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私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

カラヤン&BPO、英コロムビア・ステレオ録音ードヴォルザーク「新世界から」

2012-08-05 18:05:33 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 ヘルベルト・フォン・カラヤンはドヴォルザークの交響曲「新世界から」を生涯に5回ほど公式商業録音している。その最初のステレオ録音(1957-58年)がベルリン・フィルとの「英コロムビア」録音だった。写真は1962年にリリースされた国内盤LP、「日本コロムビア/OS-3060」である。レコード第2面の余白には「英コロムビア」のオリジナル盤(SAX2275)と同様、スメタナの交響詩「モルダウ」が収録されている。

 筆者個人的にはこの録音は後の1964年「ドイツ・グラモフォン」盤(ベルリン・フィル)と共に好きな演奏で今でもよく針をおろしている。1962年のリリースということもありまだ「新世界から」が「第9番」ではなく「第5番」と表記されていることも時代を感じさせ懐かしい。


カラヤン&ベルリン・フィルのモーツアルト「嬉遊曲変ロ長調」K.287

2012-07-10 10:02:52 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンはモーツアル「嬉遊曲(ディヴェルティメント)第15番変ロ長調K.287」を「第17番ニ長調K.334」と並んでよくコンサートのプログラムに取り上げた。 ベルリン・フィルとの来日公演でも「第15番」を1966年と1984年に演奏している。 この二つの「ディヴェルティメント」にはよほどの愛着を持っていたのだろう。

 ところで「第15番」には3つの公式録音が知られている。 先ず1952年の「フィルハーモニア管弦楽団」とのモノラル録音(EMI)、そして「ベルリン・フィル」との1965年と1987年のステレオ録音(DG、後者はデジタル録音)である。 いずれもカラヤンの魅力がたっぷりと伝わる見事な演奏だが個人的に1枚を選ぶとすると写真のベルリン・フィルとの最初の録音になってしまう。 写真は筆者が最初に求めた独グラモフォンのオリジナルLPレコード(DG/139 004)でジャケット・デザインにも惹きつけられてしまう。

 最後に余談ながら筆者が実際に接した公演でカラヤンは第二メヌエットにあたる「第5楽章」を割愛して指揮していた記憶がある。

 

 


カラヤンの戦後初録音、ウィーン・フィルとのベートーヴェン「第8番」

2012-06-09 18:03:12 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンの戦後初録音はウィーン・フィルとベートーヴェン「交響曲第8番ヘ長調作品93」であった。記録によればレコーディングは1946年9月13日から15日かけてウィーンの「楽友協会大ホール」で行われいる。当時はまだ連合軍によりコンサート活動は前面禁止されておりこの録音も当然のことながら非公開で行われた。完成されたレコードは翌年SP盤で「EMI」のおひざもとイギリスで最初にリリースされた。写真は1970年代中頃に国内盤LP(廉価盤)として1948年録音の「第5番」とのカップリングで「東芝EMI」からリリースされたものである。(EAC-30102/モノラル) 因みにプロデューサにウォルター・レッグ、レコーディング・エンジニアにはダグラス・ラーターがあたっている。

 この「第8番」を録音した当時のカラヤンはまだ38歳の若さだったがその颯爽とした演奏スタイルはさすがである。SPからLPに復刻されたものだが「SP盤」独特のノイズはリミットされている。 その後、カラヤンが公式にコンサート活動再開したのはウィーン・フィルと1947年10月25日・26日に「楽友協会大ホール」行われたブルックナー「交響曲第8番」であった。

 


カラヤンのモーツアルト/歌劇「フィガロの結婚」 (1978年録音)

2012-05-20 09:13:25 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 オペラ指揮者としてのカラヤンのモーツアルトは定評がある。 とりわけ代表的な3つのオペラ「フィガロの結婚」・「ドン・ジョヴァンニ」・「魔笛」は「ザルツブルク音楽祭」をはじめ実演でも数多く上演され多くファンを楽しませた。写真のCD、「フィガロの結婚」K.492(全曲盤)はカラヤンの1950年録音(EMI/モノラル)以来28年ぶりのウィーン・フィルとの再録音であった。(1978年DECCA)

