モーリス・アブラヴァネル(Maurice Abravanel/1903~1993)はギリシャ出身の指揮者で渡米後ニューヨークの「メトロポリタン歌劇場」を皮切りにして1947年から79年まで実に32年の長きに渡り「ユタ交響楽団」の音楽監督を務めこのオーケストラを世界的レベルまでその実力を押し上げた人である。「ユタ交響楽団」はユタ州ソルトレーク・シティーに本拠を置き現在は彼の功績をたたえた「アブラヴァネル・ホール」で演奏、録音活動を行っている。また彼の名前で思い出すのは70年代初頭、「4チャンネル・レコード」が一時ブームとなりこのコンビでベルリオーズの「レクイエム」が発売され注目されたことである。(ヴァンガード録音) また世界初の「マーラー交響曲全集」録音を行ったこともレコード史上の彼の偉大な業績である。この「マンフレッド交響曲」も1970年代初頭に録音されたチャイコフスキー交響曲全集録音からの1枚で素晴らしい。原盤は「米ヴァンガード」だが写真のCD(紙ジャケット)は1986年に「米VOX」よりデジタル・リマスターされたものである。(米VOX-MWCD 7123)