ベネディクト・アンダーソンの『比較の亡霊』(作品社)という大著に挑戦している。A5判で600頁もある本で、5800円もする。高い! 少しずつゆっくり読んでいるが、なかなか理解が及ばない。
『想像の共同体』(NTT出版)がアンダーソンの主著で、「ナショナリズムの起源と流行」という副題を持ち、今ではナショナリズム研究の”新古典”と呼ばれている。
『想像の共同体』は私のナショナリズムに対する迷妄を開いてくれた大切な本だ。いわゆる民族主義というものがそれほど古い起源を持つものではなく、近代になって生まれたものであること、それが新聞や出版物の発展によって、国民国家という”想像の共同体”の発生とともにあったことなどを論証した本だ。
日本のナショナリズムについて考えるときに『想像の共同体』は、ものすごく大きな示唆を与えてくれた。今でも感謝している。『比較の亡霊』はその延長上にある本だということで買った。むずかしい。ほとんど理解できないが、それでも”遠距離ナショナリズム”という概念はよく理解できた。
資本主義は民族の国際的な大移動をもたらしたが、そこにEXILE(故郷喪失者)の強烈なナショナリズムの生まれる土壌があるという。異国の地で暮らすEXILEたちが故郷に無責任なナショナリズムを送り込む。一見グローバリズムはナショナリズムと相反するものと思われるが、資本主義が必要としたグローバリズムこそがナショナリズムを強化する原動力となっているという論理だ。
世界の政治状況を考えるときに、アンダーソンの論点は必要不可欠なものだと思う。むずかしいのを我慢して少しずつ読み続けることにしたい。
『想像の共同体』(NTT出版)がアンダーソンの主著で、「ナショナリズムの起源と流行」という副題を持ち、今ではナショナリズム研究の”新古典”と呼ばれている。
『想像の共同体』は私のナショナリズムに対する迷妄を開いてくれた大切な本だ。いわゆる民族主義というものがそれほど古い起源を持つものではなく、近代になって生まれたものであること、それが新聞や出版物の発展によって、国民国家という”想像の共同体”の発生とともにあったことなどを論証した本だ。
日本のナショナリズムについて考えるときに『想像の共同体』は、ものすごく大きな示唆を与えてくれた。今でも感謝している。『比較の亡霊』はその延長上にある本だということで買った。むずかしい。ほとんど理解できないが、それでも”遠距離ナショナリズム”という概念はよく理解できた。
資本主義は民族の国際的な大移動をもたらしたが、そこにEXILE(故郷喪失者)の強烈なナショナリズムの生まれる土壌があるという。異国の地で暮らすEXILEたちが故郷に無責任なナショナリズムを送り込む。一見グローバリズムはナショナリズムと相反するものと思われるが、資本主義が必要としたグローバリズムこそがナショナリズムを強化する原動力となっているという論理だ。
世界の政治状況を考えるときに、アンダーソンの論点は必要不可欠なものだと思う。むずかしいのを我慢して少しずつ読み続けることにしたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます