昨日(9月22日)の日経文化面に、鉄道写真家の広田尚敬さんの原稿が載っていました。
最近、<ニコンFで撮った蒸気機関車の写真集「Fの時代」>の出版広告を見ていて、たぶん買うだろうな、と思っていたところだったのです。
*左;日経09年10月22日付文化面。右;こども向け<れっしゃ>広田尚敬著、1969年、フレーベル館発行、300円。中;広田尚敬さんの写真展で配られた豆本(1973年11月)。
1970年7月から北海道・札幌の大通り公園のすぐそばに、3年ほど住んでいました。 その頃生きていた人は、誰でも、大なり小なり、汽車、蒸気機関車に特別な思いを持っていました。
あの汽笛もそう、コレに乗れば遠くへいける、遠い旅への思いみたいなものです。SLマニアだとか、女の子の鉄道好きへの最近の呼び方<鉄子>だとか、そういったわざとらしくなくても、昔は、誰でも鉄道好き、汽車好きだったのです。
日本中を走っていた蒸気機関車が、ディーゼル機関車や電気機関車に取って代わられ、まさに最後の地、最北の北海道だけ、走っている状況だったのです。
そういう時、北海道に住んでいて、カメラ=ニコンFをもっていて、ずっと北海道内を旅していた私は、蒸気機関車を見るとシャッターを切っていたのです。
C62が好きでした。蒸気機関車も明治以来、だんだん大きくなってきて、その最後、最も大きかった蒸気機関車、C62型でした。私が札幌に住んでいた頃、C62は、函館=札幌間で、<急行ニセコ>ひっぱっていました。
それより、ずっと前、私が子どものころには、山陽本線を走っていました。私には遠くから眺める汽車という風景はありません。汽車なんか走っていない山の中に育ったのです。
山の中に暮らし1年に1度くらい、山陽本線笠岡駅のホームで、接近してくる見上げるほど大きなC62蒸気機関車、その大きさ、力強さ。夢幻に引き込む真っ白い蒸気に包まれて、憧憬の思いを持っていました。
蒸気機関車写真集が何種類も本屋に並んでいても買うことはありませんでした。
ただ、雑誌に登場する<広田尚敬さんの汽車の写真>は好きでした。ちゃんとした広田尚敬さんの写真集は持っていませんが、その頃、広田さんの本は2冊買っています。唯一私の思いに近いような、写真だったのです。
*SL夢幻、広田尚敬著、1975年、読売新聞社発行、3000円。
*前;SL賛歌、広田尚敬著、1975年、蝸牛社発行、1500円。
【おまけ】
* その頃、東京の大学生の夏休みの過ぎし方に、リュックを背負って北海道を列車で移動し、駅で寝泊りする旅がありました。リュックが横長のキスリングであったこともあって、蟹のように横になって歩いていたので<カニ族>と呼ばれていました。ユース・ホステルなんかで、こちらが<札幌から>と話すと、皆、羨ましそうでした。
* 年中、道内を旅していました。それから30年たって、息子が、夏休みにバイクとテントで北海道一周20日程の旅に出るとき、推奨見物先、テント地、ユース・ホステルなんて、計画にも得意満面で参加できました。
* 今、そんな貧乏旅行を考える学生もいないでしょうか。北海道が遠くでなくなったのです。国内には、遠い旅がなくなってしまったように思うのです。
月刊たくさんのふしぎ 福音館書店発行 定価700円
「佐竹保雄(さたけやすお)」さん写真・原案/「小風さち」文 2005年2月号(第239号)【おじいちゃんのSLアルバム】という子ども向けの本があります。
まごからの一通の手紙がおじいちゃん宛に届きます。その内容は,SLの写真を撮りに大井川鉄道本線の金谷駅にお父さんと行ったことから始まります。お父さんの一言「おじいちゃんもむかしSLの写真を撮っていたんだよ。写真ができたら送ってあげたらいい。きっとよろこぶよ。」がきっかけで、おじいちゃんとおばあちゃんの共同制作で『おじいちゃんのSLアルバム』ができあがるのです。
蒸気機関車のヘッドマーク「ゆのくに」「はくと」「やまばと」「ちどり」「いずも」「くまの」「はつかり」などもノスタルジックな白黒写真で紹介してあります。
こいのぼりのバックに蒸気機関車が黒煙を上げて走る姿は「日本」を感じます。
このほんの中で、京都の『梅小路蒸気機関車館』が紹介されています。
京都に行ったついでに,興味のない友人を連れて公園内を走る蒸気機関車に乗ったことは今もいい思い出です。
わずか200円であの感動をもう一度味わえるのです!私の「あの感動」とは,「銀河鉄道999」の汽笛が本当に聞ける!という何とも新世代の感覚なのですが・・・。
転車台のまわりをずらりと囲んだ蒸気機関車の眺めは圧巻でした。
大人のかける一言。こども達にとっては、夢の広がる魔法の言葉にかわることもあるのです!
池に投げ込まれた小石から興る波紋のように・・・大きく広がっていくような言葉かけを子ども達にしたいと思っています。
「視点を与える一言」でしょうか・・・。
ちなみに、イギリスの「ヨーク」という町の鉄道博物館と日本の梅小路蒸気機関車館は姉妹博物館になっておりました。ここでは日本の新幹線の車両が大人気!0系が展示されており,車内に座って日本の景色をテレビ画面で見ることができます。(入場無料:所要時間 約3時間 カフェレストランあり 博物館ショップ:葉書やポスターが充実 アトラクションも楽しい 子どもを連れて行くときには「がまんの指」を教えること。)
梅小路蒸気機関車館 京都駅から東寺の方にあります。京都へ遊びに行かれることがあれば、是非足を運んでください!
今日のおどろきは、<ぎしふのんさくた>がでてきたこと。
後から読んで下さい。
ウチの子どもら、小学校に行ってる頃、
なんでも、逆にいうことに夢中だったことがあります。
小学校の校歌もまた、逆に歌うのです。
(f)
親子で、家族で共通の話題について話すことはとても素敵だと思います。
(ぎしふのんさくた)の中に「ぼくは少年鉄道員」という刊もあります。これは2005年の5月号で (第242号)です。定価700円
ドイツの首都ベルリン市郊外のヴュールハイデ公園の公園鉄道(BPE)を走る緑色の蒸気機関車(SL)を走らせている少年・少女鉄道員のお話です。ジュンク堂書店の子どもの本コーナーでは昔の(たくさんのふしぎ)も置かれていることがあり、比較的手に入りやすいですよ。良かったら覗いてみてください。
インスブルックで見たオーストリア鉄道のおもちゃ・・・とても高額で驚きました。日本の鉄道のおもちゃは良心的な価格だなあと感じました。プラレールはジオラマも作れますね。転車台もありますよ。ウィーンののみの市で、列車のおもちゃ新品3つで「50ユーロ!」と言われ、「また後で回ってくるね~」と言って後にしたら、どこだったかわからなくなり手に入れることができませんでした。
ところで、校歌も逆に歌うってどのように歌うのでしょうか?さすがに曲が逆になるのではないですよね?レコードを逆回転させるみたいに・・・・。謎が深まりました。