 配役も伯爵夫人がシュヴァルツコップからトモワ=シントウ、フィガロはクンツからダム、またスザンナにはコトルバスを起用するなど時代とともに歌手陣も当時の花形にガラッと入れ替わっての録音である。ついでながら旧録音は「レチタティーヴォ・セッコ」を省略した録音であった。この際、両盤の聴き比べながらカラヤンの至芸を楽しむのも興味深い。

 


カラヤン、ベルリン・フィル - 「ドイツ序曲集」(1960年英コロムビア録音)

2012-04-15 12:57:51 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 久しぶりにカラヤンが1960年にベルリン・フィルと「英コロムビア」にステレオ録音した「ドイツ序曲集」のLPに針をおろした。カラヤンの指揮はこのような小品集の演奏もそつがない。写真は1980年ごろに「デジタル・リマスター化」された「米EMIAngel」盤(AE34429)だが初出の「英コロムビア盤」のジャケットはカラヤンが1959年7月、「ロサンゼルス・フィル」客演した際のリハーサルのスナップだったと思う。(SAX2439)

 レコードにはウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲、ワーグナー/歌劇「さまよえるオランダ人」序曲・歌劇「ローエングリーン」第1幕前奏曲、ニコライ「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲、メンデルスゾーン「フィンガルの洞窟」序曲は収められいる。このうちニコライの作品はこの録音が唯一の公式録音である。

 因みにこの録音はデータによると1960年9月16日から20日かけてベルリンの「グリュンネバルト教会」で行われたがその翌日には「フィルハーモニア管弦楽団」と「キングズウェイ・ホール」(ロンドン)で例の「プロムナード・コンサート」と銘打ったアルバムを録音している。この時期のカラヤンがいかに過密なスケジュールで飛びまわっていたことがよくわかる。

 


カラヤン&フィルハーモニア - ベートーヴェン/交響曲第5番(国内初出盤)

2012-03-27 11:46:47 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 今日は懐かしいカラヤン&フィルハーモニア管弦楽団の「ベートーヴェン交響曲第5番」と第二面の余白にシュヴァルツコップとの歌劇「フィデリオ」から「悪者よどこへ急ぐ」・「来たれ希望よ」の2曲が収録された国内初出LPを取り上げてみたい。(XL5117)

 カラヤンは1951年から55年にかけて「フィルハーモニア管弦楽団」と初のベートーヴェン交響曲全曲録音を行った。このうち「第8番」(1955年録音)はオリジナル・ステレオで収録された。この「第5番」は1954年11月のモノラル録音で後のベルリン・フィルとのステレオ盤のような流線型のカラヤン・スタイルでの演奏とはまた違うドイツ的な香りが漂う1枚である。

 またカラヤンのレコーディング記録を見ると前年1953年8にも同コンビによるこの「第5番」のセッションがあるようだがこの音源は用いられず未発表のままになっている。余白に収録されたシュヴァルツコップとの「アリア」の録音は1954年9月20日(ウォトフォード、タウン・ホール)の記録になっているが当日カラヤンはベルリンでのフルトヴェングラー&ベルリン・フィルの最後の演奏会に立ち会っていたという話もある。

 

 


カラヤン/ウィーン響 - ブルックナー「テ・デウム」(1952/ペルージャ、ライヴ)

2012-02-02 18:13:32 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 久しぶりに若きカラヤンのライヴ盤から1枚、ブルックナーの「テ・デウム」を取り上げてみたい。写真は2004年に「ARCHIPEL」からリリースされたイタリア、ペルージャの「聖ピエトロ教会」における1952年9月29日のコンサート・ライヴである。(ARCHIPEL/ARPCDー0259)カラヤンはこの作品をよく交響曲第9番(ブルックナー)と共にコンサートで演奏していた。当時の演奏記録を調べてみると彼はウィーン交響楽団とペルージャ(聖ピエトロ教会)で前日の28日(ブラームス/「ドイツ・レクイエム」)とあわせて2日間のコンサートを行っている。
 このCDには翌29日のプログラムからブルックナーの「第9番」の後に演奏された「テ・デウム」が収録されている。独唱者リタ・シュトライヒ(ソプラノ)、ダグマール・ヘルマン(アルト)、エルンスト・ヘフリガー(テノール)、ハンス・ブラウン(バス)に合唱はカラヤンとは切り離すことができない「ウィーン楽友協会合唱団」が加わっている。録音はモノラルで状態は決して良好とは云い難いが鑑賞には問題ない。演奏は合唱も素晴らしくカラヤンの指揮にも熱がこめられているのがよくわかる。同ライヴ盤の中でも注目に値するものではないかと思われる。
 最後に余談ながらこのCDのメインはカラヤンが戦後初めてベルリン・フィルの指揮台に登場した1953年のベートーヴェン「エロイカ」のライヴ録音である(以前に「AUDITE」盤で紹介済み)このジャケットの表記は1953年9月28日となっているが実際のコンサートは9月8日に行われている筈である。音質も「AUDITE」盤が断然優れていることを付記しておきたい。

