クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

とっておきの名盤 その34 R.シュトラウス 歌曲集

2006年09月14日 | とっておきの名盤「声楽曲」
R.シュトラウスの歌唱では全盛時に絶賛をあびたスイスの名ソプラノ、リーザ・デラ・カーザが歌ったこの歌曲集は、私が是非取り上げたい愛聴盤のひとつだ。
その要因のひとつが、彼女の類まれなる容姿と美貌にもかなりあるのだが。
それと多くの作曲家の歌曲の中では、R.シュトラウスとシューマンのものを私がとりわけ好きな事もその要因のひとつだ。
R.シュトラウスの歌曲は初期の作品を私は特に好む、そして初期のものに上れば上るほど、駄作が無いのも珍しい。
彼女の歌は、この作曲家と相性が良いだけに聴いているだけで楽しいし、この盤は初期の作品を多く含んでいるので是非お勧めしたい一枚である。
この作曲家の歌曲集のベスト・スリーは、
・リーザ・デラ・カーザ、サンドール<Pf> <eurodisc>
・ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、ジェラルド・ムーア<Pf> <EMI>
・ヒルデ・ギューデン、フリードリッヒ・グルダ<Pf> <LONDON>
番外として、不世出の名歌手ハインリッヒ・シュルスヌスが歌う「献呈」を含む隠れた名盤を挙げたい。
・「歴史的名歌手によるR.シュトラウス歌曲名曲選」 <ACANTA>

とっておきの名盤 その30 モーツアルト 「レクイエム」ニ短調 K626

2006年09月05日 | とっておきの名盤「声楽曲」
モーツアルトの絶筆となったこの曲は、身も心も引き締まる真摯な演奏で聴きたいものである。
まず一番大事なのは合唱が素晴らしいこと、そうでなければこの曲の良さは絶対に聴く人の心に伝わらないと思う。
その点で、ムーティ指揮の盤は群を抜いている。
当時、世界的に最も水準の高いコーラスと評価されたスウェーデンの合唱団がベルリンフィルと競演し、ムーティの清新な指揮のもとモーツアルトの死に対する不安・畏れ・憧れというものを的確に表現している。
今年はモーツアルトの年でもあるし、たまには心を正して聴いてみたい一曲、一枚である。
ここに挙げるベストスリーの名盤は合唱を除いては順位がつけがたいので、同列としたい。
・リッカルド・ムーティ指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送合唱団、ストックホルム室内合唱団、パトリシア・パーチエ、ジェイムス・モリス他 <EMI>
・カール・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団、エデット・マティス、カール・リーダーブッシュ他 <Grammophon>
・カール・リヒター指揮、ミュンヘンバッハ管弦楽団、ミュンヘンバッハ合唱団、マリア・シュターダー、フランツ・エーダー他 <TELDEC>
番外として音は良くないが、歴史的名盤(「ラクリモーザ」は涙なしに聴けない)を挙げる。
・ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨクフィルハーモニック、ウエストミンスター合唱団、イルムガルト・ゼーフリート、ウイリアム・ウォーフィールド他 <CBS>

とっておきの名盤 その20 べ-トーヴェン ミサ・ソレムニス 作品123

2006年08月12日 | とっておきの名盤「声楽曲」
晩年のベート-ヴェンが、精神を傾けて作曲した深みと厳しさのある曲である。
それだけに演奏は難しく、私はこの曲に素直に体を預けて聴き入ることができる演奏になかなか出会えなかった。
いろいろな演奏を聴いたが、やっとこの盤に巡り合えた時はとても嬉しかった。
厳しさとは正反対の形でこの大曲に対峙し、穏やかな中にまことに滋味深い精神に溢れた演奏をしてくれている。
こくのある演奏で、何度聴いても飽きが来ないのである。
伝統あるコンセルトへボウの音が、この盤の録音ではしっかりと捉えられている。
A・ギーベル、M・ヘフゲン、E・ヘフリガー、K・リーダーブッシュの歌手達も良い。
この曲のベスト・スリーの演奏は、
・オイゲン・ヨッフム指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、オランダ放送合唱団 <PHILIPS>
・オットー・クレンペラー指揮、ニュー・フィルハーモイニア管弦楽団及び合唱団 <EMI>
・なし

