私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

カラヤン&ツィマーマン=シューマン&グリーグ 「ピアノ協奏曲」

2012-11-26 16:25:47 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンは1980年5月、「ザルツブルク聖霊降臨祭」で当時新鋭のクリスティアン・ツィマーマンとショパンの「協奏曲第2番」で初共演、同年9月の「ルツェルン音楽祭」でも同曲を演奏、翌1981年9月にこの注目のコンビで初レコーディングされたのが写真のシューマンとグリーグの協奏曲だった。(写真/独グラモフォンLP/2532 043)カラヤンにとっては両作品ともギーゼンキングとの1950年初頭のモノラル録音以来のものである。

 とりわけグリーグの協奏曲はカラヤンの演奏記録によれば1940年12月アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ(管弦楽=ベルリン国立歌劇場管弦楽団)との共演以来、実際のコンサートで演奏されることはなかった。その意味でもこのデジタルによるステレオ録音は今となっては貴重な記録と云えるだろう。また余談ながらカラヤンはショパンの「ピアノ協奏曲」録音は行っておらず先の「第2番」をツィマーマンとの実演で取り上げたのみである。


未公開音源、カラヤン&ワイセンベルクー1977年普門館公演CD化

2012-09-26 16:39:30 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

  このたびカラヤン&ワイセンベルクの1977年普門館公演(東京)の未公開音源ベートーヴェンのピアノ協奏曲(2曲)がついにCD化された。これで以前に発売済みの「ベートーヴェン交響曲ツィクルス」と共にカラヤン&ベルリン・フィルの東京での演奏が全てそろったことになる。

  当時、これはベートーヴェン・ツィクルス第2夜11月14日「第2番」の交響曲に先立って演奏された「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」と第5夜11月17日「交響曲第8番」に続いて演奏された「第5番変ホ長調<皇帝>作品73」である。この二つの協奏曲の演奏は「FM東京」により交響曲と共にひそかに収録されていたが当時オン・エアされることはなく長きに渡り放送局に眠っていたものである。今回、ようやく日の目を見たことはカラヤン・ファンにはもちろんのことライヴ音源愛好家にとっても喜ばしい限りである。

 この二人は「EMI」にセッション録音で全集録音を遺しているがライヴで聴く演奏はまた一味異なる。まして当時会場へ足を運んだ筆者は感慨深い。録音も素晴らしい。 (写真/TOKYO FM -TFMC-0040)

 

 


カラヤン、ベルリン・フィルーブラームス/交響曲第4番(1963年録音)

2012-09-23 23:40:24 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤン&ベルリン・フィルは1962年にステレオによる最初の「ベートーヴェン交響曲全集」を完成後、翌1963年10月には1週間の超短期セッションで最初のブラームス交響曲全集を完了している。写真のLPは全集盤から分売の「第4番」だがジャケットは全てラウターヴァッサー撮影の写真で統一されている。(国内盤/SLGM 1294)この国内盤はジャケットのタスキの通りカラヤン&ベルリン・フィルが1966年2回目の来日公演を記念しての1965年12月頃の発売だったと思う。

 最近はまたカラヤンの60年代、70年代のレコードを中心に聴き入っているがこの時代の録音、ベルリン・フィルの艶やかな響きに改めて感服させられてしまう。この「第4番」もカラヤンの技ありといったところか。LPレコードの深い魅力も不滅である。

 

 


カラヤンの「ドイツ行進曲集」

2012-09-12 11:34:37 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 今日紹介するLPはカラヤンのレコード録音のなかでもとりわけ異色のジャンルに入る1枚と云えるだろう。

写真は「プロイセン行進曲集」と題したドイツの行進曲を集めたアルバムでカラヤン自身の企画によるレコーディングと云われている。1973年3月の録音で「イエス・キリスト教会(ベルリン)」での最終セッションでもあった。オリジナル盤はLP2枚組みで全30曲の行進曲が収められていたが写真のLPはその中から13曲を収録した独グラモフォンの「CLUB-EDITION盤」(DG-329268)である。 演奏はベルリン・フィルのブラス・アンサンブルによるもの。 

 ※「CLUB-EDITION盤」の収録曲

 ピーフケ:「プロイセンの栄光」・「国王祝賀行進曲」 モルトケ:「大公旗連隊行進曲」 ヘンリオン(メケネ編曲):「十字軍騎士ファンファーレ」・「フュールベリン騎兵隊行進曲」 ベートーヴェン(シャーデ編曲):「ヨルク行進曲」 ラデック:フリードリヒ近衛連隊行進曲」フリードリヒ大王:「トルガウ行進曲」・「ホーエンフリートベルク行進曲」 タイケ:「旧友」

 作曲者不詳:パッペンハイマー行進曲」・「ペテルブルグ行進曲」・「パリ入場行進曲」   以上 13曲

 

 

 


カラヤン&ベルリン・フィル ー 「スッペ・序曲集」 

2012-09-09 10:51:37 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 ショルティ&ウィーン・フィル盤(英デッカ/1959年録音)と双璧をなすカラヤン&ベルリン・フィルの1969年録音のスッペの傑作序曲集である。(写真/独グラモフォンー2530 051) 収録作品のうち「軽騎兵」序曲以外の「ウィーンの朝・昼・晩」、「スペードの女王」、「美しきガラテア」、「怪盗団」、「詩人と農夫」の5曲はこの録音が初で唯一のものである。

 このアルバムは以前にも「カラヤン 60・CD BOX」で紹介済みかと思うが今回はオリジナルLPで取り上げてみた。 颯爽としたカラヤンの指揮ぶりが爽快である。さらに先のショルティ盤と同様、録音が大変素晴らしいことも付け加えておきたい。 演奏もCDよりやはりこのオリジナルLPでの再生がより味わいを深く感じてしまう。


