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私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

アブラヴァネル&ユタ交響楽団 ー チャイコフスキー「マンフレッド交響曲」

2013-10-15 17:04:20 | 交響曲

 モーリス・アブラヴァネル(Maurice Abravanel/1903~1993)はギリシャ出身の指揮者で渡米後ニューヨークの「メトロポリタン歌劇場」を皮切りにして1947年から79年まで実に32年の長きに渡り「ユタ交響楽団」の音楽監督を務めこのオーケストラを世界的レベルまでその実力を押し上げた人である。「ユタ交響楽団」はユタ州ソルトレーク・シティーに本拠を置き現在は彼の功績をたたえた「アブラヴァネル・ホール」で演奏、録音活動を行っている。また彼の名前で思い出すのは70年代初頭、「4チャンネル・レコード」が一時ブームとなりこのコンビでベルリオーズの「レクイエム」が発売され注目されたことである。(ヴァンガード録音) また世界初の「マーラー交響曲全集」録音を行ったこともレコード史上の彼の偉大な業績である。この「マンフレッド交響曲」も1970年代初頭に録音されたチャイコフスキー交響曲全集録音からの1枚で素晴らしい。原盤は「米ヴァンガード」だが写真のCD(紙ジャケット)は1986年に「米VOX」よりデジタル・リマスターされたものである。(米VOX-MWCD 7123)

 


ヴァーノン・ハンドリー&ロンドン・フィル 「エルガー交響曲第1番」 (1979年録音)

2013-10-14 11:09:27 | 交響曲

  ヴァーノン・ハンドリー(Vernon Handley/1930~2008)はイギリス音楽スペシャリストのひとりだった。日本での人気は今ひとつという感は否めないが本国イギリスでの彼の評価は非常に高かった。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲全集をはじめとする数々の名録音を遺しているが今回紹介するエルガーも忘れることができない。写真のLPは「ロンドン・フィル」と1979年3月、「Abbey Road Studio」でレコーデイングされたもの私の愛聴盤となっている。(英CFP 40331/Classics for Pleasure Recording) ついでながら同レーベルには「第2番」も録音している。また「ロンドン・フィル自主制作盤」からは「第1番」の「ロイヤル・フェスティバルホール」におけるコンサート・ライヴ(1984年2月)もリリースされている。演奏時間も長いエルガーの交響曲だがいずれもスペシャリストとしての気品が漂う名演だ。

 

 

  


ジュリーニ、 ベートーヴェン「交響曲集」 (EMI録音)

2013-10-13 21:02:37 | 交響曲

  カルロ・マリア・ジュリーニは生涯にベートーヴェンの交響曲全曲録音を一応複数のオーケストラ団体を通じて成し遂げている。写真は彼が60年代末から70年代初頭にかけて「EMI」に録音した「第6番」から「第9番」の4曲と同時期録音の「エグモント序曲」を加えた「ベートーヴェン交響曲集」である。(伊EMI、3 C165 52060/63、4LPーBOX)因みにオーケストラは「第6番<田園>」と「エグモント序曲」=ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(1968年ー69年録音)、「第7番」=シカゴ交響楽団(1971年録音)、「第8番・第9番」=ロンドン交響楽団(1972年録音)となっている。ジュリーニの演奏スタイルはテンポを遅めにとりズッシリとスケール感のあるベートーヴェンが魅力的でこの最初の「EMI録音」はその原点とも云えるだろう。「第9番」のソリストはソプラノ=シーラ・アームストロング、アルト=アンナ・レイノルズ、テノール=ロバート・ティアー、バス=ジョン・シャーリー=カーク合唱はロンドン交響楽団合唱団。

 

  


オーマンディ&フィラデルフィア管 - チャイコフスキー 交響曲第7番

2013-10-12 12:06:18 | 交響曲

 チャイコフスキーは「第6番ロ短調<悲愴>」の作曲に取りかかる前、1892年に「人生」をテーマとする壮大な交響曲を書き始めたたが「第1楽章」の途中で断念し「幻」に終わった。この時の草稿は後に「ピアノ協奏曲第3番変ホ長調」(第1楽章のみ完成)に改作される。そして「第7交響曲」として姿を見たのは1950年代に入りロシアの作曲家セミヨン・ボガティレフが先の「ピアノ協奏曲第3番」をはじめとするいくつかの素材を組立て4楽章構成の交響曲として補筆完成してからである。写真のLP、オーマンディ盤は世界初録音(1962年)として発売当時注目された。(米CBS-MS6349 ステレオ) 現在では演奏される機会は滅多にないが「第1楽章」は「ピアノ協奏曲第3番」と聴き比べながら鑑賞するのも興味深い。

 


ロジェストヴェンスキー&モスクワ放送響 - チャイコフスキー交響曲第1番

2013-10-11 10:01:52 | 交響曲

 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーも今年82歳、ロシア指揮者界の長老である。「読売日響」に70年代からたびたび客演し古くからのファンも多い。彼のショスタコーヴィチやブルックナーなどの録音は聴きごたえがある。彼は30歳で「モスクワ放送交響楽団」の音楽監督に就任、1970年代初頭には「マンフレッド交響曲」を含むチャイコフスキー交響曲全集録音を同響と完成している。同響を伴って1972年の来日公演は忘れることができない。写真のLPはその全集録音からの「第1番ト短調<冬の日の幻想>」(露メロディア CM04229-30 1972年ステレオ録音)である。日本国内盤(全集盤)が初リリースされた当時はそれほど注目をあびた記憶はないがとりわけこの「第1番」は金管の響きが印象的だった。今も時折針をおろしている。

 


マックス・ルドルフ & シンシナティ響 - ブラームス交響曲第4番

2013-10-10 10:15:14 | 交響曲

  今日紹介するマックス・ルドルフ&シンシナティ交響楽団による写真のLPも懐かしい1枚である。指揮をしているマックス・ルドルフ(Max Rudolf/1902~1995)はドイツ出身(フランクフルト生まれ)の指揮者だが1940年に渡米、その後アメリカ国籍を取得、1958年から70年までこの「シンシナティ響」の音楽監督を務めた人である。シンシナティ響は1895年にオハイオ州シンシナティに創立された全米で5番目に古い歴史を持つ。歴代音楽監督にはレオポルド・ストコフスキー、フリッツ・ライナー、トーマス・シッパーズなどそうそうたる顔ぶれが見られる。この米デッカ録音のブラームスはルドルフの音楽監督時代のもので枯淡でその深い味わいが忘れられない。(写真、米デッカLP DL710128 ステレオ)

 

 


プレヴィン&ロンドン響 - チャイコフスキー「交響曲第2番」ほか (RCA録音)

2013-10-09 17:05:42 | 交響曲

  若きアンドレ・プレヴィンがクラシック指揮者転向後の録音である。プレヴィンのチャイコフスキー交響曲録音は調べてみると意外に少ない。このロンドン響との「第2番」(1965年録音)のほかに同響との「マンフレッド交響曲(EMI、1972年録音)、ピッツバーグ響と「第4番」(Ph. 1980年録音)、ロイヤル・フィルと「第5番」(Tel.1984年録音)があるぐらいである。演奏はとてもさわやかで溌剌としたところが良い。LP第2面の余白にフィルアップされたリャードフの「8つのロシア民謡」もなかなか興味深かかった。(写真/LP、米RCA AGL1ー1265 ステレオ)

 

 

 


若きアバド、ニュー・フィルハーモニア管とのチャイコフスキー/交響曲第2番

2013-09-12 23:57:24 | 交響曲

 懐かしいLPである。写真は今年80歳を迎えた巨匠クラウディオ・アバドの「ドイツ・グラモフォン」への最初期録音、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(現、フィルハーモニア管弦楽団)とのチャイコフスキー「交響曲第2番ハ短調<ウクライナ>」(独グラモフォンー139 381 SLPM) アバド当時34歳(1968年)の録音でおそらくアルゲリッチとの名盤プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」(1967年録音)に次ぐものではなかったかと思う。さすがにアバドはこの地味な交響曲のツボを実に巧みに聴かせている。それにしても演奏時間35分たらずのこの「第2番」をLP両面に贅沢にカッティング、何かプラス・アルファのおまけがほしい1枚だった。


フランソワ=グザビィエ・ロト、マーラー/交響曲第1番ほか

2013-07-19 12:20:29 | 交響曲

 フランソワ=グザビエ・ロト(François-Xavier Roth)は1971年パリ近郊北西部に位置する「Neuilly-sur-Seine(ヌイイ・シュール・セーヌ)」生まれの古典から現代音楽まで幅広いレパートリーを持つ指揮者である。彼は2011年より「バーデン・バーデン&フライブルクSWR交響楽団」の首席指揮者を務めている。今回はこのオーケストラとのマーラー/交響曲第1番とウ゛ェーヴェルン「夏風の中で」を収めたCDに注目してみたい。録音は2011年11月2日、3日フライブルクの「コンツェルトハウス」におけるライブ録音でテンポを速めにとったマーラーの演奏が現代感覚にマッチし彼らしく魅力的だ。また一方のウェーベルンがまだ大学時代(1904年)に書いた管弦楽曲「夏風の中で」は後期ロマン派的作風が色濃く出た美しい作品でここでもロトの巧さが光る。(独hänssler Classic -CD 93.294)

 

 

 

 


J.ロッホラン&ハレ管弦楽団の「エロイカ」

2013-06-30 20:32:34 | 交響曲

 

  ジェイムズ・ロッホラン(James Loughlan)も懐かしい指揮者の一人である。1980年代にはよく「日本フィル」に客演しホルストやエルガーなどイギリス作品の名演が印象に残る。彼も現在は80歳を超える長老となった。今日紹介する「ハレ管弦楽団」の芸術監督時代に録音したベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」(写真)は忘れ得ぬ1枚だ。派手さはないが骨太でガッシリとした「エロイカ」が聴ける。余談になるが収録時間の関係からかこのレコードは第1面バンド1に「第4楽章」、バンド2に「第1楽章」を収め、第2面バンド1に「第2楽章」、バンド2に「第3楽章」を収めているところもユニークだった。原盤は当時(1976年)に新しく創設された「エニグマ(Enigma)」レーベルでこのビクター盤LPが確か「エニグマ国内盤」初出だったと思う。(写真/国内盤ーVIC2133 1976年9月、マンチェスター、フリー・トレード・ホール録音)