マーベル・コミックのもっとも知られたヴィランズのひとりに、ドクター・ドゥーム(Doctor Doom)こと、ヴィクター・フォン・ドゥーム(Victor von Doom)がいる。
マーベルのヒーローたちともっとも多く対決したこのヴィランについて、
Douglas Wolk, All of the Marvels: An Amazing Voyage into Marvel’s Universe and 27,000 Superhero Comics(2022)
に面白い描写があった。
今日のGetUpEnglishではその描写を紹介する。
Doom wants to rule the world, it subsequently becomes clear, because he believes the world would be better that way. (He may, in fact, be correct about that, or at least partly correct.*) In the stories Kirby drew, we most often see Doom in the business of consolidating his power, or plotting his revenge on Reed Richards, as he does here, rather than something more broadly nefarious. We are to understand that he’s a villain because he fights the Fantastic Four, and that the Fantastic Four are heroes because they fight him; his understanding is just the reverse.
ドゥームは世界支配を望んでおり、後にそれが明かされる。なぜなら、ドゥームはそれで世界がよくなると信じているからだ(実際ドゥームは正しいかもしれないし、正しいと思える部分も確かにある☆)。ジャック・カービーが描くストーリーにおいてわれわれが主に目にするのは、世界征服のような大それた悪事をはかるのではなく、『ファンタスティック・フォー アニュアル〈3〉』に見られるように、自分の力を増強したり、リード・リチャーズへの復讐をはたそうとしたりするドゥームの姿だ。これによってドクター・ドゥームはファンタスティック・フォーと戦うヴィランであり、ファンタスティック・フォーはこのヴィランと戦う正義のヒーローと読者に解されることになるが、ドゥームの認識とはこれとは対極にある。
*は以下の注がついていた。
*In the 1987 graphic novel Emperor Doom, he does indeed rule the world for a while, but
finds that the paperwork involved with the job is too tedious for him to bear.
1987年刊のグラフィックノベル『エンペラー・ドーム』で、ドゥームは一時的に世界を支配するが、そこで生じた文書処理作業が耐え難いほど退屈に感じる。
nefariousは「極悪非道な」。
以下のように使う。
○Practical Example
The villain's nefarious plan was to take over the world using a mind-control device.
「そのヴィランは心をコントロールする装置によって世界を支配するという邪悪な計画を立てた」