カラヤンの唯一の録音となった「シェエラザード」

2012-09-08 22:06:48 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンは数多くの同一作品を複数回レコーディングしているがリムスキー=コルサコフの代表作、交響組曲「シェエラザード」はベルリンフィルとの1967年1月の録音が唯一のものである。 写真はその初出LPでリムスキー=コルサコフの作品の録音もこの曲のみである。(独グラモフォン/139 022) 

 カラヤンがベルリン・フィルの機能美を最大限に引き出したきらびやかなサウンドが印象的でコンサート・マスター、ミシェル・シュヴァルベのソロも美しい。なぜか実際のコンサートでカラヤンが一度もこの作品を取り上げなかったことも不思議である。また筆者個人的にはCDよりもレコードで聴くほうが好きである。


カラヤン&ベルリン・フィル ー オッフェンバック、グノーのバレエ音楽

2012-09-07 10:44:10 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

  オフェンバックのような軽妙洒脱な音楽もカラヤンの品位がうかがえる。 写真のDG盤LPは1971年1月録音のベルリン・フィルとのオフェンバックとグノーの作品を収めたアルバムである。(独グラモフォン/2530 199)

 「パリの喜び」はフランスの指揮者・作曲家マニュエル・ロザンタールがオッフェンバックの傑作から選りすぐり管弦楽作品にまとめあげたもので現在では多く指揮者が演奏・録音もしており人気が高い。このカラヤンの録音もその抜粋が収録されており1958年のフィルハーモニア管弦楽団(EMI)に次ぐ再録音だった。また第二面にはグノーの歌劇「ファウスト」からの「バレエ音楽」は第5幕の「ワルプルギスの夜」の場面のバレエ音楽7曲のほかワルツ「そよ風のように」が収録されている。いずれもカラヤンの名盤として誉れが高い。 尚、この初出盤のジャケット・カバーはロートレックの「ムーラン・ルージュ」。


カラヤン&BPO サン=サンース「交響曲第3番<オルガン付き>」

2012-08-19 12:37:17 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤン&ベルリン・フィルのサン=サンース「交響曲第3番ハ短調作品78<オルガン付き>」、カラヤンのサン=サンース作品唯一の録音である。 1981年9月、「フィルハーモニー」におけるデジタル録音だがオルガン・パートはパリの「ノートル=ダム聖堂」のオルガンを使用して別テイクとの合成であった。 オルガンはフランスの名オルガニスト、この「ノートル=ダム聖堂」のオルガニストを務めたピエール・コシュローがあたっている。(写真=独グラモフォン・オリジナルLP、2532 045)

 テンポをゆったりとりカラヤンらしく入念に磨き上げた聴き手をウットリとさせてしまう美しい演奏だが筆者が調べた範囲では実際のコンサートではプログラムに取り上げなかったようだ。 ジャケット・カバーはグラフィック・デザイナー、オルガー・マチスのデザイン。

 


カラヤンのメンデルスゾーン/交響曲第1番・第2番「讃歌」

2012-08-18 02:14:18 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 

  カラヤンはメンデルスゾーンの交響曲を実演では「第3番<スコットランド>」しか取り上げなかった。 しかしレコードでは全集録音を果たしている。 オーケストラはもちろん「ベルリン・フィル」である。 レコーディングは1971年から73年にかけてベルリン、ダーレムの「イエス・キリスト教会」で行われた。 写真のLPはなかでも一番演奏される機会が少ない「第1番ハ短調作品11」と「第2番変ロ長調作品52<讃歌>」を組み合わせた「独グラモフォン」の2LPオリジナル盤である。(独グラモフォン/2707 084)

 因みに各交響曲を録音順に整理してみると「第3番イ短調<スコットランド>」と「第4番イ長調<イタリア>」が1971年1月、「第5番ニ長調<宗教改革>」が1972年2月、「第1番ハ短調」を1972年9月と11月にそして大曲「第2番変ロ長調<讃歌>」の管弦楽部分が1972年9月、合唱部分を最後に1973年2月に行っている。

 演奏は云うまでもなく「カラヤン美学」を貫いた美しさが魅力だが特に「第2番」の壮麗な合唱(ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団)の響き、エディット・マティス(ソプラノ)をはじめとするソリスト陣にも注目したい。最後にこのレコード・ジャケットカバーだがメンデルスゾーン自身が描いた水彩画集「スイス十三景」からの1枚が使われている。 何でも亡くなる4ヶ月前、1847年7月、最後に訪れたスイスのインターラーケン周辺をスケッチ、水彩画としてまとめたものと云われている。 画家としても一流であったメンデルスゾーンのマルチな才能がうかがえる。


カラヤン&ベルリン・フィル - シベリウス「交響曲第4番」 (DG盤)

2012-08-13 21:59:07 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンが遺したシベリウスの交響曲録音であえて1枚を選ぶとするならドイツ・グラモフォン録音(1965年)の「第4番」を挙げたい。この録音は以前に「カラヤン 60 CD・BOX」から紹介したこがあるが写真はドイツ盤オリジナルLPレコードである。(独グラモフォン/138 974 SLPM) 交響詩「トゥオネラの白鳥」とのカップリングだった。

 カラヤンのシベリウスは抒情性と透明感のある美しい響きにひきつけられてしまうが特にこの「第4番」の演奏はダントツである。当時のDG録音プロデューサー=オットー・ゲルデス、エンジニア=ギュンター・ヘルマンス、ディレクター=オットー・エルンスト・ヴォーラートによるレコーディング・テクニックの素晴らしさもうなづける。やはり「CD」よりもオリジナル・LPレコードで再生した方がより味わいが増す。