た二種類以内のビラ70,000枚(これは大きさまで規定されています。)
また、候補者届出政党は、その届け出た候補者の都道府県ごとに、届出候補者の数×20,000枚以内の通常葉書及び届出候補者数×40,000枚以内のビラ頒布(ただし1選挙区で40,000枚以内)。

衆議院(比例代表選出)選挙では、枚数制限はないですが中央選挙管理会に届け出た二種類以内のビラしか頒布することができません。

選挙運動のために使用する回覧板その他の文書図画又は看板(プラカードを含む)の類を多数の者に回覧させること」は、選挙カーに取り付けたり候補者が着用するもの意外は禁止されています。

マニフェストの配布も選挙事務所、演説会場、街頭演説場所に限定されています。

ポスターなどの掲示も

・ 選挙事務所を表示するために、その場所において
  使用するポスター、立札、
ちようちん及び看板の類
・ 選挙カーに取り付けて使用するポスター、立札、
  ちようちん及び看板の類
・ 公職の候補者が使用するたすき、胸章及び腕章の類
・ 演説会場においてその演説会の開催中使用する
  ポスター、立札、ちようちん及び看板の類

に限定され、
「アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為」は禁止されています。

 ブログやHPは認められた「文書図画」以外、または禁止された「回覧板」にあたるということだと思います。

そのほかにも

・ 衆議院(小選挙区)選挙では候補者1人あたり選挙カー
  (または船舶)1台+拡声器1セット。
・ それとは別に政党は都道府県別に候補者10名に1台+
  拡声器1セット(+演説会場にはもう1セット可)
・ 衆議院(比例代表選出)選挙では候補者5名に1台+
  拡声器1セット(+演説会場にはもう1セット可)
・ 選挙カーに乗れるのは、候補者、運転手1人のほかは
  4人までで選挙管理委員会の定める腕章を着用
・ 選挙カーでは停止した自動車の上で演説をすることと
  連呼行為
(ただし午前8時から午後8時までの間で学校
  や病院の周辺を避ける)をすること以外はできない。
・ 連呼行為は上の選挙カーと演説会場や街頭演説場所
  でしかできない。

などと事細かに決められています。

選挙運動のたびにみられる
「選挙カーの上でたすきがけの候補者が拡声器で叫ぶ」
「選挙カーの中から候補者名を連呼する」
といういまやアナクロともいえるスタイルは、公職選挙法が規定していたんですね。


もともとは、資金力とか組織力によって候補者に有利不利が生じないような公平な制度、「金のかからない選挙」を目指したのでしょうが、今では選挙運動が形式化し、ほしい情報が十分に伝わってこないように思います。


公職選挙法第1条では

「この法律は、日本国憲法 の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする。 」

と定めています。

今ではインターネットなどを通じて、資金力のない候補者も効率的に意見発表をすることができるのですから、
「公明、適正な選挙、民主政治の健全な発達」のためにも、そろそろ見直した方がいいと思います。


<選挙関係の他のエントリ>

選挙制度のおさらい

マスコミが「選挙劇場」になる制度(これは公職選挙法違反は大丈夫?改め)

選挙運動の規制と選挙について語ることの自由の区別

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする