ゴッホのアルルの部屋のようにシンプルに暮らしたい(2007.2.9)

2007-02-09 19:26:18 | Weblog

 *オランダ・ゴッホ・ミュージアムの絵葉書

オルセー美術館展(日経主催)が東京でも始まった。
今回のオルセー展の一番の目玉“商品”は“アルルのゴッホの寝室”です。ポスターにも、チラシにも載っています。

あれ、この絵は、オランダのゴッホ美術館にあったんじゃなかったかな。へんだなあ、と思っていました。

私は、美術展に行った時は、ほぼ確実に、気に入った作品の絵葉書を1枚か2枚買って帰ります。オランダの片田舎で仕事をしていたこともあって、その行き帰りのアムステルダムでゴッホ美術館に3,4度行きました。“アルルのゴッホの寝室”の絵葉書を数枚買っています。
もっとも、ゴッホの人生を思って、だんだん息苦しくなってきて、ゴッホのすべての絵が好きというわけではありません。

この絵は、どうやら3種類ほどあるらしいのです。




*上から、ゴッホ・ミュージアム、オルセー美術館、シカゴ美術館(?)

一番最初は、1888年の『アルルのゴッホの寝室』(72×90cm)、オランダのゴッホミュージアムのものです。ゴッホは37年の短い生涯の中で最も幸せな時だったのです。すぐ後に、ゴーギャンと決裂して、耳切り事件を起こします。
最初の作品を描いた11ヶ月後の1889年9月、サンレミの精神病院で、『アルルのゴッホの寝室』の模写を2枚描いているようなのです。そのうちの1枚はシカゴ美術館に、もう1枚が、オルセー美術館のものと書いている本があります。

また今、東京で見ることのできるオルセー美術館の作品(57.5×74cm)は、精神病院から退院した後、母親や妹のために、縮小して制作したものと書いているものもあるのです。
付け加えれば、“最初のものは、後に洪水で損傷を受けてしまった”(日経)と書いてあったり、もうわけがわかりません。

これらを一緒に比べてみるのは興味深いですが、私には、これらを比較評価し、精神状態との関係で評論することはできません。しかし、いつも高いなあと思って買いませんが、展覧会の図録では、必ず解説の中に書いてあるでしょう。
“どちらが好きか”なら応えられそうです。印刷の色再現性に問題がありますが、オランダ・ゴッホ美術館のものが好きです。

オルセー美術館展(まだ先、4月8日までです)には、楽しみに出かけようと思っています。といっても春日部市で日々いい加減に暮らしていると、ちょっと億劫になってしまうのです。強引に出かけるためには、誰かを誘うことが必要でしょうね。

  【おまけ】

* インテリア(というのかな?)として、この部屋には魅かれるものがあります。この部屋のように、何もないシンプルな部屋で暮らしたいと思います。この部屋そっくりの部屋で暮らしたいと思っているアーティストさんもきっといるでしょう。

 *この表紙は、ゴッホの部屋だ。

* こんな絵本を持っています。まさにゴッホの部屋です。テーブルの上の花瓶には、ひまわり、ゴッホのひまわりです。決して子ども向きの絵本ではありません。いせひでこさんのアートを志した若き日を、その心象風景をスケッチ・ブックにまとめたのでしょうか。

* この部屋のようではありませんが、私が、何にもないひと間で2年ほど暮らした信州での生活のおり、長野駅前の本屋さん“平安堂”で、いせひでこさんの絵本を、よく立ち読みしていました。どの絵本も素敵でしたが、ストイックな生活をしていて、ぐっと我慢して買ったのは、この一冊だけです。

* 絵描き、いせひでこ作 2005年10月、理論社 発行です。
本の帯に、“旅にでよう。風景の中で、ゆっくりと見つかるものが、きっとあるから”と書いてあります。・・・・泣けそうです。