東海道新幹線を始めて乗った時の感想は、あの3人かけの腰かけが印象的でした。
3列の席に3人全てが座ると、窮屈感があり、トイレに立つ時には、例え知り合い同士であっても、遠慮しなくてはなりません。
余談ですが、野球場の観客席は、ほとんどがロングベンチになっています。
例えば、甲子園球場のアルプスのベンチには、最長で17人が座ります。
アイビーシートでも10人掛けです。
甲子園球場は改装で椅子の大きさはかなり大きくなったようですが、それでも、トイレや買い物に立つ時は、通路が狭く、かなり気を使います。
例え3人掛けでも隣の人に気を使うのは同じです。
このタイプは、不評で、新幹線開業間のない頃から、何度も廃止の検討がされたそうです。
勿論、この3人掛けが必要なのは、当然のことながら、多くの人が乗れるということが目的なのです。
多く乗せて、儲けようと言うことだけではないのです。
0系 他人数での旅行では良いのですが・・・
例えば、東海道新幹線の列車すべて16両編成で、その定員は1323人(普通車1123人、グリーン車200人)で、実際の利用客数に座席数は足りるのでしょうか?
ある駅間の利用客を断面輸送量といいます。
JR東海の調べでは、”のぞみ””ひかり”で1日一番多かった断面輸送量は5万3000人。
その断面区間は、小田原ー静岡間だしうです。
”こだま”は断面輸送量は5万6000人。その区間は新横浜ー小田原間。
区間は異なりますが、利用客全員が座るためには26万9000人分の座席を用意しなくてはなりません。
”のぞみ”14本は定員が1人多い500系で運転されており、同時期、平日の本数から合計35万5901人分の座席が用意されていた計算になります。
ここで余裕席は8万6901人分で、一列車当たり323人分です。
ここで、3人掛けを取り去り、2人掛けに代えるとどうなるでしょうか?
計算内容は省略しますが、”ひかり””こだま”には、まだ余裕がありますが、”のぞみ”は、座席が計算上61人分不足します。
このぐらいなら、増発するか、”ひかり”や”こだま”だけでも2人掛けの椅子にすればと思い勝ちですが、列車編成上、それは出来ません。
2階建に変更するにしては、反対に余裕が出来、会社としては無駄となります。
結局、3人掛けの椅子が残されたのです。
一人旅のあなたならどこに座りますか・・・・・
3列シートの真中の席は、少し広いのですが、これでは、折角の旅行も面白くありません。
3人掛けの左はA席、N700系ではパソコンが使えます。
C席の人は通路に足を出しています。2人掛けの左 D席は、携帯などで席を立つのにはべんりなのですが・・・・
一人旅の場合は、やはり二人席の右 E席が人気です。
缶が置けるし、東海道の場合富士山が見えます。 「鉄道員の仕事」を参考にしました。
もう、一つ、その3人掛けの利点として、親子3人の場合、この3人掛けの利便性が良く、利用度が抜群なのだそうです。
JRも色々と考えていますが、あの中国の新幹線も3人掛けの椅子がありますが、果たして、これはそのように考えて設置されたものかどうか、分かりません。
<参考> ”新幹線 謎と不思議”梅原 淳 著 東京堂出版を参考にさせて頂きました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます