小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

海岸清掃2021秋~イルカに始まりイルカに終わる恩返し

2021年10月27日 | 海洋プラスティック
■先日、いつも大変お世話になりまくっている母島の自然に恩返しできる機会がありました。
海岸清掃です。

今回、10/16、17と実施した環境省のマイクロプラスティック対策の事業での海岸清掃に参加しました。
島民ボランティアの皆さんも募って、みんなでワイワイと海を綺麗にしてきたのですが、
その始まりから終わりまで、イルカ三昧でした♡

僕たちの乗る船の数メートル先で見事なきりもみジャンプをするハシナガイルカ。

僕たちは勝手にプラスティックや色んなものを開発しては、
海のゴミとして深刻な問題にさせている張本人には間違いないのですが、
こうして作業の前後にイルカの楽しそうな様を見ていると、
なんだか勝手に祝福された気分になって来ます♡

本当にどうもありがとう☆



■僕が海洋プラスティック問題に本気で目を向けるきっかけになったのが、
2016年の東港におけるザトウクジラの定置網絡まり事件、
カモメの釣り糸絡まり壊死事件がきっかけです。

私たちの暮らしの影響で、
こんなにも野生動物が苦しんでいることを、文字通り目の当たりにしたことで、
ハッとさせられました。

それをきっかけに要所要所で僕も海岸清掃に参加したり、
自主的に清掃したりするようになりました。

今回はイベントとして、なかなか行けない無人島でもある平島と向島に行って、
みんなで海岸を綺麗にしよう!ということになりました。



■結論から言ってしまうと、
2日間でトン袋5個分のプラスティックゴミを回収することが出来ました。

参加したメンバーにとっても、
なかなか行けない無人島に行けたり、
みんなでワイワイ作業出来たり、
行きと帰りにイルカ三昧だったりで、
参加してとても楽しいイベントになって、とても良かったです♪

何をするにしても、まずは楽しいというのが大事な気がします。
そこから色々始まっていく気がします☆


まずはみんなで漁船に乗って母島の属島・向島を目指します。

沖港を出て、早速ハシナガイルカ、ミナミハンドウイルカが出現!!
みんな一気にテンションが上がります♡
イルカちゃんのこの無条件に人を惹きつける魅力は凄いです。

しかもどちらも僕がいつも普通にSUPで行動する圏内の赤ブイ周辺での出現です☆

イルカで満足したご一行は(笑)、一路向島へ向かいます。


向島は母島属島の中で一番母島に近い位置に位置する大き目の無人島です。
父島と全く同じ名前の「コペペ海岸」「小港海岸」があり、
今回は小港海岸を集中的に清掃することになりました。

漁船がそのまま海岸に接岸することはできないので、
漁船から小さな伝馬船に乗り換えて、海岸に上陸します。


人の住む気配のない海岸というだけで、
やはり独特の雰囲気があります。

船の上からは分かりづらかったですが、
島に上陸してみますと、
沢山のプラスティックゴミが目に入りました。

これらが自然を汚染していると思うと、
申し訳なさで胸がいっぱいになります。


特に厄介なのが漁網です。
ノコギリ鎌で切って搬出します。


十数人もいると、ほんとあっという間にみるみる海岸が綺麗になっていきます♪
この小さなか海岸一つを綺麗にすることが、
地球全体のプラごみにどれくらい作用するかは分かりませんが、
数億個に及ぶマイクロプラスティックを未然に防いだことにはなると思います。


みんなでリレー形式で伝馬船に載せます。
人が多いとこの作業が本当にはかどります。感謝!!


ゴミを運んだあとはしばし探索タイム☆
向島のコペペ海岸を背景にヨガのポーズ♪


泳いで漁船に戻るときはムロアジの群れが!!
人はこんな光景に勝手に感動します。
当たり前の自然な光景に感動しちゃいます。
だから、頑張れます☆

■2日目は隣の平島へ。
平島は日本で一番アオウミガメが産卵する場所です。

昨日の向島に比べてゴミは少なかったですが、
やはり気になるプラごみはもちろんありました。


これをこのまま放置すると、
波で砕けて回収不能のマイクロプラスティックになってしまうので、
とても意味のある回収だと思います。

参加したメンバーに学校の先生も複数いたのですが、
「子供たちにもこのことを伝えたい!」と思ってもらえたのがとても嬉しかったです♪
いずれ子供たちも連れて来て実施するイベントを企画していきたいと思っていますし、
学校の授業でももっと海ゴミの事を伝えていきたいと思いました。

2日目の平島は小学生も2名参加してくれて、
色んな発見を僕たちに教えてくれました。

以前、ガラパゴスの高校生が小笠原に来て交流し、
僕は南崎を案内したのですが、
海岸に着いたとたん、当たり前にゴミを拾っていて感動しました。

そして、彼らはそのゴミを全身の装飾に仕立て上げ、
帰りも歌って踊りながら山を歩いて行きました。
「どうしてこんなに鳥がいないんだい?」
という質問に、
「そんなに大声で騒いで山を歩いたら、いなくなるっしょ(笑)!」
とツッコんだのを思い出します(笑)。


平島の長~いビーチを、
そんな話をしながら綺麗にしていきます。


2日目の平島もばっちり海岸を綺麗にできました♪


■2日目の帰りは蓬莱根付近で沢山のハシナガイルカと過ごすことが出来ました♪

速く動く船の帆先が好きなハシナガですが、
今回はなかなかゆっくりと戯れてくれました♪

こんなイルカ三昧な海岸清掃は母島ならではな気がします。

楽しそうに過ごしたり、
人にも興味をもって近づいてきたり、
野生動物にこんなにも“楽しさ”を伝えてもらうという生き物はそんなにいないのでは?
と思ってしまいます。

4m以下の小型のハクジラを総称して「イルカ」と定義しているようですが、
まさにこのヒトに近いサイズの鯨類ならではのものかもしれませんね。


■上陸後は海ゴミをトン袋に詰め込みます。

手に負える規模だったのが良かったです。
ちゃんと海岸を綺麗にしたという達成感もありました♡

トン袋に詰め込んだゴミは
僕の職場の一つでもあるリレーセンターに持ち込みます。
小笠原ではきちんと海ゴミの予算を確保しているので、
無料で海ゴミを受け取ってもらえます。
これは本当に有難い部分だと思います。

僕も以前から小規模ですが、海ゴミをずっと持ち込んでいます。


人間の生み出した沢山のゴミが、
海のあらゆる生き物に影響を与えていると報道されるようになってきました。

コロナでオンライン交流が発達し、
様々な学ぶ機会が生まれています。

母島の島民にもぜひそんな機会を作っていきたいと考えています☆

今日の午後は台風20号(マーロウ)の接近ですが、
その時間にハワイと内地の海ゴミで活動している皆さんとオンラインで打ち合わせです。
どうか停電になりませんように!!

2年前の台風被害を忘れていないので、
しっかりと養生して備えていきたいと思います。





コメントを投稿