小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

ライヴで伝えたかったこと

2017年01月24日 | 音楽
■先日、大盛況に終わった母島冬の音楽会 あさりちゃんありがとうライヴ

企画そのものは母島を離れてしまうあさりちゃんに感謝を捧げる為に企画しました。
本当に多くの人が参加してくれて、
温かく盛り上げてくれて、
とても素晴らしい時間となりました。

僕は企画の他にあさりちゃんと2つのバンドで一緒になっていたので、
2バンド参加しました。
「母島ジャズバンド」と
「Giant Pine Shellz」です。

今回はヴォーカルとギターで参加したGiant Pine shellzについて書こうと思います。



■僕がライヴで訴えたかったことはひとつ。
「戦争と平和」についてでした。

後述しますが、本来は3月に島を離れる中学生に送りたいメッセージは何か?で考え、
2016年、硫黄島に行って痛烈に戦争と平和について感じ、考えました。

そして、2015年に見た「カンタ!ティモール」という映画を見て、
日本に平和にのほほんと暮らしていながらも、
知らずに戦争に加担している事を知り、衝撃を受けました。

今回はそれで感じたことを元に2曲選曲しました。

選んだのは「星降る島」と「イマジン」です。
※歌に関しては元々音痴なのでご了承ください(笑)。



■1曲目は映画「カンタ!ティモール」から一番印象に残った曲を使わせてもらいました。
映画では屈託のない子供がみんなで合唱しています。
しかし、内容はとても心に刺さるものでした。

監督の広田奈津子さんが語ります。
「僕らは過ちを犯す 大地はそれを理解する」
と直訳されるこの歌。

日本では映画の撮影と音楽を担当した小向定さんや
ソウルフラワーユニオン等がこの曲を日本語でカバーしています。

しかし、僕にはその日本語詞があまりに綺麗で美しく、
映画で僕が感じたものと少しニュアンスが違っていたので、
自分なりに勝手に意訳させてもらいました。
何度も何度も直して、
本番で歌いながらもニュアンスを変えながら歌詞を変えさせてもらいました。

ちょっと紹介したいと思います。

【星降る島】
作詞:中川敬/ヘルデール・アレキソ・ロペス/広田奈津子 
作曲:ヘルデール・アレキソ・ロペス

ヘイマルシーラ  ヘイウルシーラ
星降る島に 夜が明ける

小さきものを 言葉が誘う 大きなものを 追いかけさせる
踏み外すな きみの足は 大地とひとつ つながっている

ヘイマルシーラ ヘイウルシーラ
僕らは犯す 過ちを
ヘイマルシーラ ヘイウルシーラ
大地は見つめる 過ちを

土の記憶 唄は続く 眠る魂が見守る島
泣かないで 伝えていく 大地が笑う 過ちを

ヘイマルシーラ  ヘイウルシーラ
みんなの願い 大地と共に

小さい素足よ 大地に響け 太陽に海に幸(めぐみ)が満ちて
祈りの歌に 月が出逢う 果てしない 弧を描く

ヘイマルシーラ  ヘイウルシーラ
星降る島に 夜が明ける
ヘイマルシーラ  ヘイウルシーラ
みんなの願い 大地と共に



この曲はインドネシア占領下の東ティモールで、
映画の主人公でもあるアレックスが戦火の中に描いた曲だそうです。

何度も歌われるヘイマルシーラ ヘイウルシーラは、
ねえみんな ねえ大人たちという意味で、
色んな事を戒めてくれている曲と思っています。



■ライヴの時にも話したのですが、
東ティモールは2002年にインドネシアから独立した(国際法上はポルトガルから独立した)、
21世紀最初の独立国です。

インドネシアの占領は東ティモールの人々にあまりに酷いものだったようです。
家族の誰かは必ず殺されている状況。
弱き女性はレイプされ、
老人、子供、男性は“行方不明”にされます。
事実上の死亡です。

