教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

美術館の活用

2007-05-09 11:02:15 | 学習プログラム
読売新聞(2007年5月9日)によると、中学校生がシュルレアリスム展を鑑賞学習したという。<岡崎市立矢作北中学校(大岡久芳校長)の1年生73人が8日、同市美術博物館で開催中の「シュルレアリスム展―謎をめぐる不思議な旅―」(読売新聞社など主催)を総合学習の一環として鑑賞し、見学後、感じたことをスケッチブックに表現した>ということらしい。

★今美術館は、様々なプログラムを用意して入館者を増やしたりしなければ、運営できない。そのための努力の一環だろうが、新聞記事からしか判断できないのだが、それでも今回のプログラムはちょっといい。

★というのも、このようなプログラムは、たいてい美術や美術館について学ぶことになるが、今回はシュルレアリズム展とそれを企画した美術館を通して、子どもたち1人ひとりの思いを見つけるプログラムになっているからだ。

★<同校は今年度、同市教委から「命の教育」の研究を委託されており、中学生になったばかりの1年生の心の変化を理解するため同展覧会の鑑賞が選ばれた。生徒らは、レクチャールームで同美術館の村松和明学芸員からシュルレアリスム(超現実主義)について説明を受けた後、作品を鑑賞。・・・観賞後、レクチャールームに戻り、展覧会で感じたこと、友だちとの関係、中学校と小学校との違いなどをスケッチブックに自由に表現した。>という。

★美術館と美術作品を見て感じたことは、ある一定水準の人間観を生み出す。一見何でも自由でよいという設定のように見えるが、それなりのハードルがある。つまり制約がある。この制約を子どもたちが自分流儀でぶち壊す時、はじめて自由が訪れる。その自由が作り出す表現。これこそリベラルアーツだろう。