いつ見ても、戦争映画ほど悲惨で残酷なものはありません。
そして、見た後は、決して戦争など愚かなことをしない世の中であることを願わざるをえません。
現在の日本は、平和ボケとまで揶揄されているように、戦争など別世界のように思い、今の平和の有り難さを失っているように思います。
今、日本の周りには、昔の帝国主義的発想で、歴史を歪曲し、覇権主義的発想の国に囲まれています。
むかし、某首相が「戦争で負けても、外交で勝つ」といい、見事、日本を国際社会に出し、国際的地位を挙げてきたのですが・・・・・
今、それが危うくなっている時、国際的に指導的立場になれるのでしょうか?
この映画を見て、(どの戦争映画もそうですが)、彼ら兵士が死をかけて戦った戦争は、後世の時代にはこのような不幸な目にあわすことなく、平和に暮らせる社会を思って戦ったと思うのです。
さて、この映画は、太平洋戦争の激戦地サイパン島で、わずか47人の兵力で4万5000人ものアメリカ軍を翻弄し続け、敵軍から畏れられた実在の日本兵士、大場 栄大尉の実話をもとにした戦争ドラマです。
アメリカ軍に”フォックス”と恐れられた大尉を竹野内 豊が演じ、力まず、常に平静を装い淡々とした行動で、その統率力は、隊員やその島の住人から信頼を集めていました。
アメリカ軍が上陸し、日本兵や住民が島の突端まで追い込まれますが、その退却にも、粘り強さと明快な指示とそこに生まれる人間模様も豪華なキャストの熱演も見ものでした。
やくざ者の堀内一等兵を演じる唐沢寿明のスキンヘッドも、この密林には相応しくないと思われる井上真央も、すっかり島の住民になっていました。
8月15日をすんでも、戦争が終わったのが信じられず、抵抗を続けますが、そこは、生き残った者だけでも日本の土地を踏ませたいと思う大尉の意向をくんで、アメリカ軍に投降します。
それにしても、そこに至るまでの戦闘シーンで、少人数のものが多くの敵の中に突撃する悲壮感は、どのようなものだったのでしょうか?
果たして、今、その状態になれば、自分も突撃など出来るのでしょうか?
今の日本人には、到底出来ないのではと・・・・・
決して、映画として考えてしまいたくないのです。
この当時の人が、現在の日本の状況を見て、こんなはずではなかったと思っているんではないでしょうか?