それでも東ティモールの人々は
27年間をかけて奇跡ともいえる独立を果たします。

どんなに家族や友人を殺されても、
復讐でなく、理解を求めたそうです。
インドネシアの兵士を捕まえては、
「自分が望むのは侵略ではない。独立だ。
復讐はしない。本当に大切な気持ちを理解してほしい」
と説得し、解放することをただただ続けたそうです。

それはとても困難の一言では表せない、
非情な道のりだったと思います。
そしてその背景には、インドネシア政府を資源欲しさに支援した日本が背景にあったそうです。

国際世論はインドネシア政府の非情な行いを抑圧しようと、
経済制裁を行いました。
しかし、その減額を補填するかのように、
日本は援助額を増やしたというのです。

結果、インドネシアはヨーロッパの経済制裁にはビクともせず、
強気を続けたということです。
その後、独立の世論が高まり、独立を決める国民投票につながります。

その国民投票自体も
非情に危険で、
独立に投票するものは殺される脅しを受けたそうです。
それまでに東ティモールの人々は20万人も殺されているのです。

しかし、東ティモールの決死の決意は固く、
98.6%の投票率で78.5%の独立支持を勝ち取り、
悲願の独立を果たします。

僕は映画を見て、を読み、
自分たちが知らない間に戦争に加担していたことを知りました。

僕はこの歌を通じて、
自分たちが生きる背景について、
表現したかったのです。

少しでも多くの人が東ティモールの悲劇を
他人事ではないと感じてもらえればと思います。

映画の予告編です↓


後日談として、
ある幼児が、毎日ずっと「ヘイ マルシ~ラ」と歌っているよ~、と言われた時は、
なんだか恥ずかしいけど、嬉しかったです☆


■イマジンについては、今さら語る必要がないほど有名なジョンレノンの平和ソングです。
僕は忌野清志郎が歌う日本度バージョンで歌いました。

彼が独自に意訳したシンプルな日本語に感動しました。
特に最後の「僕らは薄着で笑っちゃう」は、
きっと武器を持たないで、笑顔でみんな過ごす平和な世界を祈って付けた歌詞だと思っています。

この曲ではツナさんがとてもカッコいいハーモニカで参加してくれました。
はじめて練習で合わせたときは鳥肌が立ったほどです♪

あさりちゃんのピアノに合わせて、
とても素晴らしいイマジンになったと思います☆



■このバンド自体は、去年の春の段階で声をかけてはじめて、
途中からあさりちゃんに手伝ってもらい、
どういうわけか(笑)、そのまま形となったバンドです。

何から何まであさりちゃんに支えてもらって、形になりました(#^.^#)

何でも積極的に挑戦するドラムのシンタロウは2016年の春からドラムを始めました。
そのいつもどんなことにもアクティヴな姿勢にはいつも刺激を受けます♪


僕自身は初めてのバンドでのボーカルです。
基本、あだ名の通り超音痴なので、最初の音を外すともう全滅です(笑)。
歌もギターも技術はないに等しいので、
あとはスピリットで勝負です!

元々は3月の恒例ライヴ「船待ちライヴ」を目指して練習していました。
3月の船待ちライヴは
年度末に卒業して島を離れる子供、
離任する人たちに向けて贈る意味合いのあるライヴです。

選曲も自ずとそれ向けに準備していました。

今回は急きょあさりちゃんが3月でなく1月に島を引き揚げるということで、
ライヴの進行も考慮してこの2曲にしました。

どんな楽器でも見事に弾きこなすあさりちゃんに、本当に助けられました!
このバンドではピアノを弾いてくれています。

演奏後、長女が「おとうさん、すごくカッコよかったよ~♡」と声をかけてくれて嬉しかったです♪
次女は僕の声が大きく、途中から耳を塞いでいました(笑)。

なんやかんやでとても気持ちよく演奏できたので、
本当に良かったです。

歌うことで少しでも伝えたかったことが、
伝われば有難いなと思います。

そして、僕はこうした表現がしたかったのだな~と
おぼろげに見えてきました。
実現させてくれたメンバーにも感謝です☆

次回は3月のライヴで演奏するつもりですが、
あさりちゃんが不在の今、どうなるか未定です!
お楽しみに~