玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

東京都民は何を選択するのか

2014年04月10日 | 日記
 泉田知事は「東京都は電力の大量消費で、東京電力に対する株主提案権も持っている。大いに議論してほしい」と言い、会田市長は「原発について大いに議論が交わされ、より理解が深まることは意義のあることではないか」と言った。
 いずれも二十三日告示、二月九日投開票の東京都知事選についての発言である。自民党は原発の問題は国の政策に関わることであり、都で決めることではないと、原発が争点化することへの警戒を見せている。しかし、事故を起こした福島原発の電気も、柏崎刈羽原発の電気も、全て首都圏で消費されてきたのであり、東京都で議論されることに何の不都合もない。
 自分たちが使う電気がどこで作られているのかも知らない、そのことを意識したこともない多くの都民がいる。そうした都民に原発事故被災者の苦しみや、柏崎刈羽住民の息苦しさについて思いを馳せてもらうことは、絶対に必要なことではないか。
 先の総選挙でも、参院選でも、なぜか原発は争点とはならずに終わった。これから日本のエネルギー政策をどうしていくかという問題は、最も大きな問題であるにも拘わらず……。しばらく国政選挙はないから、都知事選に期待しよう。
 東京都民が「原発の電気はいらない」と言うか、「もうしばらく原発の電気を使わせてくれ」と言うかは、今後の原発政策を左右する大きな指標となるだろう。議論できる期間が短くなっていることは残念だが、他の問題よりも最優先で議論を闘わせてほしい。

越後タイムス1月25日「週末点描」より)


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