カラヤン&BPO - J.シュトラウス アルバム (1975年EMI録音)

2012-01-03 18:25:21 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンはSPレコード時代から「ウィンナ・ワルツ」作品を数多くレコーディングした指揮者の一人だった。いずれも申し分のない素晴らしい演奏だがベルリン・フィルとの「EMI」録音はこの1975年(ベルリン・フィルハーモニーザール録音)のアルバムが唯一のものである。全てヨハン・シュトラウスⅡ世の超代表作6曲ーオペレッタ「こうもり」序曲、「アンネン・ポルカ」、「美しく青きドナウ」、オペレッタ「ジプシー男爵」序曲、「トリッチ・トラッチ・ポルカ」、「皇帝円舞曲」が収められている。写真は東芝EMI国内初出LP盤(EAC-80242)で1976年にリリースされたものである。原盤は「独エレクトローラSQ(クォドラフォニック=SQ方式4チャンネル盤)であった。

カラヤン&ベルリン・フィル「1977年来日公演ライヴ、ベートーヴェン交響曲全集」

2011-12-17 22:10:25 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 このたび昨年分売りで初CD化されたカラヤン&ベルリン・フィル来日公演、1977年11月東京・普門館における「ベートーヴェン交響曲全曲ツィクルス」のライヴ盤が「5CDセット」となって再リリースされた。(写真上/TOKYO FM/TFMC-0031)これらのライヴ録音は「FM東京」により全てライヴ収録されたもので翌年正月のFM東京「TDKオリジナル・コンサート」特別番組で「第5番」・「第6番」(大阪の朝日放送が映像収録)を除いてオン・エアされている。
 当時カラヤン69歳、最も脂がのりっきたカラヤンのライヴによる唯一の「ベートーヴェン交響曲全集」で聴き応え充分である。当時ほとんど連日、会場の「普門館」に足を運んだ私は今も鮮明に指揮するカラヤンの姿が脳裏に浮かぶ。またこの全集セットに添えられた1977年来日時のカラヤン・ミニ写真集もなかなか魅力的だ。

(1977年カラヤン・ベルリン・フィル来日・東京公演プログラム)

カラヤン&ベルリン・フィル、ロンドン ライヴ盤 (1972)

2011-12-08 15:02:26 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 今日は「テスタメント・シリーズ」からまだこれまで取り上げてなかったカラヤン&ベルリン・フィルのライヴ盤を1枚紹介したいと思う。写真のCDは1972年5月、カラヤン&ベルリン・フィルのヨーロッパ演奏旅行に於ける5月16日の「ロイヤル・フェスティバル・ホール(ロンドン)」でのコンサート・ライヴである。
 CDの解説によればこの日当初の予定ではベートーヴェン/「交響曲第4番」とR.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」が演奏される予定だったが多くのオーケスラが活動するロンドンではプログラムの重複を避けるためもあり始めのベートーヴェンの交響曲が「第6番<田園>」に変更されたとのことである。いずれにせよこれらの作品はカラヤンが元から得意とする作品なので当日のロンドンの聴衆の期待も高まったと思われる。
 カラヤン&ベルリン・フィルの「田園」と「英雄の生涯」の録音はこのライヴも含めて正規盤で5,6種類を数えると思うがこのライヴ盤の演奏も上位にランクされて然るべきだろう。特に「英雄の生涯」のシュヴァルベのソロを聴くと翌1973年の来日公演での演奏が脳裏を過ぎる。