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ジュリーニ/ベルリン・フィル、ブルックナー交響曲第7番&第8番ライヴ盤(1) 

2009-12-25 01:56:25 | 交響曲
 今日取り上げるカルロ・マリア・ジュリーニ(1914~2005)/ベルリン・フィルによるブルックナー交響曲第7番・第8番ライヴ盤も先頃の新譜で今回が初出となる。いずれも「TESTAMENT」シリーズからリリースされたものだが今日は第7番ホ長調にスポットをあててみたい。この演奏は1985年3月5日ベルリン・フィルハーモニーザールにおけるコンサート・ライヴを収録したものだが過去にNHKFM放送でオン・エアされた記録がある。(1986年1月14日/NHKFM)筆者もこの時の放送をオープン・テープでエア・チェックして現在でも大切に保存している。
 ジュリーニのベルリン・フィルへの客演は結構な数に登ると思われるが筆者のエア・チェック・ライヴ・コレクションの中ではベルリン・フィルとのものは意外に少なくこの他には1977年1月13日フィルハーモニーザールにおけるシューベルト交響曲第7番(旧第8番)・第8番(旧第7番)ぐらいしか見当たらない。その観点からも貴重なものである。彼はまたブルックナーの同交響曲をウィーン・フィルとほぼ同年代にドイツ・グラモフォンにスタジオ録音しており特に第8番は誉れの高い名盤である。(以前に紹介済み)
 さてこのベルリン・フィルとの第7番のライヴ盤だが1986年録音のウィーン・フィル盤(DG盤・ムージクフェライン・ザール録音セッション)と比較して演奏スタイルに大きな変化はない。また使用楽譜の「版」の明記はないが第2楽章のクライマックスでシンバルが追加されているところから「ノヴァーク版」を基本としていると思われる。ただベルリン・フィルとのライヴ盤の方がトータル演奏時間にして約3分強ほど速い。(ベルリン・フィル盤64分19秒/ウィーン・フィル盤67分57秒)このあたりは「コンサート・ライヴ」録音という環境の違いからであろう。さらにオーケストラの音色の違いは明らかにに感じとれる。ベルリン・フィルの洗練された重厚な響きで聴くブルックナー、ウィーン・フィルのたおやかな響きで聴くブルックナー、どちらもそれぞれの味があり聴き手の好みもあると思う。ただ言えることはライヴ演奏は取り直しがきかないスリリングな魅力があることは確かである。

(次回に続く)