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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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寒くなるオール電化住宅・・・北斗市

2006年05月21日 16時34分02秒 | リフォーム
写真はファース本部の近くにある松前藩が造った戦用城跡「清川陣屋」の桜ですが、満開の時は空が見えなくなるほどの桜の花びらも残り少なくなりました。今日は全国的に良い天気で、ここ北斗市も暖かい春の風が吹いていてまさに花吹雪です。
つい20日ほど前には本物の雪吹雪が舞っていたのですが・・・

北海道は8ヶ月間、冬なのです。家づくりも当然、寒さ対策が重要になります。
8ヶ月間、夏の温暖地とは様相がまったく異なるのです。
特に寒冷地のオール電化住宅は、エアコン暖房を使用し難い(外気から熱と取り込むのが困難)ため多くが蓄熱暖房機を使用しています。蓄熱暖房機は安価料金の深夜電力で、レンガに熱を溜め込みます。溜め込んだ熱を出し切ってしまうと冷たいレンガの固まりとなります。出来るだけ溜めた熱を深夜電力の通電する時間まで持たさなければなりません。

この放熱時間を通電時間の深夜まで持たすには家に気密や断熱の性能が必要となります。新築当時は間に合っていた蓄熱暖房機の熱量が、2年3年と経つうちに深夜まで持たなくなり、オール電化住宅は「寒くなる」と言う表現となるのです。燃焼暖房機の場合、寒い時は燃焼ボリュームを上げて稼動させるため寒いと言う表現になりません。
寒さ対策は気密性能が重要です。どんなに断熱材を厚くしても、隙間があれば膨張した暖かい熱はドンドン吐き出され、その分、外部の冷たい空気が入り込み、人の居る床付近に停滞します。寒いのです・・・

国内の住宅における断熱と気密の指導基準は、グラスウールで断熱し、ポリフィルムで気密をはかる事が骨子になっております。ところがポリフィルムによる気密性能は数年で半分以下に経年劣化する事が公的な研究で明らかになり、建築関係の学会論文にも明記されています。窓のガラスを抑えるビートと気密クッション(ゴムや樹脂)が痩せる事もありますが、ポリフィルムの上から建材を打ち付けるのでポリフィルムの硬化、建材、木材の収縮などが主な要因である事が解っています。

気密性能が劣化して室内の水蒸気が壁の中に入り込み、グラスウールの湿気量を増加させると湿った布団を着込んだのと同じ状況で寒くなります。グラスウールは壁体の内部に乾燥した空気を静止させる事で断熱効果を発揮するのです。この乾燥したまま壁体内の環境を維持するには、床下の乾燥状況、壁の構造、外壁の種類、向きと間取り、そして一番、影響を受けるのが、室内での生活の仕方なのです。この条件が合えばグラスウール断熱でもまったく問題を起こさない家となります。

グラスウール以外の断熱材も様々な課題を抱えております。
何が一番、住む人にとって利益に叶う住宅システムなのか・・・それは実際に住んでいる人から聞いて判断すべきであり、それも複数の方々からの意見を聞いて選択すべきでしょう。特に10年以上経っても経年変化を起こさない住宅システムは極めて限られてきます。
供給する側は自分のつくる家が一番良いと思い込んでいるのですから・・・

今日は本当に穏やかな一日でした。このファース本部の執務室から見える函館山の稜線が青空にくっきりと浮き上がりとても綺麗に見えます。
ファースの家

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