小説「舟を編む」(光文社)は、2012年 本屋大賞を受賞した作品です。
この”本屋大賞”とは、又、この「舟を編む」とはどういう意味なのか興味を持ち、映画化されたので見に行ってきました。
本屋大賞は2004年に設定された本屋大賞実行委員会が運営する文学賞です。
一般の文学賞とは異なり作家や文学者は選考に関わらず、新刊を扱う書店の店員さんの投票によってノミネート作品及び受賞作が決定されるそうです。
キャッチコピーとして、「全国書店員が選んだ一番売りたい本」と言うことです。
ちなみに、今年2013年の本屋大賞は「海賊と呼ばれた男」 百田尚樹著 です。
次に「舟を編む」という意味がどのようなものなのかは、映画を見ていけば、追々分かってきます。
映画を観る前は、出版社の辞書編集部を舞台に新しい辞書を作成してゆく過程の人間模様ぐらいしか予備知識がありませんでした。
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」という言葉が、この映画の中にあります。
辞書を造るのは、この「舟を編む」ことだという意味なのです。
つまり、「編む」とは、編集という意味合いがあります。
昔、紙の代わりとして書写などに竹筒が使われて、それがバラバラにならないように紐で編んでまとめていたことから、この言葉が生まれたそうです。
さて、物語は、出版社の辞書編集部が舞台で、玄武書店の営業部に務める馬締(まじめ)光也(松田龍平)は、文字通り”まじめ”過ぎて営業に向かなかったのですが、あることから辞書編集部に転属になります。
新しい辞書「大渡海」を編集する主幹の松本朋佑(加藤剛)の片腕の荒木公平(小林薫)が、定年退職することになり、代わりの人選を進めていたところ、営業には向かないと言われている馬締がこの編集部に呼ばれるところから物語は始まります。
先輩の西岡正志(オダギリジョー)など個性的な編集部の面々に囲まれ辞書作りに没頭する馬締は、下宿先の孫娘 林香具矢(宮崎あおい)を見初め、心惹かれるが、中々打ち明けられず、西岡の助言からラブレターを書くことにします。
そのラブレターでも問題が色々起こしますが、結局、書いたものではなく本人の口から告げることになります。
一緒になった2人ですが、西岡とその恋人ともからみ、色々問題を起こしながらも、辞書編集に力を入れて行きます。
松本が亡くなり、紆余曲折しながら、辞書が完成します。
この映画で辞書造りが大変な作業であり、10年、20年という歳月が必要ということ、それに携わる馬締の人間としての成長も、この映画の見どころなのでしょう。
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