毎日が観光

カメラを持って街を歩けば、自分の街だって観光旅行。毎日が観光です。

東京ウォーカー(上)

2009年02月09日 17時54分51秒 | 観光
 手が痛くて自転車に乗れない →運動不足 →豚一直線 →太って自転車に乗れなくなる。
 そんな負のスパイラルを断ち切るために、そうだ、歩こう。縄文人のように。一歩一歩大地を踏みしめ、風を浴び、空気の匂いを感じながら、どこまでも歩いていこう。
 でも、どこまでも歩くと夕飯の時間に間に合わなくなるので、とりあえずラグビー場まで歩いて行こう。題して「東京ウォーカー」。どこまでも、と言いつつ、10kmほどしか歩かない羊頭狗肉もいいとこの企てである。
 まずは小石川へ。


 旧東京医学校。後の東京大学医学部である。現在は東京大学総合博物館小石川分室で、木曜・金曜・土日だけ公開されてる。



 小石川から一山登って、春日局ゆかりの伝通院。このあたりまではサクサク歩く。
 ここから飯田橋に出て、そこから市ヶ谷、四谷を経由して青山に出るか、皇居まわりで青山に出るか、思案のしどころ。



 とりあえず飯田橋。東京大神宮。天照大神と豊受大神両方を祀っているので、伊勢で言うと内宮、外宮いっぺんにまわれるお得な神社。
 しかし、写真を見て頂ければおわかりなように、まるでジャニーズ関係のコンサート会場での売店風景のようなことになっている。ここにお参りすると彼ができるという噂が口コミでひろがり、一気に大神宮はこのようなにぎわいになった。同じような例に埼玉県の吉見観音がある。こっちは、東上線に乗る前に池袋でパンを買うなどのジンクスまであるらしい。



 結局皇居周りを選択。
 北の丸公園の入口、田安門に到着。徳川御三卿の1つ田安家の門。北の丸公園には武道館や科学技術館があって、子どもの頃よく来た。科学技術館で行われる液体窒素の実験など夢中になって眺めていたものだ。



 武道館。
「俺は東京でビッグになるんだ」
「馬鹿言ってんでねえ。そんな夢みてえなこと言ってねえで、ちゃんと高校出るんだ」
「高校なんて馬鹿らしくて言ってられるか。俺はビッグになって武道館満員にすんだ」
 などとブツブツ一人小芝居うちながら北の丸公園を後にした。
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先週の読書

2009年02月09日 10時05分44秒 | 読書

 藤野千夜「ルート225」             理論社
 登場人物の微妙な感じが心地よくてこの作者の本を何冊か読んできたけれど、これはそれまでのものとはちょっと毛色の違うもの。ラノベじゃないヤングアダルト向き作品といったところかな。
 そんなわけでぼくは楽しむことができなかった。主人公の女の子がなんでこんなに偉そうなのか、威張っているのか、上から目線なのか、引いてしまう。ルート225(15)歳からルート256(16)に至る女の子の成長小説にちょっと不思議なパラレルワールドのSF風味を味付けた感じ。



 田中啓文「チュウは忠臣蔵のチュウ」     文藝春秋
 田中風アレンジの忠臣蔵。浅野内匠頭切腹の裏に暗躍する水戸、皇室、幕府のバトルロワイヤル。最後に仇討ち団が討ち取ろうとした人物は!?
 各章冒頭が講談調に始めるのだけれど、それがなかなかいい。最後までそのノリでやってもらいたいくらい。
 寝っ転がって、気軽に読むにはちょうど適した本。
 ところで不思議なことに忠臣蔵では大石と対立した家老大野九郎右衛門が没したのはここだという伝承が群馬、山梨、京都にある。慕われてない? 忠臣蔵では悪役めいた彼には当時の人の知る別の面があったのかもしれない。



 絲山秋子「豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記 」   マガジンハウス
 高崎在住、一人住まい作家の食い倒れ自炊記。
 いやあ、抱腹絶倒………じゃないな、ニヤニヤしながらずんずん読み進む。ああ、だめ、今すぐ厨房に立って無謀な料理を作りたい。だいたい夜に本を読むことが多いぼくにはものすごい誘惑の書であります。
 いきなり冒頭から「力パスタ カパスタではありません。ちからパスタです」の宣言高らかにイカスミパスタに焼いた餅投入。男っぷりのいい著者ならではの豪快な料理が繊細な筆致で味わうことができます。
 それにしても著者の料理にはどれもちょっとした創意工夫が感じられて、笑い読みだけじゃなく参考にもなります。「ヘナポコ」作ってみようかな。



 小川光生「サッカーとイタリア人」     光文社新書
 日本が戦後どこに行っても同じような顔をした街作りに励んだのに対して、イタリアの街は地方地方特色がある。そしてその特色のある街々にはフットボールクラブがあり、街の住人はどのカテゴリーでプレイしているかを問わず、街のクラブを応援する。
 日本の場合Jリーグは地域密着を目ざしてはいるものの、出発点は野球と同様企業スポーツ。街のクラブが発展したわけではない。ぼく自身、自分の街である東京のチーム(しかし、ヴェルディやFC東京が本拠地としている調布を自分の街とは言えないよなあ)ではなく、企業チームであった日産からの流れでFマリノスを応援している。浦和のように三菱から独立できたチームもあるが、それはやはりごく一部。
 という大まかな考えをしていたのだけれど、この本を読むとぼくの考えにはちょっと誤解があったようだ。イタリア人といっても、みながみな自分の街のチームだけ応援しているわけではないらしい。自分の街のチームを応援するのはもちろん、その一方でインテル、ミラン、ユヴェントス、その3つのうちのどれかを応援しているんだとのこと。著者はイタリア人ジャーナリストにこう言われたという。
「ユヴェントス、ミラン、インテルは(中略)、言ってみれば、銀幕のスター、憧れの大女優さ。一方、地元のチームというのは、自分の身近にいる美しい娘という感じ。その娘とシャロン・ストーンの両方を愛してどうしていけないんだい?」
 たいへんイタリア人らしい比喩の使い方だと納得させて頂きました。
 都市ごとにサッカーチームをまとめていて、語り口が普通にうまいので普通に面白く読めた。
 今度一度東京23サッカークラブの試合でも観に行ってみようかな。
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