とっておきの名盤 その10 ハインリッヒ・シュッツ宗教合唱曲集 ドレスデン・クロイツ協会合唱団

2006年08月03日 | とっておきの名盤「声楽曲」
ハインリッヒ・シュッツは1585年の生まれであるから、丁度バッハ生誕の100年前である。
しかし、その音楽は100年も前とは思われない立派なものである。
一枚のCD、シュッツ作曲オラトリオ「十字架上の七つの言葉」を聴いた時、真の魂の深さとはこのようなものかと思わせるその音楽の訴える力に、私自身魂を洗われる思いがした。
私は宗教家でも信者でもないので、どうしてもヒーリングという感覚で聴いてしまう。
しかし、聴き始めるや否やシュッツの真摯な音楽は私の心を捉え最後まで私を放さない。
今から約400年程前の曲が、何故こうも不思議な力を持つのか私には説明できないが是非聴いて欲しい作曲家である。
その後、CDショップでこの全集を廉価版(10枚組約6500円)で入手する事が出来、非常にうれしい気持ちでいっぱいである。
ルドルフ・マウエルスベルガー指揮、ドレスデン聖十字架合唱団の演奏は、これ以外の演奏が他に考えられるだろうかというほど素晴らしい。
シュッツ作品のかなりのCDを残しているだけあって、ドイツの伝統を踏まえたその演奏の素晴らしさには十分うなずけるものがある。
ヒーリングというつもりでいいから、このブログを読んだ方にも是非一聴をお勧めしたい。
ハインリヒ・シュッツ オラトリオ「十字架上の七つの言葉」

とっておきの名盤 その9 ルチア・ポップ 「ドイツの子供の歌」

2006年08月02日 | とっておきの名盤「声楽曲」
ルチア・ポップが、愛らしい澄んだ声でドイツの子供の歌を本当に楽しげに歌った一枚。
器楽アンサンブルの伴奏が、とてもしゃれていてポップの歌を引き立てている。
1983年ミュンヘンでの録音。
ルチア・ポップは1939年の生まれだから、油の乗りきった44歳のときの録音である。
ポップは、子供の歌のようなクラッシクから少し外れた歌でも、本当に丁寧にいとおしく歌っている。
こんなに楽しく、しかも音楽性にとんだ一枚も珍しい。
是非、みんなに聴いてほしい一枚である。
この様なジャンルでのお勧めのCDは、
・ルチアポップ「ドイツ子供の歌」、ラインハルト・ザイフリート指揮、器楽アンサンブル <ORFEO>
・鮫島有美子「ゆりかごの歌」、南安雄編曲・指揮、室内管弦楽団 <日本コロムビア>
・ヴェロニゲローデ少年少女合唱団「ドイツ民謡集」ⅠⅡⅢ、F・クレル指揮 <独Schallplatten>

とっておきの名盤 その6  J.S.バッハ マタイ受難曲

2006年07月29日 | とっておきの名盤「声楽曲」
J.S.バッハの最高傑作とされる「マタイ受難曲」だが、名演奏とされるK.リヒター指揮のアルヒーヴ盤に何度挑戦しても、その厳しい演奏の前について行くことができなかった。
このK.ミュンヒンガー指揮のCDは、輸入盤で廉価だったので何気なく購入し聴き始めたのだが、そのなんともいえない暖かい癒しの演奏にぐっと引き込まれ、最後まで取り付かれた様に聴いてしまった程である。
イエスの受難の場面、この曲中にちりばめられたコーラルは、何度聴いても本当に素晴らしい。
この名曲のべスト・スリーは
・K.ミュンヒンガー指揮、シュトットガルト室内管弦楽団 <DECCA>
・R.マウエルスベルガー指揮、ライプツィッヒゲバントハウス管弦楽団<BerlinClassic>
・なし