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ルーヴル美術館展

2006年08月01日 10時58分35秒 | 読書

 ルーヴル美術館展
                     東京芸術大学美術館 ~8/20

 見ていて強く感じることは、ギリシア彫刻において美=正であることだ。ライオンの大きな表現、首から胴体にかけての太さとその細工の細かさは、ライオンを写実的に表そうとするよりも、理念として正しいライオンを造形しようとする意思を感じる。
 ライオンだけでなく、女性にしても、男性にしても、正しい女性の姿、正しい男性の姿を神や偉人の姿を借りて表現している。そしてここでの正しさとは、美しさと同義である。
 美しさは文化に属する事柄なので、同じギリシア彫刻においても、時代によってその美は変遷する。
 この展覧会の大きな特徴は、クラシカルなヴィーナス(アルルのヴィーナス)の展示と並行して、ミロのヴィーナスのハイヴィジョンCG映像を見ることができる点にある。それによって、ぼくたちは造形的にクラシカルなヴィーナスとヘレニスティックなヴィーナス、二つのヴィーナス(=女性としての美)を比べることができるのだ。
 たぶん、現代の目からすれば柔らかな感じのミロのヴィーナスの方を美しいと感じる人が多いかもしれないが、足の形など多少固い感じのアルルのヴィーナスもそのクラシカルなたたずまいとあいまって、実に美しいものだった。
 にしても、ミロのヴィーナスは大きい。身長204cm、バスト121cm、ウエスト97cm、ヒップ129cm。なんかの選手になれそうだ(なんの?)。

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