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今週のCD&DVD

2009年02月06日 16時43分36秒 | 音楽

 波多野睦美「ひとときの音楽」
 パーセルは大好きな作曲家の一人で「次回はパーセルについて」などと予告したにも関わらず、申し訳ない。いつかそのうち。せめてこのCDでパーセルでも聴こう。このCDのすばらしさについては、ぼくが紹介するより専門家に任せた方がずっといいと思う。
「彼女の柔らかく暖かく、少し客観的な距離をもって揺るがないがゆえにいっそう優しく感じられる歌声は、遠い過去の偉大な作品を聞いているというよりは、いまを生きる私たちのために届けられている、最良の意味での非オペラ的な声である。波多野睦美の声が存在するということは、同じ国、同じ時代に生きる私たちにとって、ひとつの恩寵のようにさえ思う」(林田直樹「クラシック新定番100人100曲」)


 ガブリエラ・モンテーロ「バロック・アルバム」
 やられた。今年のベストだ、始まったばっかだけどさ。
 この音楽を聴いていると、夕日の輝きに胸が締め付けられる気がした。
 クラシック音楽の主題を使ってジャズっぽく演奏するのって、もともとの曲を薄めてるみたいな感じがして好きじゃないのだが、これは違う。パッヘルベルの「カノン」で泣ける。信じられない。なぜパッヘルベルで泣けるのだ? しかし、泣けてしまうんだよ。ヘンデルの「サラバンド」も素晴らしい。

こちらで試聴できます。



 タリス・スコラーズ「ライブ・イン・ローマ」
 タリス・スコラーズのメンバーであるソプラノのテッサ・ボナーさん追悼。このライブはぼくが上野の東京文化会館で聴いたのと同じ1994年のもの。テッサーさんは去年末にガンで亡くなった。57歳という若さだった。
 なんだか追悼の気持でパレストリーナを聴く。1994年はパレストリーナ没後400年にあたるため、その記念演奏会としてローマのサンタ・マリア・マジョーレ教会で行われたライブ。聖マリア大聖堂でコープマンが指揮した「マタイ受難曲」を聴いたことがあるのだが、残響が長すぎて聴きづらかったことがある。しかしこの演奏会ではそんな感じはなし。
 こういうの聴くとパレストリーナと教会とのつながりの強さを感じる。単にキリスト教的、ということではなく、彼の音楽の持っている深い構築性に教会建築が実にフィットしているのだ。



 「図鑑に載ってない虫」
 「亀は意外と早く泳ぐ」にやられたぼくは続けざまにこれと「ダメジン」を見た。
 三木聡って、ロードムーヴィーが好きなんじゃないか。それもこぢんまりとした。
「時効警察」の合宿、「ダメジン」の秩父、そして死ニモドキを探すために海に出かけたこの映画。目的はどれも別にあるんだけれど、なぜか仲良し旅みたいな描き方になる。そしてその旅の姿がいいんだ。ああ、こういう仲間っていいなあ、と。
 三木聡の映画の中でぼくはこれが一番好きかもしれない。ナイス橋本のエンディングテーマもウォークマンに入れて何度も聞き返してる。
 細かなところでのくすぐりも抜群だし、「探偵物語」の松田優作を意識した役作りは懐かしさもあって好感が持てた。。
 ああ、夏は終わっちゃったけど、生きていればまた来年夏が来る、愉快な仲間とともに過ごしたあの夏がまたやって来る、主人公の「生きている!」という絶叫にはこんな気持が込められていたんだろう。
 「帰ってきた時効警察」の最終回に出てくるオルゴール職人の遠藤ってこれかあ!
 あと「ダメジン」も見たけれど、こっちの方を先に見てしまったので、イマイチだった。
コメント
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